エジプトの考古学者が大英博物館にロゼッタ・ストーンの返却を求める

GIZMODO

エジプトに戻ったら歴史的な出来事になりそうです。

1799年にエジプトでナポレオン軍によって発見された3種類の古代言語が刻まれているロゼッタ・ストーン。1801年からずっとイギリスが保管しています。刻まれた言葉が解読されてから200年が経とうとしている今、エジプトにロゼッタ・ストーンを戻そうという活動が始まっています。

今は大英博物館に所蔵されているが…

エジプトの考古学者グループが始めた請願書運動。今のところ2,500人の署名が集まっていて、後にイギリスに正式に提出されるそうです。まずそもそも、どうしてエジプトのものがイギリスにあるのかですが、フランスのナポレオン軍がエジプト遠征をしていた際にロゼッタ・ストーンを発見。その後フランス軍はイギリスに負けてしまいます。負けたフランスが持っていた遺物をイギリスが没収して、そのまま大英博物館に収蔵されているという流れです。

ロゼッタ・ストーンはもともと紀元前196年、エジプト国王のプトレマイオス5世が3つの言葉で刻ませた石碑の一部といわれています。上段に象形文字(ヒエログリフ)、中段に民用文字(デモティック)、下段にギリシア文字の3つです。最初に発見されたときは、古代エジプトの言語であるヒエログリフは未知の言語で、読める人はまったくいませんでした。3つ同じ内容が書かれているのではないかという推測のもと、ギリシア文字を使って世界中で暗号解読レースが始まりました。そして1822年、フランス人学者ジャン・フランソワ・シャンポリオンがロゼッタ・ストーンの解読に成功しました。これをきっかけに古代エジプトの言葉が解読できるようになったというわけです。

さてそんなロゼッタ・ストーンですが、エジプトに戻るという可能性はあるのでしょうか? 実は今年の8月、大英博物館は、何百年も前にイギリスがナイジェリアを植民地にしていたころ手に入れた72の手芸品をナイジェリアに返還することに同意しています。ナイジェリアは何十年もずっと「イギリスに盗まれたものだ」と返還を求めていたそうですが、やっと大英博物館が返す気になったのです。

ということは、ロゼッタ・ストーンにもチャンスがあるかもしれませんね。エジプトにとって古代のものは大きな観光資源。海外旅行が少しずつできるようになってきた今、やっぱり取り戻したいですよね…。

タイトルとURLをコピーしました