Qualcommの「Smartphone for Snapdragon Insiders」のベンチマーク測定&レビューまとめ、現行機としてはぶっちぎりのCPU性能が明らかに

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Qualcomm初のオリジナルスマートフォン「Smartphone for Snapdragon Insiders」が、2021年8月27日に登場しました。ASUSが設計と製造を手がけ、QualcommのSoC「Snapdragon 888」を内蔵するスマートフォンを一足先に触ることができたので、その処理性能を定番ベンチマークソフトの「Geekbench 5」でテストしてみました。

Smartphone for Snapdragon Insiders | Best-in-Class 5G Connectivity Powerhouse | Qualcomm
https://www.qualcomm.com/snapdragoninsiders/smartphone

ASUS Store(エイスース ストア) – Smartphone for Snapdragon Insiders (ZS675KW-BL512R16)
https://jp.store.asus.com/store?SiteID=asusjp&Locale=ja_JP&Action=DisplayProductDetailsPage&productID=5521371400

なお、Smartphone for Snapdragon Insidersの外観やカメラ性能については、以下の記事でチェックできます。

「iPhone 12 Pro Max超え」と評された「Smartphone for Snapdragon Insiders」のカメラ性能を比較してみた – GIGAZINE


Qualcomm初のオリジナルスマホ「Smartphone for Snapdragon Insiders」を一足先に開封&フォトレビュー – GIGAZINE


・目次
◆Geekbench 5:CPU
◆Geekbench 5:COMPUTE(OpenCL)
◆Geekbench 5:COMPUTE(Vulkan)
◆Geekbench ML:CPU
◆Geekbench ML:GPU
◆まとめ

◆Geekbench 5:CPU
Smartphone for Snapdragon Insidersには、バッテリー使用に関する設定項目として、要求スペックが高いアプリに最適な「高性能」、一般的な使い方で推奨されている「ダイナミック」、パフォーマンスと駆動時間を両立する「省電力」、可能な限り電力を節約する「超省電力」を選べるシステムモードという機能があるので、ベンチマーク開始前に「高性能モード」に変更しておきます。


まずCPUのベンチマーク結果が以下。シングルコアのスコアはサムスンのGalaxy S21 Ultra 5Gをしのぐ「1126」で……


マルチコアのスコアは「3415」でした。


◆Geekbench 5:COMPUTE(OpenCL)
OpenCLで全体的な処理能力を調べるとこんな感じ。スコアは「4697」でした。


◆Geekbench 5:COMPUTE(Vulkan)
Vulkanのスコアは「5749」です。


Geekbenchの公式サイトに掲載されている、Android端末のVulkanスコアを比較したグラフ以下。Smartphone for Snapdragon Insidersのスコアは「5749」なので、上位を占めるサムスンのGalaxy S21シリーズに肉薄するスコアを記録したことになります。


◆Geekbench ML:CPU
Snapdragon 888は、毎秒26兆回(26TOPS)の演算能力を誇る第6世代Qualcomm AI Engineを搭載しています。そこで、モバイルデバイスのAI性能を調べるベンチマークの「Geekbench ML」を使ってみました。

その結果、CPUのスコアは「428」でした。


Geekbench MLのベンチマーク結果の比較グラフが以下。上位はほぼAppleデバイスの独壇場で、AndroidのトップはGalaxy S21の「444」だったので、Smartphone for Snapdragon InsidersはAndroidスマートフォンとしてはトップクラスのAI処理性能を持っていると言えそうです。


◆Geekbench ML:GPU
GPU性能のスコアは「1792」です。


公式サイトの比較グラフはこんな感じ。Smartphone for Snapdragon Insidersよりスコアが上のデバイスはiPadばかりなので、タブレットではないスマートフォン端末としては最上位のスコアです。


◆まとめ
「Smartphone for Snapdragon Insiders」は、144Hzのリフレッシュレートを備えた6.78インチのディスプレイと16GBのRAM、512GBのストレージなど高い基本性能を備え、普段使いからゲーミング、写真撮影までさまざまなシーンでそつなく活躍できる5G対応のハイエンドスマートフォンです。AppleXiaomiなどが相次いで充電アダプターを付けない方針を打ち出している中、急速充電規格「Quick Charge 5」対応の充電アダプターや充電ケース付きのワイヤレスイヤホンが標準で付属しています。また、あまり使われないことが多いメーカー製アプリのプリインストールやカスタマイズがされていない、いわゆるクリーンなAndroid 11がOSとして採用されているので、「純粋なAndroid端末が欲しいけどGoogle Pixelシリーズではパワー不足」というユーザーにうってつけです。


一方で、税込16万4880円というかなり高めの価格設定がネックです。また、防塵・防水仕様やワイヤレス充電といった多くの高級スマートフォンが備えている機能がないことや、Qualcomm初のオリジナルスマートフォンなのにもかかわらず「Qualcomm 3D Sonic Sensor Gen 2」の画面内指紋センサーを内蔵しておらず、SoCも2021年6月に発表された「Snapdragon 888 Plus」ではなく2020年12月に発表された「Snapdragon 888」で、Qualcommならではといった強みがいまひとつなのが若干残念なポイント。2021年中にリリースされる予定のAndroid 12をサポートするかどうかが記事作成時点では正式発表されていないのも少し気がかりです。

そのため、高い水準でまとまったSoC性能や、アクセサリーを買い足さなくても充電器からイヤホンまでQualcomm一式でそろえることが可能だという点に魅力を感じられるかどうかが、購入を決める上で重要なポイントになってくる一品だと感じました。

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