パリス・ヒルトン氏の11:11メディアが、 Roblox の「クリプトウィーン」 イベントでアーバンディケイと提携

DIGIDAY

パリス・ヒルトン氏は、Roblox(ロブロックス)でのバーチャル大晦日パーティとネオンカーニバルパーティに続いてハロウィーンパーティを開催。

Robloxで「パリスワールド」を展開

10月17日〜11月1日の期間中、ユーザーはRobloxの「パリスワールド(Paris World)」を訪れ、ヒルトン氏の会社、11:11メディア(11:11 Media)がアーバンディケイ(Urban Decay)と提携して作成した「クリプトウィーン(Cryptoween)」メタバースアクティベーションをチェックすることができる。これは、ロレアルグループが所有するブランドが後援する初のRobloxアクティベーションイベントであり、主要なビューティブランドやファッションブランドがメタバースマーケティング戦略の一環としてRobloxへの投資を増やしていることがうかがえる。

「私は『メタバースの女王』『クリプトの女王』、そして『ハロウィーンの女王』なので、このイベントの開催にワクワクしている。なぜなら、みなハロウィーンが大好きだし、人々はこれまでより長い時間をメタバースで過ごすようになるからだ」とヒルトン氏は述べている。

クリプトウィーンの詳細

クリプトウィーンは3部屋あるバーチャル施設で開催され、部屋はそれぞれ、アーバンディケイの3製品、24/7アイライナー(24/7 Eyeliner)、24/7ムーンダスト(24/7 Moondusts)、バイスリップボンド(Vice Lip Bond)専門となっている。来場者は、ヒルトン氏の過去のハロウィーンルックにインスピレーションを受けた「バニープリンセス」「ティンカーベル」「フェニックス」コスチュームなど10種類のコスチュームから選んで、アーバンディケイが作成したマッチするメイクを追加できる。また、ユーザーはバーチャルランウェイコンテストで自分のルックを披露し、リーダーボードに掲載されるチャンスもある。10月17日以降、午後2時〜3時(米国太平洋夏時間)の間にヒルトン氏がアバターとして仮想世界のセルフィーブースに毎日登場することになっている。

「パリス・ヒルトン氏とのRobloxパートナーシップはメイクアップ好きの新規オーディエンスとつながり、当社のコアフランチャイズを紹介するようにデザインされている」と述べているのはアーバンディケイのプレジデント、エヴァ・アードマン氏だ。同ブランド初のメタバースアクティベーションにとってヒルトン氏は理想的なパートナーだったという。なぜなら、ヒルトン氏は「アーバンディケイの愛用者のように、楽しくて反抗的で自由な精神を持っているからだ」とアードマン氏は述べている。

アーバンディケイは、Robloxメタバースマーケティングに参入した主要なビューティブランドの最新の1社だ。仮想世界を通じて、Roblox の5990万人のユーザーにリーチしているほかの企業には、ジバンシイビューティ(Givenchy Beauty)ナーズコスメティクス(Nars Cosmetics)などがある。グッチ(Gucci)トミーヒルフィガー(Tommy Hilfiger)をはじめとするファッションブランドもRobloxでのキャンペーンをローンチしている。

11:11メディアの拡大計画

ヒルトン氏と11:11メディアはクリプトウィーンのコンセプトについてさらに大きな計画がある。11:11メディアは8月17日に「メタバースの女王」とともに「クリプトウィーン」の商標を申請した。11:11メディアの社長兼COOであるブルース・ガーシュ氏によると、同社にはクリプトウィーンを複数のメタバースプラットフォームにまたがる年次イベントにする計画があるという。

今回のアクティベーションは11:11メディアの仮想世界シリーズの一環であり、リアルの「パリスが参加したり所有する代表的なイベント」にインスピレーションを受けたものだとガーシュ氏は語っている。これまでのところそのようなデジタルイベントはRobloxで開催されており、Robloxには「消費者が安全な環境にいることを確保できる」というメリットがあると同氏は言う。

4月、リーバイス(Levi’s)が後援したRobloxのパリスワールドでのネオンカーニバルのアクティベーションには36万人が来場し、ヒルトン氏の大晦日のバーチャルパーティには「(新年のカウントダウンの)ボールドロップのためにタイムズスクエアにいた人よりも大勢」が集まったとヒルトン氏は述べている。

また、11:11メディアはサンドボックス(Sandbox)やディセントラランド(Decentraland)のようなほかのプラットフォームでのパリスワールドを開発中である。

10年間実生活ではDJ業を行ってきたヒルトン氏は、メタバースがIRLパーティに「取って代わることは決してないだろう」と認めている。だが、同氏はうまく行われればバーチャルイベントも同じくらい楽しいものになると信じていることを強調した。

