ギャップ傘下の アスレタ がヨガアクセサリーで新規カテゴリーに注力: B Corp 企業ならではの新製品

DIGIDAY

ギャップ(Gap)傘下のアスレチックブランド、アスレタ(Athleta)はヨガに注力しており、1月半ばにヨガアクセサリーの初コレクションをリリースした。

ヨガアクセサリーでカテゴリー拡大

このコレクションはヨガマット、ヨガ用ブロック、ヨガ用バッグの3製品のみで構成されているが、ヨガカテゴリーで先にスタートを切った他社の製品と直接競合するためのアスレタの戦略の一環である。競合他社にはアロヨガ(Alo Yoga)などの小規模なブランドやルルレモン(Lululemon)のような大規模なブランドがある。アクティブアパレルの販売は昨年末に軟化したため、この新規カテゴリーはアスレタが多様化を進め新規顧客を獲得する方法でもある。アスレタはレギンスで知られている。

アスレタのデザイン責任者、イブルー・アーコン氏はヨガアクセサリーの市場成長が新規カテゴリーに対する動機となった要因であると、Glossyに語っている。同氏は、ヨガマット市場が2028年までに世界で約40億ドル(約5206億円)に達すると推定しているバリュエイツレポーツ(Valuates Reports)の2022年8月のデータを引用した。加えて、今月、Googleのヨガマットの検索数は前年比で14%増加している。

「この拡大により、(顧客の)ヨガ実践を強化して、(アクティブウェアの)アイテムを補完するアクセサリーによってヨガに必要なものすべてを1カ所で提供したいと考えている」とアーコン氏は述べている。

アスレタは昨年14億3000万ドル(約1862億円)の収益を上げ、2023年には20億ドル(約2604億円)の収益が予想されている。だが、ルルレモンが依然としてヨガアパレルとアクセサリーの支配的な勢力であり、年間売上高は60億ドル(約7813億円)を超えている。アスレタはヨガアパレルを製造しており、マーケティングにヨガのイメージを取り入れているが(1月24日時点、オンラインストアのランディングページを占めていた)、これまでヨガアクセサリー市場には参入していなかった。

他社製品と差別化したB Corp企業ならではの新製品

アスレタのヨガアクセサリーはいくつかの点で競合他社の製品とは異なっている。たとえば、ヨガマットの価格は118ドル(約1.5万円)で、ルルレモンの98ドル(約1.3万円)よりも高く、アロヨガの128ドル(約1.7万円)よりも少し安い設定だ。アスレタによると使われている素材も差別化要因だという。

「大部分のヨガマットはいまだに石油資源由来のポリウレタンとポリ塩化ビニルで作られているが、これらは温暖化ガス排出の一因となっている」とアーコン氏は語っている。アスレタのマットは石油資源を使用せずに作られた天然ゴムであるユーレックスを70%使用している。ブロックは再生可能なサトウキビが51%使われ、バッグは100%リサイクルナイロンだ。B Corp認証企業であるアスレタは新しいアクセサリー類には石油資源由来の材料が使われていないことをセールスポイントの中心にしている。

ギャップの11月の2022年第3四半期決算説明会において暫定CEOのボビー・マーティン氏は、女性用アクティブウェア市場が軟化している中でアスレタは6%の緩やかなプラス成長を維持していると述べている。マーティン氏はその成長はアスレタのライフスタイル製品とアクティブ以外の製品に起因していると考えている。現在、アスレタはアクティブウェア以外の新規カテゴリーに進出して成長を目指しているというわけだ。

アーコン氏は次のように述べている。「フロウフリーリー(Flow Freely)ヨガコレクションや(9月にローンチした)下着コレクションのリチュアル(Ritual)など新規カテゴリーへの拡大を通じて新規顧客をアスレタに取り込み、全体的な成長戦略を促進している」。

アスレタは新規カテゴリーのマーケティングにアスリートを起用している。1月18日には、フィットネスとワークアウトスタジオ、ザ・クラス(The Class)の創設者であるタリン・トゥーメイ氏が主催するニューヨーク市でのヨガイベントでヨガマットを披露した。著名アスリートやフィットネスインフルエンサーとの協働はアスレタがよく起用する戦略だ。その中にはシモーネ・バイルズ氏との対面イベントの主催もあった。また、同社のインスタグラムのフォロワー83万人に向けて新製品についても投稿している。

既存顧客の忠誠心を活用してクロスセルする機会

新規カテゴリーには新規顧客の獲得という目的があるが、マーケティング会社、パワーデジタル(Power Digital)のファッション担当シニアアカウントディレクターであるハナ・レイン氏は、既存の顧客は新規カテゴリーを軌道に乗せるのに最適であると述べている。

「アスレタは既存の顧客ベースを活用し、カスタマイズしたメッセージで顧客を特別な気分にさせて、すぐに優位に立つことができる」とレイン氏。「既存の消費者はすでにアスレタに対してある程度の忠誠心を持っているため、生涯価値を拡大しながら新製品をクロスセルする絶好の機会だ」。

[原文:As activewear sales slow, Athleta turns attention to new categories

DANNY PARISI(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)

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