どら焼き好きなロボット誕生まで、あと89年。
AIは日々、進化しています。それはつまり、我々人類の仕事がどんどん奪われていくということかもしれません。
AIが暴走して人類が存亡の危機に追い込まれるのはまだ遠い未来のことかもしれませんが(ジョン・コナーを召喚しなきゃ!)、私たちがAIに「人間は全員クビ」と宣告される日はそう遠くないかも?
世界中で労働環境に自動化の波がやってくることは知っていますが、いつどんな形で来るのかは誰にもわかりません。でも確かに、何年も前からオートメーション化の推進によって工場や窓口などの職種がロボットや機械に取って代わられているのは事実。
そして今、ChatGPTのようなAIチャットボットの出現により、オフィス系の仕事も脅威にさらされているんだとか。専門家が予測する「AIの発達で消滅するかもしれない職種」を、恐る恐る見ていきましょう!
アーティスト
「文筆業や画像生成は、人間でなくAIの仕事になってしまうのか?」というのは、なかなかの難問です。
OpenAIの画像生成ツールDALL-Eの出現には世界中が驚きましたし、今すぐには無理だとしても、いずれ機械が人間に代わる日も来るのかなと思ってしまいます。
これまでのところ、DALL-Eといったプログラムはあくまで「目新しいもの」という立ち位置で使われてきました。米Gizmodoでもゲームオブスローンズの世界にアメリカ大統領を挿入してみたり、といった感じでお茶目に遊んだりしています。
しかし、プログラムは徐々に進化しており、今後「生成系AI」がどのような影響を及ぼすのか、みんな深刻に考え始めています。
もしかして人間の芸術って終わっちゃうのかな? とうすら寒い思いを抱く人も少なくありません。
しかし、Bloombergのコラムニスト、マックス・チャフキン氏は「アーティストもデザイナーもAIに仕事を奪われることはない」と主張しています。
ただしその理由は、今の画像生成ツールはまだ未熟でうまく機能していないから、というもの。今はまだ…だそうです。
カスタマーサービス業
AIのチャットボットに乗っ取られる恐れがある業界のひとつが、カスタマーサービスです。
今や多くのWebサイトでチャットボットが「質問をどうぞ!」的な感じで活躍していますが、より複雑な質問やトラブルにはまだまだ人間のオペレーターが対応しています。
でも、もしも各企業がChatGPTのような高度なAIを駆使したプログラムを導入したらどうでしょう? それでも人間が必要になるのでしょうか?
今後カスタマーサービス業は大幅に自動化されると予測する人もいますが、それでサービスの向上が図れるかどうかは未知数です。
コピーライター
コンテンツ制作は全般的に「AIに取って代わられそうな職種」と言えますが、とりあえず最もオートメーションの影響を受けやすいもののひとつが、広告やWebサイトのコピーライターです。
というより、すでに自動化されたソリューションが登場し始めています。
Jounce AIは「無制限で無料のAIコピーライティング」のプライベートベータ版を展開していますが、こういう企業をチェックしてみると色々わかるかもしれません。
ChatGPTなど、一歩先行くアルゴリズムプラットフォームが次々とデビューしている今、コピーライティング業界にも自動化の波が押し寄せると予測する人は少なくありません。
弁護士
実は、そうなんです。AIマニアの間では「弁護士もチャットボットに取って代わられる日が来るかもしれない」ともちきりのようです。
正気の沙汰とは思えませんが、でも実際その通りなのです。
先日、ロイターは「そう遠くない将来、ロボット弁護士が登場するかも」と報じつつ、チャットボットには法律や判例を今のケースに当てはめて判断する能力があることを説明しました。
また、法律サービス会社のDoNotPayは「連邦最高裁判所の場で、我々のロボット弁護士を使ってください! 当社のアルゴリズムに法的主張させてくれる弁護士には、100万ドルを進呈します」という奇抜な提案をしています。
実際、DoNotPayのチャットボットは、1月13日に実際の裁判所で交通違反の議論をすることになっているんだとか。
アルゴリズムで弁護なんて印象悪いですが、「未来ってそういうもんです」と言われたらそれまでですね。
科学者
いやいや、もちろん科学者自体は人間のままかもしれませんが、科学の論文は近い将来AIが書いてくれるかもしれません。
ノースウェスタン大学の最新の研究によると、科学者自身、人間が書いた要約論文とChatGPTが書いたものを見分けられないことが少なくないそうです。
人間の文章かロボットのものか、正解できたのは約68%にすぎなかったそうです。もしこれが科学のテストなら、D判定がつくことでしょう。
コンピュータプログラマー
プログラミングは大部分がAIチャットボットに取られるのではないか、という声も聞かれます。
近年、AlphaCodeのようなプラットフォームが台頭しており「コンピュータ科学の簡単な問題ならAIは人間に負けない」と言われています。
また、ChatGPTといったチャットボットも、ある程度のコーディングなら自動でこなせるのでは、と期待されています。
ただ、やはり現時点ではChatGPTにこの仕事はむずかしいようです。
一見うまくプログラミングしているようで、実際は意味のない「コードっぽい物」を生成しているだけ、という事例もあり、プログラミング関連コミュニティのスタック・オーバーフローからはバンされてしまいました。
インフルエンサーとファッションモデル
キム・カーダシアンなど、スーパーモデルはすでに人間離れしたロボットのように見えなくもないですが、数年後にはファッション業界に本当のロボットが進出してくるかもしれません。
といっても、舞台上に人間型ロボットが出てくるわけじゃないですよ。AIを搭載したコンピュータでリアルな人間の画像を映し出すんです。
複数の大手小売店ではすでに、CGIモデルを使ったアパレル展開を構想中だそう、「ファッション業界のAI」でググれば、なんとかして新技術を商売に転換したいと躍起になるオタクにたくさん出会えるでしょう。
ビジネスの観点で見てもこれは理にかなっていて、ソフトウェアを使ってデジタルでファッションモデルが作れるなら、高価な報酬を払ってリアルなイケメンを雇う必要が本当にあるのか…? となってしまいます。
ジャーナリスト…?
これまでの内容を鑑みると、私たちジャーナリストにとってAIチャットボットは招かれざる客ということになります。この業界、すでに様々な問題やレイオフを抱えているわけですし。
ですが、ああ、無情。すでにChatGPTのようなボットにニュースを書かせようという話は出ています。
まだ雑談レベルですが。ChatGPTは電光石火で情報を集約するのが得意なので、すでに他で公開されているコンテンツを再パッケージするのに役立つのでは、という意見もあります。
実は最近、ChatGPTに記事を書いてもらおうとしたのですが、あまりうまくいきませんでした(ホッ…)。AIが人間の域に達するなんて心配はいらないかもしれませんね(…だといいな)。