無人宇宙船「オリオン」が撮影した月の美画像集

GIZMODO

米航空宇宙局(以下、NASA)の有人宇宙船「Orion(オリオン、オライオン)」(以下、オリオン、今回は無人で打上げ)は今週初め (日本時間11月21日)、月に到達し、アルテミス1計画(国際協力有人月探査計画「アルテミス」)の魅力的なスタートをきりました。

25.5日間におよぶNASAアルテミス計画の月探査は現地時間11月24日(日本時間、同日)で8日目を迎え、期待通りの壮大で魅力的な画像が届いています。

NASA月探査の第一歩として、はじめてのアルテミス計画がただ今進行中。宇宙開発を行う機関には今後数年にわたり、大きな計画が予定されていますが、すべてはアルテミス計画と、カプセル型の宇宙船オリオンを使用した重要なテスト飛行から始まります。

1.アルテミス時代の幕開け

Image : NASA/Joel Kowsky

NASAはカプセル型宇宙船オリオンを月への往復25.5日の旅に送り出すスペース・ローンチ・システム(Space Launch System、アルテミス計画的に使用する巨大ロケット)を、11月16日水曜日の未明(日本時間、同日午後3時47分ごろ)に打ち上げました。アルテミス計画は、NASAがこの10年後のロケットや宇宙船を有人月面着陸させるより大がかりな計画に備えることが目的です。

2.太陽電池アレイの導入完了

Image : NASA

この写真は打ち上げ直後に撮影されたもので、オリオンの4つの太陽電池アレイのうちの1つを展開したようすです。太陽電池アレイは、電力、酸素、水、温度などを調節する追加装置の欧州サービスモジュールに接続されています。オリオンには16種類のカメラが、太陽電池アレイの端に多数設置されています。

3.ICPS分離

Video : NASA/Gizmodo

オリオンは地球周回軌道から月に向かう軌道(月遷移軌道)にのるのを成功させたので、暫定低温推進ステージ(Interim Cryogenic Propulsion Stage、以下、ICPS)に別れを告げました。ICPSは現在、太陽の周りを回っていますが、やがて燃え尽きてしまうでしょう。

4.さらば、地球よ

Image : NASA

月遷移軌道にのった後、オリオンは月へ向かう軌道をとり、さらに遠距離逆行軌道をとって地球に戻ります。このアルテミス計画は12月11日に終了する予定で、それまでにオリオンは130万マイル(約210万km)移動します。オリオンはアルテミス計画開始から約9時間後、このような地球との別れの画像を撮影しました。

この記事の続き:「月へ向かう宇宙船「オリオン」、次のステップは?」

5.ひとつだけのふるさと

Image: NASA

全行程25.5日間の2日目、11月17日に、オリオンは、搭載された光学航法カメラで、地球のグレースケール画像を撮影しました。地球と月のさまざまな表情や満ち欠けを撮影することでオリオンは、宇宙空間での自身の方向をより正確に把握するので、これは単なる美しい写真ではありません。NASAは現在、この技術を将来のアルテミス計画に活かすべく試行錯誤しているわけです。

6.道なかば

動画はオリジナルの8倍速です。 Image : NASA/Gizmodo

この計画3日目、オリオンは太陽電池アレイを操作しました。このようにオリオンと月が目まぐるしく入れ替わるようすを、アレイの先端に設置したカメラが記録しました。

7.オリオンの定期点検セルフィー

Image : NASA

3日目に太陽電池アレイに設置されたカメラが撮影したオリオンの高解像度写真。これは月へ向かうオリオンの定期点検の一環として撮影されたものです。NASAによると「オリオンは細々した問題はあるものの、全体としては期待以上の成果を上げている」とのことです。

8.スヌーピーにもミッションが!

Image : NASA

無重力のバロメーターとなるスヌーピーのぬいぐるみ(オレンジ色の船内服を着用)が、現地時間11月20日(日本時間、11月21日)、ついに待望の姿(写真中央やや右下に浮かんでいます)を現しました!この日(日本時間、11月21日午前3時25分)までにオリオンは、地球から23万2683マイル(37万4467km)、月からは3万9501マイル(6万3571km)を移動しました。

9.任務完了

Image : NASA

オリオンの光学航法カメラは月に最接近する直前、現地時間11月21日に、ギョッとする不気味な月を撮影しました。撮影時、探査機は時速2128マイル(時速3425km)で移動していました。

10.ふるさとから遠く離れて

Image : NASA

「あの点をもう一度見てください。それはここ、地球。これがふるさとで、私たちそのものです。この地球上で、あなたが愛する人、あなたが知っている人、あなたが聞いたことのある人、かつて存在したすべての人間が、その生涯を全うしたのです」。米国の天文学者でありS F作家のカール・セーガンがかつて言ったように、オリオンは月に最接近して、この地球のようすを撮影しました。

11.月の裏側でお会いしましょう

Image : NASA

11月21日午前6時57分(日本時間、同日午後8時57分)、オリオンは月面の81マイル(130km)以内まで接近し、月面の動力飛行に成功しました。オリオンが最終目的地である遠方の逆行軌道に向けて巡航を続ける中で、この月への最接近は重要なステップとなりました。この写真中、月の左側には、月の裏側の一部が見えています!

12.月から見た「地球の出」

Video : NASA

オリオンの太陽電池アレイに搭載されたカメラが、真っ暗な月の向こうから昇る地球の素晴らしい映像を撮影しました。この映像は6日目、オリオンが往路の動力飛行を行った直後、地球の地上管制と再び接続されたときに撮影されたものです。オリオンは12月1日に月を出発し、9日間の地球へ帰還する旅を始めます。その後、大気圏に再突入し、太平洋に着水することになっています。