フレグランス コラボ の挑戦。香りをエキサイティングなものに【ビューティブリーフィング】

DIGIDAY

フーダビューティの姉妹ブランドでフレグランスに特化したケイヤーリは10番目となる新商品「ラブフェスト(Lovefest)」をローンチ。この製品で注目すべきなのはフーダビューティとの初のコラボレーションである点だ。コロナを経て再注目されるフレグランス領域で人気を伸ばす新ブランドの戦略に迫る。

フーダビューティ(Huda Beauty)の姉妹ブランドでフレグランスに特化したケイヤーリ(Kayali)は、新商品「ラブフェスト(Lovefest)」の世界観を広めることを狙っている。

フーダビューティとケイヤーリ、カタン姉妹のコラボ

ケイヤーリは8月9日、10番目となるフレグランスの「ラブフェスト」をローンチ。ケイヤーリの創業者、モナ・カタン氏によると暖かく優しい香りだという。この製品で注目すべきなのはフーダビューティとの初のコラボレーションである点だ。フーダビューティは、ロッティ・トムリンソン氏とのつけまつげのコラボやサブスクリプションボックスのイプシー(Ipsy)などの小規模なコラボを行ってきた。しかし、他ブランドとの本格的な製品セットやマーケティングキャンペーンを実施するのは今回が初めてとなる。

ラブフェストの特徴は、バーントチェリー、パロサント、ラズベリーのノート。コラボには、アイシャドウパレット、チーク、マスカラ、アイライナー、リップグロスもある。2018年11月設立のケイヤーリはフーダビューティグループ(Huda Beauty Group)の傘下にあり、同グループはメイクアップブランドのフーダビュティと、スキンケアブランドのウィッシュフル(Wishful)を運営している。これら3ブランドはHudaBeauty.comで販売されており、ラブフェストはセフォラ(Sephora)やハロッズ(Harrods)をはじめとする国際的な小売店でも購入できる。フーダビューティグループの創業者であるフーダ・カタン氏は2017年に同社の非公開の少数株をプライベートエクイティのTSGコンシューマーパートナーズ(TSG Consumer Partners)に売却した。ピッチブック(PitchBook)によると、フーダビューティグループはTSGコンシューマーパートナーズにより12億5000万ドル(約1664億円)と評価されたという。

フレグランスをエキサイティングなものに

「パンデミック以前はフレグランスは忘れ去られていたカテゴリーだった。フレグランスについてはブランドも小売業者も無意識だった」とモナ・カタン氏は述べている。「今やブランドや小売業者は目覚めて、自分たちのコンフォートゾーンから抜け出して面白いことをしようとしている。我々がその動向の一部になっていることはエキサイティングだと感じている」。

2020年夏に店舗が再開し対面イベントや外出が増えて以来、フレグランスは回復している。NPDグループの2022年第2四半期の売上データによると、フレグランスの売上は前年比で13%増加し、15億ドル(約2000億円)になったという。売上高の伸びには値上げも関係している。2022年の第2四半期にはフレグランスの平均価格が前年比で6%上昇した。

フーダビューティより4年遅れて創業した妹ブランドのケイヤーリは、認知度の確立に尽力している初期段階にある。ケイヤーリのローンチ時には、フレグランスの重ね付けという概念が、フレグランスカテゴリー内である視点や意見を確立するための中核にあった。ケイヤーリはこれまでにヘアミストやハンドクリーム、ドライボディオイルにまで拡大しており、フレグランスの重ね付けをより可能にしている。モナ・カタン氏によると、今後2年間でボディ製品とホームフレグランスの品揃えを増やす予定があるという。また、同氏は、フーダビューティとのコラボのアイデアは最初のフレグランス開発後に姉のフーダ・カタン氏に完成品を見せたときに生まれたと述べている。その当時、ドバイを拠点とする両ブランドはまだ新型コロナウイルス感染症のロックダウン下にあったため、モナ・カタン氏は楽しいパーティやグループイベントの必要性にインスピレーションを受けたという。そして、フーダ氏が「ラブフェストの実現」への情熱を示して、ブランドコラボレーションがスタートしたとモナ氏は述べている。両ブランドはコラボレーションが今後数年間における製品開発計画の中核になると考えている。ケイヤーリの主な顧客は18〜44歳。フーダビューティの主要な顧客層については共有されなかった。

会社の規模に合わせたコラボ

「(小規模なコラボレーションをした理由には)規模の問題があった。なぜなら、我が社もチームも非常に小規模だからだ。大規模なコラボができるかどうかは不明だが、2023年と2024年に向けて検討はしている」とフーダ氏。「コラボレーションは複雑だ。ケイヤーリとのコラボではモナに(フレグランスで)やりたいことをやってもらい、(ほかのコラボと比べて)ずっと簡単だった。モナが一部を担当して、私が(メーク製品で)コラボを仕上げた」。

ブージーヒッピーなキャンペーン

ラブフェストを「ブージーヒッピー」と呼ぶカタン姉妹は、コラボのキャンペーンはコーチェラとバーニングマンを合わせたようなスタイルのフェスに影響を受けたと述べている。キャンペーン画像ではモーブ色やバーガンディ色、きらめきなどの要素が強調されている。このキャンペーンはケイヤーリとフーダビューティのアカウントを中心にインスタグラムで配信されている。両ブランドのアカウントの合計フォロワー数は5120万人だ。

「ケイヤーリは単なるフレグランスブランドではない。当社は業界のディスラプターだと思っている」とモナ・氏。「香りは外出のためだけではなく、習慣。自分自身のためのものだ」。

[原文:Beauty & Wellness Briefing: With their first-ever collab, Kayali and Huda Beauty want people to party

EMMA SANDLER(翻訳:ぬえよしこ、編集:猿渡さとみ)


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