メイクアップブランド、カリレイが ウェルネス 領域へと参入:細胞を内側からスーパーチャージするサプリ

DIGIDAY

アーバンディケイ(Urban Decay)とカリレイ(Caliray)を立ち上げたウェンディ・ゾムナー氏にとって、ウェルネスは生活とビジネスの両方において常に不可欠なものだった。

同氏はアーバンディケイを1996年に立ち上げ、2012年にロレアル(L’Oréal)に売却した。アーバンディケイでは、広く一般に普及するよりも前から従業員向けのヨガクラスを開催し、摘み取ることも可能なバイオダイナミック農法の庭園を所有していたという。「すべての製品でパラベンの使用をやめた最初のブランドのひとつだということは、知られていない。当時人々はそのことを気にかけてはいなかった」。

同氏は2021年にマスカラとアイライナーを販売する「クリーン」なメイクアップブランドとしてカリレイを立ち上げ、美容業界に再び参入した。その後は話題となって飛ぶように売れたプライマーやティントなど、ラインナップを拡大している。創業以来、サステナビリティに常にフォーカスしてきた。

サプリメントブランド「ソーン(Thorne)」と提携して作成した「ゲット・リット・スキン・アンド・ムード・ブースティング・サプリメント(Get Lit Skin and Mood Boosting Supplement)」を発売し、いまはウェルネスにフォーカスしていることをより明確に示している。この30日分のサプリは現在、Sephora.comにて48ドル(約6,200円)で入手可能だ。「多くのスキンケアブランドがサプリメントを手掛けているが、メイクアップブランドで手掛けているところはそれほど多くない」とゾムナー氏は語る。

「私たちは、信頼のおけるマイクロインフルエンサーやナノインフルエンサーと協力し、製品を30日間テストし、日常生活に与えた影響のストーリーテリングを豊富に提供してもらった」と語るのは、カリレイの共同設立者であるジェナ・ドーバー氏。「彼らは肌、髪、爪、気分、エネルギーにみられた変化について、率直に話してくれた。インフルエンサーのコンテンツは今月いっぱい公開予定だ」。

ゾムナー氏はソーンに勤める友人に連絡をとり、カリレイ初のサプリメントについて相談にのってくれないかと尋ねたところ、コラボレーションを促された。「ソーンは非常に大きな会社なので、協働しようなどということはまったく念頭になかった」と振り返る。「しかし私たちに作れるさまざまな種類のサプリメントについて話し始めたところ、大きな潜在力を秘めた興味深い新技術について話してくれた」。ソーンの科学者たちは「円盤状のサプリメントにすべての栄養分を含めるには、グミは野球ボールの大きさが必要になる」と述べたという。

「作りたかったのは、肌のバリア機能を改善し、カフェイン無しで気分を高め、細胞を内側からスーパーチャージしてくれるサプリメントだった」とゾムナー氏。「私たちの製品は、MVP(Minimum Viable Product、実用最小限の製品)のようなもの以上に髪や肌、爪のブーストに役立つ」。

カリレイのサプリメントの主要な成分はビオチン、ニコチンアミドリボシド(NR)、ベタインなど。これらの機能について、同氏はかいつまんで説明した。「基本的には、細胞のターンオーバーを促すスーパーチャージャーだ。片付けが必要なクローゼットにたとえると、クローゼットから不要なものを取り除き、内部をリフレッシュすることに役立つ。そしてベタインは、この一掃したばかりの老廃物を体外へと取り除いてくれる」。

カリレイとソーンのコラボレーションも、ウェルネス領域への進出も、今回限りでは終わらない。「円盤の形状、持ち運びのしやすさ、そしてプラスチック不使用の小さな袋に入っていることも気に入っている」とゾムナー氏。

それでも、同ブランドを今後も支えていくのはメイクアップ事業だろうと語る。「手ごろな価格ですぐに元気になれるのが、美容の素晴らしいところだ。300ドル(約39,000円)のジーンズを買わずとも、19ドル(約2,500円)のリップグロスを買えば、新鮮でより良い見た目になる。人々に即座に満足感を与えられる美容は、常に私たちの事業の大きな部分を占めていくだろう」。

[原文:Makeup brand Caliray enters the wellness category

SARA SPRUCH-FEINER(翻訳:田崎亮子/編集:山岸祐加子)

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