きっかけはインスタントコーヒーを1日に5杯くらい飲むようになってたことでした。
目が冴えてくるのがやっぱりよくて、仕事中にコーヒーを常飲する感じになってたんですが、頭痛がしたり気持ち悪くなってくることも。ちょっと減らしたほうがいいな、と。
「1杯の満足度を上げる」
「分量を管理する」
これをやったら減らせるかな、と思い、やってみたのが事の始まりです。
意識の低いコーヒーの飲み方をやめた
それまでは飲みたくなったら適当にインスタントコーヒーをタンブラーに入れ、適当にお湯を注いでがぶ飲み、みたいなスタイルでした。考え得る中でもトップクラスに意識の低いコーヒーの飲み方だったなと今では思います。
ちょっといい珈琲抽出器具を買ってみた
そんな雑なコーヒー習慣をやめ、「ちゃんと淹れる」ようにしてみたんです。
「アメリカンプレス」という抽出器具を買い、コーヒー豆を買ってきて、毎回一定量を量るようにしました。
カラフェ(容器)に入れるお湯の量もいつも一定。
一定時間蒸らして抽出するように。とても濃厚な味の“珈琲”が飲めるようになりました。
思ったよりめんどうじゃなかった
今まではめんどうに思って敬遠していた一手間かけるような淹れ方ですが、やってみるとそんなに手間ではありませんでした。
飲むまでに増える工程は、「アメリカンプレスを棚から出す」「豆を準備する」くらい。どちらもお湯を沸かしてる間に終わります。湯温の管理も不要でした。沸騰したお湯を注いで蒸らしていると適温になるようになっているという。
豆を入れるコンテナには目の細かいメッシュがついていて、カラフェ内に豆が広がるようなことがありません。後片付けも淹れ終わったら中身をぽいっとゴミ箱に捨て、さっと水洗いするだけです。フレンチプレスのアッパーバージョンみたいな感じですね。
飲み比べが楽しい。雑な舌でも味のちがいがわかる
味に満足できるかどうかは結局のところ「好みの豆を見つけられるか」次第です。この豆の選択が敷居高いなーと思っていたのですが、ちゃんと淹れるのであればけっこう一瞬で好みの豆を見つけられる、というのがいちばん驚いたことでした。
豆もお湯も量って淹れてるというのがけっこうなポイントだったんです。豆以外の条件は一定になるので、ちがいがあるとすればそれはほぼほぼ豆のちがいになります。ちゃんとした抽出器具で手順を踏んで淹れるようにした時点で、味を比較する条件が整っていたわけです。
珈琲専門店に行くと、「これはフルーティなやつ」「こっちは酸味が強いやつ」といろんな豆が置かれていますよね。自分は正直「コーヒーでフルーティって何?」って感じだったのですが、一通り買って順番に飲んでいくだけで「このインドネシアのマンデリン、苦みが強い、くっきりした味ですごくいいね」みたいなことが言えるようになりました。
自分の味覚が鋭いとかでは断じてなく、ちがいがわかるような淹れ方が確立されていて、それが手軽にできる器具もちゃんとあるからこそ。
今では200gで1,000〜1,500円くらいの豆を週替わりで買って1日に2杯ほど飲むという習慣に落ち着きました。インスタントより格段に味が複雑で濃厚なせいか、頭痛になるほど飲まないですね。1杯の満足がしっかり持続する気がします。
「いろんな豆を楽しむ」という新しい趣味を持てたというのも意外な収穫でした。専門店に寄ったときに、次はどの豆にしようかと考えるようになり、駅前に買い出しに行く日が以前より待ち遠しくなりました。コーヒーが日々欠かせない自分にとってはけっこう大きな変化だったかもしれません。