「最高のデジタルデータと AI能力 を推進し浸透させる」:リーバイスのカティア・ウォルシュ氏

DIGIDAY

小売業界はAIをますますビジネス戦略に統合している。リーバイ・ストラウスの最高グローバル戦略・AI責任者、カティア・ウォルシュ氏はその変革の最前線にいる。4年ほど前にリーバイスに入社したウォルシュ氏は、同社の価値観と革新的な技術力を融合させて変革を推進し、収益を増加させる責任を担っている。

小売業界はAIをますますビジネス戦略に統合している。リーバイ・ストラウス(Levi Strauss and Co.)の最高グローバル戦略・AI責任者、カティア・ウォルシュ氏はその変革の最前線にいる。4年ほど前にリーバイスに入社したウォルシュ氏は、同社の価値観と革新的な技術力を融合させて変革を推進し、収益を増加させる責任を担っている。

ウォルシュ氏の業績はすばらしく、リーバイス以前の業績は30を超える国々の多くの業界における企業の変革に貢献している。同氏は、定量的方法論を専門にした戦略的コミュニケーションの博士号を取得している。

ウォルシュ氏はGlossyポッドキャストの最新エピソードで次のように語っている。「リーバイスに入社したのは、自分にとって同社が象徴していたものが理由だった。特に共産主義国で育った私にとってリーバイスは服以上のものを意味していた。洋服は大好きだが。(リーバイスは)また、自由、民主主義、手が届かないもののシンボルだった。いまでさえ東ヨーロッパで最強のブランドは何かと聞いてみればリーバイスはトップに挙げられる。また、入社理由には同社のイノベーション精神もあった。リーバイスは世界にインパクトをもたらすために常に立ち上がっていた」。

経営幹部はウォルシュ氏の職業上の成功の鍵として特に3つの情熱を育んだ点を挙げている。それは、データと情報、情報を増幅するテクノロジーの能力、そしてすべてを分析して望ましい結果をもたらす機械学習の能力である。

以下に、対話のハイライトを読みやすさのために若干編集して紹介する。

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変革の推進

「私ひとりで変革を推進することはできない。私の仕事と日々の大部分は、教育、コミュニケーション、組織の目標の調整に費やされている。私は会社全体においてパートナーや利害関係者の目標をリードしている。我々が構築している機能を使用してデジタルデータとAIで行うことは、最終的にビジネス、当社のコマーシャル市場、機能に役立つものでなければならない。最高のデジタルデータとAI機能をリーバイ・ストラウス全社に浸透させることが私の目標だ」。

時代遅れの企業ルール

「デジタルトランスフォーメーションはそもそもサイロを壊すものだ。(その破壊が)生じなければならないのは、これまでうまく機能していることや尊重して保持すべきことを土台に構築しながら、企業全体をオーバーホールして会社全体の社風の変革を目指しているからだ。実際、私は自分のチームを(構造のひとつとして)考えていないし、他人にもそのように捉えないようにと言っている。全員がひとつのチーム、つまりチームリーバイ・ストラウスなのだから。皆が消費者とこのすばらしいブランドの未来に奉仕している」。

リーバイスの運営を変革

「デジタルデータとAI機能が特に影響を与えることができる重要な3領域にフォーカスしている。最初の領域は外部にフォーカスして、当社の消費者と顧客にとって正しいことを確実に行うということ。この領域内では、デジタルデータとAI機能の組み合わせを使うことから予測的で能動的でパーソナライズされたエクスペリエンスの提供まで、あらゆることが可能だ。…パーソナライゼーションは、消費者とのよりスマートなつながりを構築する方法の大きな部分だ。2番目の領域は、社内業務。デジタルデータとAI機能の組み合わせが大きな影響を与えられる領域で、よりスマートな商取引とよりスマートな創造が関与するところだ。3番目は会社の次の段階について。デジタルトランスフォーメーションが今日のビジネスの方法を変革するのに役立ち、また(リーバイスが)将来に向けてどのような新しいビジネスモデルを模索できるかを考える領域でもある」。

AIが小売に及ぼすインパクト

「パーソナライズされたエクスペリエンスは、小売業をはじめとするあらゆる場所で AIが提供するものの大部分を占め続けるだろう。だが、AIの影響の大きな部分には精度もある。(小売)業界が需要と供給の綿密な計画を立てられないという理由はない。AIはそれを提供できる。AIを通して(小売)企業は必要なもの、ロケーション、チャネル、特定の店舗、消費者のタイプ、時間と価格を正確に把握できるようになるだろう。綿密な計画、それがAIの長所だ。さらに将来的には、リーバイスのように製造も行う小売業者に関して言えば、パラダイムを転換する真の変革の時を迎えることができる。過去も現在も企業はまず製造してから販売している。将来は(その代わりに)まずデジタルツール、つまりデジタルデザイン、モバイル、オンライン販売を通じて販売し、そのあとで消費者の需要に合わせて正確に製造することが可能になる。それが持続可能性、創造性、財務に与える影響について考えてみてほしい」。

[原文:Katia Walsh on ‘permeating Levi’s with the best digital data and AI capabilities’

TATIANA PILE(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)


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