ステラ・マッカートニー が実証する「サステナブルスキンケア」のマーケティング

DIGIDAY

スキンケアブランドであるステラ・バイ・ステラ・マッカートニー(Stella by Stella McCartney)は、ステラ・マッカートニー氏の評判を踏まえ、まさに期待通りの提案を掲げて2022年8月にローンチした。サステナブルファッションのパイオニアとして知られるマッカートニー氏は、厳格なサステナビリティ基準、詰め替え可能なパッケージ、2000以上の有害な成分の禁止を表明し、美容業界に参入した。現在、彼女のチームはその意識を反映したキャンペーンでブランドのマーケティングを行っている。

「地球への影響を最小限に抑え、効果的で魅力的なスキンケアラインを作るための代替手段を革新し、発見するよう、ステラは我々に挑んできた」と、ステラ・バイ・ステラ・マッカートニーのゼネラルマネージャー、ステファン・デルヴァ氏は言う。「この分野では『ひとつ』の魔法の解決策など存在しない。影響を最小限に抑え、もっとも責任ある決定を下すために、プロセスのひとつひとつの段階で選択肢を検討して精査している」。

「Stella Voices」と名付けられた今回のキャンペーンは、1月12日にローンチした。気候変動活動家である5人の女性をコラボレーターに迎え、それぞれのメッセージをステラ・マッカートニーの店舗やソーシャルメディアを含むデジタルチャネル全体で紹介する。活動家にはDBE(大英帝国勲位)に叙せられたジェーン・グドール博士やメキシコ先住民の気候変動活動家シエ・バスティダ氏などがおり、メッセージは、排出削減、生息地保護、教育など、さまざまなテーマに焦点を当てている。キャンペーンは2023年を通して行われる予定だ。

詰め替えモデルに注力したラグジュアリー美容ブランドは少ない

ステラ・バイ・ステラ・マッカートニーの最初の3つの製品ーークレンザー、セラム、クリームーーは、ファッションブランドによる初のサステナブル・スキンケアラインでもある。価格帯は47ドル(約6000円)から136ドル(約1万7600円)で、同社の特殊なパッケージや処方の必要条件をクリアするため開発プロセスでは数々の課題に直面し、完成までに3年の歳月を費やしている。ローンチ前にはそれぞれの製品のサステナビリティプロファイルを評価するために、美容研究所であるLVMHラボ(LVMH Labs)と協働した。

「処方は、ヴィーガン、クルエルティフリー、ナチュラル、エッセンシャルで、肌や地球と調和するものでなくてはならなかった」とデルヴァ氏は語る。「その上でさらに、効能や感覚的な品質にも妥協は許されなかった」。その結果、海藻のダルスや白樺の樹液など、一般的ではない成分を使用した製品が誕生した。調香師フランシス・クルジャン氏とともに作った海岸の香りが特徴である。

詰め替え可能なパッケージが以前よりも普及してきたとはいえ、詰め替えモデルに注力したラグジュアリービューティブランドはまだ少ない。そうしたブランドにはアウグスティヌス・バデール(Augustinus Bader)、ラ・ブーシュ・ルージュ(La Bouche Rouge)、ケラスターゼ(Kérastase)などがある。だが、詰め替え可能であることは、消費者のロイヤルティを高めるのに役立っている。ケアーウィス(Kjaer Weis)ではビジネスの3分の1近くがリフィルの購入に基づいていると報告しており、一方アウグスティヌス・バデールでは、セラムとアイクリームの購入の50%近くが、9月21日の発売以降、詰め替え可能製品が占めているという。ステラ・バイ・ステラ・マッカートニーの一次包装は、ガラス容器とエアレスポンプで構成されており、いずれもリサイクル素材でできている。リフィルのパッケージは木くずから作られたものだ。

クリーンよりもサステナビリティに注力したラグジュアリースキンケア

ステラ・マッカートニーのファッションブランドは、2017年に環境団体のパーレイ・フォー・オーシャンズ(Parley for the Oceans)とコラボレーションして以来、キャンペーンに活動家を巻き込んでいる。2021年には、アマゾンの森林破壊に対抗すべく、活動家団体のグリーンピース(Greenpeace)とコラボレーションを行っている。

「最終的に、サステナビリティの実践はブランドのDNAの一部であるべきで、それらの実践が本物であることを行動と約束で示さなくてはならない」と話すのは、ラッシュ・ノースアメリカ(Lush North America)の最高倫理責任者、ブランディ・ホールズ氏だ。「ビジネス以上のことを行うためのビジネスであることが、気候変動の緊急事態となっているいまの段階では重要だ」。

今月掲示されたステラ・マッカートニーの2021年の決算では、年間収益が14%増の3240万ポンド(約52億円)になったことが明らかになった。しかしまた、2018年のケリング(Kering)からの分割以降の管理費の増加により、3270万ポンド(約52.4億円)の損失も報告している。2019年には同社はLVMHからマイノリティ出資を受けている。

サステナビリティに注力したラグジュアリースキンケアは、この業界内では珍しい。「クリーン」ビューティのカテゴリー内には、もっと多くのブランドが参入しているが、クリーンビューティは主にブランドによって自主規制されている。したがって、より多くのラグジュアリー消費者がサステナビリティを念頭に置いて買い物をするようになれば、LVMHの財政的支援を受けているステラのような美容ブランドが優位になるだろう。

[原文:Stella McCartney demonstrates how to market sustainable skin care]

ZOFIA ZWIEGLINSKA(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)

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