「スタートアップ分野の『不平等』解決を目指す」: マイノリティ 向け起業支援プログラム「インタンデム」立ち上げ人

DIGIDAY

スタートアップ企業はマーケティングにおいて、何であれ現時点で成果が出ているチャンネルにフォーカスを当てる傾向があり、その結果ひとつのチャンネルに過度に依存してしまうことがある。そこで、マイノリティコミュニティのファウンダーたちを対象としたメンターシップグロースマーケティングプログラムが設立された。

スタートアップ企業はマーケティングにおいて、何であれ現時点で成果が出ているチャンネルにフォーカスを当てる傾向があり、その結果ひとつのチャンネルに過度に依存してしまうことがある。

これはマイノリティのオーナーが経営するD2Cのスタートアップにも当てはまることだ。彼らの場合は特に、伝統的なベンチャーキャピタルコミュニティとのネットワークが上手く構築できておらず、資金も不足しているという事実によって、状況がさらに複雑になっている。その結果、グロースマーケティングや、成功に必要なスケールの追求が妨げられてしまう。

マイノリティのファウンダーたちが、広告とマーケティングに関してひとつのアプローチに全力投球してしまうという落とし穴を避けられるようにするために、アレックス・テッパー氏とマット・テッパー氏は最近、マイノリティコミュニティのファウンダーたちを対象としたメンターシップグロースマーケティングプログラムであるインタンデム(InTandem)を立ち上げた。Googleとのパートナーシップで立ち上げられたこのプログラムは、シリーズAの資金調達を終えたあとに、黒人や女性、ラテン系の起業家によって設立されたスタートアップたちに対して、彼らのビジネスを拡大する手助けをすることを目的としている。(同氏は両方ともほかの仕事を抱えている。マット氏は最近ヌートラフォル[Nutrafol]のCMOに任命されており、アレックス氏はエメラルド・テクノロジー・ベンチャーズ[Emerald Technology Ventures]のマネージングディレクターである)。

米DIGIDAYはアレックス・テッパー氏に取材し、なぜ彼らがインタンデムを設立したのか、グロースマーケティングがスタートアップの成功にどのような影響を与えるかについて話を聞いた。

以下の会話は、わかりやすくするために編集および要約されている。

◆ ◆ ◆

――インタンデムを設立したきっかけは何だったのか?

スタートアップ空間における不平等の解決を助けることがその動機となっている。我々の経験では、シリーズAを扱うスタートアップの段階では、多くの企業がスケールアップの方法を理解するための助けを必要としている。特に、マイノリティの創業者たちに関しては、初期段階のベンチャーキャピタル資金の不足に加えて、彼らが必ずしも会社をスケールアップするのを助けるための強力なネットワークを持っていないという不利な点が存在している。そこで我々は、彼らがビジネスを成長させるための機能とグロースマーケティング戦術を構造的、戦術的に構築するのに役立つカリキュラムをまとめた。

――その方法は?

今回の体系化されたカリキュラム作りを手伝ってもらうために、Googleやメタ(Meta)、デジタルエージェンシー、PRエージェンシーから業界最高の人材を集めた。グロースマーケティングのフレームワークを全社的に作る方法と、グロースマーケティング部門を作る方法の両方を理解するのに役立つだろう。たとえば、我々のパートナーのひとつはハント・クラブ(Hunt Club)で、彼らが専門としているのは人材募集だ。彼らは、1人から2人、ユニコーン規模に至るまで、初期段階から後期段階のスタートアップをたくさん作ってきた。彼らは、グロースマーケティング部門の適切な機能と人材構成を構築する方法をスタートアップが理解できるように支援することを専門としている。

ふたつ目は、ブランド認知のためのマーケティングとパフォーマンスマーケティングのバランスをどのように取るかということだ。シードからシリーズAの段階にあるスタートアップの多くは、単一のチャンネルで成功している。彼らにとって高い成果があったチャンネルがひとつだけなのだ。おそらく、それはインフルエンサーマーケティング、SEO、ソーシャルメディアなどだ。そして突然、それが収益からなのか、資金調達の増加からなのかに関わらず、より多くの予算が得られるようになる。その時彼らは複数のチャンネルにおいてスケールアップする方法を見つける必要がある。だから、すべてのチャンネルを総合的に見て解決する方法を理解することは、ほとんどの人、特にファウンダーが持っているスキルではない。そこで我々は、我々のキャリアを通じて培ってきたすべてのスキルと多くの専門家を結集して、これらのスタートアップのチームと戦略を強化し、成長に向けた道のりを示す形で彼らを支援できるようにした。

――その道のりはどのようなものか?

我々は3カ月のカリキュラムを組み、そこで週に数回、週に3時間から4時間かけて、彼らにフレームワークを教えている。その後、我々はそれぞれのスタートアップと個別に取り組む。週ごとに具体的な課題に取り組み、適切なデータインフラのレイアウトや、eメールマーケティングの方法、ウェブページの最適化方法などといった具合だ。非常に実践的な体験となっている。

――本取り組みからマーケティング担当者が得るべき学びは何か?

マイノリティの創業者たちには、マーケティングに関して助けを求めたいという大きな欲求がある。メンタリングやコミュニティ全体の支援に関心があるなら、本プログラムは素晴らしい方法だ。そして我々は、できるだけ多くの創業者たちを支援するために、我々のネットワーク内にあるメンターの数を増やしたいと常に考えている。ふたつ目に考えるべきことは(我々の考えでは)需要を生み出し需要を捉えるうえで、多くの場合このふたつのことを一緒に考える必要があるということだ。つまり、需要の構築はファネル(戦術)の上部にあり、その需要を捉えるのはファネルの中部にある。このふたつを別々に考えても、ソリューションの最適化には役立たない。

[原文:Marketing Briefing: How InTandem, a growth marketing program for minority founders, is aiming to solve for inequality in the startup space

Kristina Monllos(翻訳:塚本 紺、編集:黒田千聖)
Illustrated by Ivy Liu


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