ヒルトン氏は、今年の初め、新婚旅行中にウォルドルフ アストリア モルディブからRoblox新年イベントでDJをしているときに「『こんな風に仮想世界で楽しめるなんて想像だにもしなかった』と夫に言ったのを覚えている」。

「いまは結婚して大人になったので、以前のように実際のイベントに行くことは少なくなった。夫と一緒に家にいて、メタバースにいたいときもある」。

ブランドのなかには仮想イベントの宣伝方法を把握するのに苦労しているところもあるため、アバターでのセレブの登場は鍵となるかもしれない。ガーシュ氏によると、「パリスがその世界に実際にいるということ」は参加を推進する大要因だという。また、ヒルトン氏がソーシャルプラットフォーム全体でイベントを宣伝することで、インスタグラムで2060万人、Twitterで1690万人、TikTokで1710万人という彼女のフォロワーを取り込むことができる。

ヒルトン氏は「Web3に参入する際に誠実で本物であること」がファンベースを参加させるために重要だと強調する。これは、ファンがセルフィーを撮るとき一緒にいるのはヒルトン氏本人のアバターであることが保証されるということだ。「そこにいるのが本物の私であることを皆に知ってもらいたい。多くの場合にはライブ出演したり、その経験を撮影したりする」とヒルトン氏は語っている。このイベントにはほかのセレブも出演する。メーガン・トレイナー氏はクリプトウィーンに登場する予定だ。

ヒルトン氏はまた、パリスワールドで予定されている大規模なイベントのほかにパリスワールドでサプライズで出演する。サプライズ出演についてはソーシャルメディアで発表される。メタバースのほかの世界を散策したりもするという。「アバター用にいろいろなコスチュームやメイクルックやアクセサリーを購入するのが好き。ショッピングは大好き」。

現実と同じようにファンは仮想世界でヒルトン氏とセルフィーを撮りたいと願っている。Robloxがヒルトン氏のフォロワーに彼女がアクティブであることを通知したら、事態はとんでもないことになる可能性がある。「セルフィーを撮ろうとして皆が他人の上にジャンプしてすさまじいことになる。緊張がある」とヒルトン氏。「これは完全にリアルではないが、かなりリアルだ」。

メタバースでの収益化

収益化については、アーバンディケイのようなブランドと提携することが、11:11メディアのメタバースイニシアチブの「主要な収入源となっている」とガーシュ氏。ヒルトン氏は将来のイベントについては「提携ブランドと共にできるだけ多くのことをしたい」という。

将来的にはバーチャルマーチャンダイズとバーチャルファッションがより大きな役割を果たす可能性がある。ガーシュ氏いわく、「市場が成熟するにつれて、マイクロトランザクションは経験だけではなく収益化にもきっと関与し始めるだろう」。

クリプトとNFTについて

クリプトと言っているが、今年のクリプトウィーンアクティベーションには仮想通貨の要素は含まれていない。また、ヒルトン氏が最強の支援者セレブの1人であるNFTの世界も関与していない。

ヒルトン氏は依然としてNFTへの支持を明らかにしている。自宅に設置したデジタルスクリーンに展示されている何千ものNFTコレクションからは1点も売却していないという。

「多くのプロジェクトがあり市場は非常に飽和状態だが、素晴らしい才能のある人々はいつも出てくる」とヒルトン氏。「実際のアート界と同じように、ゴッホやバスキアのような人たちはいる」。同氏は仮想通貨に関する財務的なアドバイスはしないと明言しているが、現時点では自分の持っている仮想通貨への投資は保持していると述べている。

11:11メディアのガーシュ氏は、メタバースとWeb3は「当社の長期戦略の重要な部分だ」と語っている。同社は最新の複数のドキュメンタリーやリアリティショーのプロジェクトのみならず、eコマース、オーディオ、ライセンシングも扱っている。Web3のほかには、ヒルトン氏のeコマースサイトをローンチしたばかりだ。『シンプル・ライフ』(原題:The Simple Life)の再来が将来のテレビプロジェクトに含まれる可能性についての質問に、ヒルトン氏は「いくつかのことを検討している最中だ。どうなるかはわからない」と答えている。

ガーシュ氏によると、「大規模なチーム」が同社のメタバースイニシアチブに取り組んでおり、メタバースに特化した人材を採用したところだという。

Roblox、サンドボックス、ディセントラランドのような既存の仮想世界を超えて、将来パリスワールドは独立するかもしれない。スタンドアロンのプラットフォームも「いつか検討の対象になる機会であることは間違いない」とガーシュ氏。「Robloxのようなプラットフォームが優れているのは多くのユーザーがいるという点だ。(だが)時間が経つにつれて、理にかなっていれば、我々は独立して作業するという決定を下すだろう」。

[原文:Paris Hilton’s 11:11 Media partners with Urban Decay for ‘Cryptoween’ Roblox event

LIZ FLORA(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)

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