「AIが作った文章」を見抜く眼力の鍛えかた

ChatGPTのリリースから1年。ネット上が様変わりしましたね。

この1年間でどこを見ても人工知能、みたいな感じになってきました。特にネット上ではボットはありとあらゆるトピックに関する文章を生成していますが、内容はかなり自然で人間が書いたのか区別がつかないものも多くなってきました。

自分がオンラインで読んでいる記事や特集は、本当に人間が考えて、書かれたものなの?それともボットが書いたものを読んでいるの?と思われる方も多いでしょう。

見分ける方法は100%完璧ではありませんが、いくつか方法があるのでご紹介します。

著者の確認をする

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Screenshot: Gizmodo

現時点では、少なくとも知名度が高く信頼されているオンラインメディアでは、AI生成のコンテンツを無記名で発信していることはないと思われます。

しかし、信頼性の低いサイトではAI生成のテキストを活用していても、それを明示していない場合があります。もし著者が特定されていない文章に頻繁に出くわす場合は、AI生成の可能性があると警戒したほうがよさそうです。

対照的に、著者名があってさらに望ましいケースは、その人の経歴やソーシャルメディアのアカウントなどが含まれている場合。人間によって書かれたものを読んでいる可能性がかなり高まります。オンラインで読むものすべての背景をチェックする時間はないかもしれませんが、情報源を確認する必要がある場合は一手間かけてみてもいいかもしれませんね。

しかし、チェックを上回る巧妙なAI記事もあります。

Sports Illustratedというサイトのとある記事には、著者のプロフィールと顔写真が添えられていましたが、記事の中身だけでなく、プロフィールと写真までAIで作成されたものであることが判りました。

TinEyeなどの逆画像検索をおこなうと、実際には存在しない人物の画像を特定することができ、記事の信頼性を判断するのに役立ちます。

そのサイトの履歴、公開されているコンテンツの種類、「このサイトについて」のページがあるかないかなど、サイト自体からもさまざまな手がかりを得ることができます。

AI検出ツールを使う

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Screenshot: Copyleaks

AI検出ツールがちゃんと機能するかどうかについてはずっと議論されています。

OpenAI他のメディアでも、ほとんどの場合「AI検出ツールは信頼できない」と述べています。ただ、AI検出ツールは実際に使用されているので、まったく機能しない、信頼できないということではなく、限られた範囲ではAIの使用の確認に役立つかもしれません。

米GizmodoではCopyleaksGPTZeroScribbrなどのAI検出ツールを使って簡単なテストをおこないました。その結果、AIと人間の違いは一応識別できるものの、毎回正解するわけではありませんでした。

こういった検出ツールは、AIが書いたテキストよりも、人間が書いたテキストを見つけることが得意のようです。テキスト内の独自性を見つけ、それに基づいてAIが次に何を言うかを推測します。ツールが文章の特徴を検出するためには、データがあればあるほど良いのですが、ツールを無料で使用できる回数に制限があることが多いです。

ある研究によると、一部の検出ツールはかなり優れていること、そしてほとんどの場合正確であることを示唆していますが、どれも一貫して高い確率で正解しているわけではありません。AI検出ツールは、他の調査手段と併用できるツール、と考えるのが良いかもしれません。

AIらしい間違えポイントを見抜く

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Screenshot: ChatGPT

冒頭で述べたように、オンラインのテキストがAIによって生成されたものかどうかを確実に識別する方法は実際にはありません。ただし、AIらしい間違えポイントを見つけるのも手段の一つです。

AIらしいクセは、生成型AIのトレーニングの仕方から出てくるもので、そのアウトプットは一般的で曖昧なことが多いです。

AIの書くことは、独自性、ユーモア、人間味が欠けることがよくあります。また個人的なストーリーもありません。AIは高い予測可能性を持つテキストを生成しようとします。基本的に、次にどの単語が来るべきかを予測しているだけなので、一般的な曖昧さと淡泊さが出てくるのが特徴です。

明白な間違えを探すのも手段のひとつですが、もちろん、人間も文章を書く時に間違えることはあります。しかし、AIのテキストは人間が間違えないようなことを大きく間違えることもありますし、何回も同じ間違えを繰り返して書いていることもあります。とは言え、それだけでAIが記事を書いたかを証明できるとは限りません。

これまで上げた方法すべて組み合わせると、人間が書いたものではないと見抜けるかもしれません。

こうなってくると、確実な方法はその人間が書いているところを見る、という方法だけになってきてしまいますよね。

これからのAIテキストと執筆業界の関わり、どうなっていくのか、そして読む方もどう読むべきなのか、考える時代がやってきています。

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