グッドバイ共同創業者カーラ・オッペンハイマー氏が語る、大手小売業者と対抗するためのビジネスプラットフォーム構築

DIGIDAY

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グッドバイ(Goodbuy)は、大手小売業者への対抗を試みている。

2021年に創業した同社は、大手小売業者のウェブサイトに代わり、中小企業による同等品を買い物客に提供する新興企業だ。同社が提供するブラウザーの拡張機能をAmazonやウォルマート(Walmart)などのサイトで起動すると、同様な商品を扱っているほかの小規模ブランドを教えてくれる。また同社はモバイルショッピングサイトも運営しており、ここでは商品のタイプ、地域、創業者の統計的な情報など、さまざまな条件に基づいてブランドを検索することができる。

「私は、人々が意識的な買い物を効率的に行える方法を作りたいと考えた」と、共同創業者のカーラ・オッペンハイマー氏は語る。同氏は今週の米モダンリテールのポッドキャストに参加し、グッドバイの背景にある考え方や、将来に向けた計画について語った。

この1年間で、グッドバイは18万社のブランドをリストに加え、4万のユーザープロファイルを集め、200万ドル(約2億6000万円)近くの売上を促進した。現在同社が注目しているのは、ユーザーとパートナーブランドの数を増やすとともに、新しい収益化の方法を見つけることだ。これには有料のブランドサービスや、アフィリエイトビジネスの成長も含まれる。

同社が事業の最初の1年間で主眼としていたのは、このコンセプト自体を証明することだった。将来のビジネスモデルはアフィリエイトコマース、すなわち買い物客がこのプラットフォームを使用して商品を見つけたとき、ブランドがグッドバイに売上の一部を支払うというサービスを基礎とする予定だが、オッペンハイマー氏は、手数料を徴収する前に、より多くの人々にサービスを試してもらいたいと考えた。このため昨年は手数料を徴収せず、ブランドのリストと顧客ベースを構築することに全力を投入していた。

このような方針で、同氏は共同創業者とともに、小規模ブランドを自社の検索機能に自動的に組み入れ、さまざまな属性によって分類する技術スタックを作り上げた。つまり、グッドバイのユーザーは、女性が経営するブランドや、よりサステナブルであることを約束している企業などを検索できるようになった。

現在、数万の買い物客を抱え、ブランドからの注目が増してきたため、オッペンハイマー氏は今年、アフィリエイトプログラムを実装する予定だ。

同社が目標としているのは、Amazonに匹敵するオンラインショッピングのエクスペリエンスを作り上げ、同時に中小企業へのフォーカスを維持することだ。しかし、そのためには規模を拡大する必要がある。

「我々の優先事項の多くは、消費者により多くの機会を提供するために、より多くの企業を大きな規模で組み込むことに関するものだ」と、オッペンハイマー氏は述べる。

対談の要点のいくつかを以下に紹介する。これらは明確化のため多少の編集を加えている。

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グッドバイの背景にあるテーマ

「このアイデアは、意識的なショッピングをごく簡単に行えるようにし、人々がショッピングのために慣れ親しんできた方法をすべて捕捉するというものだ。買い物客はまずAmazonを訪問する。すべてのオンラインショッピングのうち62%はAmazonからはじまっている。Amazonは、ショッピング分野でGoogleに相当する王者だ。すべてのオンライン消費の70%は、15の大手小売業者で行われている。そのため、よくあるD2Cブランドのように自社のマーケットプレイスに誘うのではなく、当社は既存の行動と交差させ、人々を優れた小規模ビジネスに誘導するツールを作成する。そうすれば、その小規模な企業はショッピング結果や検索結果の10ページ目にしか表示されないような目立たない存在ではなくなる」。

グッドバイが最初のビジネスに乗り出すまで

「グッドバイを創業したとき、我々には規模の拡大が必要だと考えていた。ブラウザーの拡張機能でAmazonより前に結果を表示するなら、同じ3つの結果だけを繰り返し出すことはできない。我々は、4万件の企業を、短期間に低コストで大量に獲得することは不可能であるため、一連の非常にスマートなツールを開発した。このツールは多少のサードパーティーデータを使用するが、もっとも重要な点として、当社が構築した独自のツールだということだ。このツールは、Shopify(ショッピファイ)などのプラットフォームから、各種のカテゴリーにわたって、さまざまな規模の、さまざまな収益目標を持つ企業を識別するのに役立った。そして、当社が行ったのは、幅広い消費者にとって重要であると定義した16種類の企業価値と経営者のアイデンティティについて、99%正確に識別できるシステムを提供する独自のツールを構築することだった」。

ブランドで独自のパッケージを使用する必要がある理由

「中小規模の企業にとって、Shopifyを経由した現在の導入方法は、4分間で行える4ステップの手順によるものだ。これらの企業は4つの質問に答え、基本的にはその企業の規模について述べる。所有者のアイデンティティや企業の価値観を明らかにしてもよいが、必須ではない。次に、最後の重要な事項を確認する。それはつまり、これらの中小企業は自社サイトで購入された商品を、大手小売業者のパッケージで直接発送しないということだ。このため、当社では中小企業がAmazonのパッケージを顧客に送ることはできない。これは、当社のビジネスにとって本当に重要な点だ。顧客がグッドバイを閲覧するときのエクスペリエンスは、中小企業とつながっていることを感じ、喜ばしいものではなくてはいけない。だからこそ、それはもっとも重要な基準だ。これらの企業が別にAmazonで販売を行うのはかまわない。しかし、我々を経由して直接購入された場合、その企業のサイトから直接購入するとき、Amazonのパッケージを受け取ることはない。これは非常に重要なことだ」。

[原文:Goodbuy co-founder Cara Oppenheimer on building a small business platform to rival mega-retailers]

CALE GUTHRIE WEISSMAN(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)

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