Shopify、新プラットフォーム「Shopifyコラボ」立ち上げ:マーチャントとインフルエンサーのパートナーシップをより短期間かつ効率的に構築

DIGIDAY

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Shopify(ショッピファイ)は16日、Shopifyのマーチャント(加盟店)とコンテンツクリエイターをつなぐ新しいディレクトリ「Shopifyコラボ(Shopify Collabs)」を発表した。

これは、より多くのインフルエンサーをプラットフォームに誘導し、マーチャントたちがeコマース販売の減速に対抗できるよう支援する、Shopifyの最新の取り組みだ。カナダの巨大ハイテク企業である同社は、以前からインフルエンサーに未来を託し成長を促してきた。同社は、Facebook、TikTok、SpotifyYouTube、Pinterestなど、インフルエンサーに特化した本格的なサービス群を開発してきた。

次世代の起業家であるクリエイターを支援する

Shopifyコラボを使うことによって、クリエイターはより簡単にコマースの世界へ第一歩を踏み出し、金銭的なプレッシャーをうまく管理できるようになるという。「クリエイターは次世代の起業家だと思っているが、彼らは、コンテンツをどのようにマネタイズするかという課題に直面している」と、Shopifyのプロダクトディレクターであるアミール・カバラ氏は、米モダンリテールのインタビューに答えている。「我々は、クリエイターやインフルエンサーがコンテンツを作成してから、実際にコマースに参入して収益化するまでのギャップを埋める手助けをしたいと考えている」。

マーチャントは新たな販売チャネルとしてShopifyコラボを利用し、新たに提携するインフルエンサーを探すことができる。そして、クリエイターは自分のブランドやキャラクターを引き立てるShopifyのベンダーを探すことができる。また、Shopifyコラボに登録することで、提携可能なマーチャントのディレクトリを閲覧することができる。

気に入ったブランドが見つかれば、クリエイターはそのマーチャントのコミュニティに参加することを申請し、パートナーシップを開始することができる。インフルエンサーは、Shopifyのリンクインバイオツール「リンクポップ(Linkpop)」を利用してソーシャルショップを開設し、ほかの人たちの商品をシェアしたり宣伝したりすることで収入を得ることができるようになる。クリエイターのサービス費用は、各ブランドと個別に交渉でき、売上に対するパーセンテージや手数料が提示される。

3月にはリンクインバイオツール「リンクポップ」発表

Shopifyは、昨年からインフルエンサーコマース分野への参入をめざし、最近もさまざまな発表を行ってきた。3月には、インフルエンサーからのソーシャルメディア・トラフィックを収益化するためのリンクインバイオツールであるリンクポップを発表した。また、ブランドによるインフルエンサーマーケティングプログラムの管理を支援するソフトウェア新興企業であるダブテール(Dovetale)などの買収により、顧客との直接的なつながりを構築するための新しい投資方法を模索している。Shopify のマーチャントは、リンクポップでのコンバージョン率がほかのリンクインバイオツールの2倍のコンバージョンを得ていると同社は述べている。

Shopifyコラボは、販売者とインフルエンサーの両者がつながり、コラボレーションし、ソーシャルプラットフォーム上の新しいオーディエンスの前で商品を販売できるようにするためのツールを促進し、提供する。

ラーエル・ベルハネジェイク・フレミングキャシー・グエンアリッサ・レノアといったファッションやライフスタイルのインフルエンサーたちは、ドーラッシズ(Doe Lashes)や、ネセセール(Nécessaire)ショップOXB(Shop OXB)といったブランドのなかからプロモーションしたい商品を選ぶことができる。

「各マーチャントは、コンテンツに対する支払い条件を自身で設定し、クリエイターと料金について交渉することができる」とカバラ氏は説明する。

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Shopifyコラボを紹介する動画

より短期間かつ効率的にパートナーシップを構築

この動きはまた、多くのD2Cブランドのオーナーが、広告費の高騰やインフレに対処しながら、ユーザー獲得のための代替手段を積極的に模索しているなかで起こった。インフルエンサーと提携することで、ソーシャルメディア上で顧客にリーチするための、より費用対効果の高い方法を提供できるかもしれない。メタ(Meta)やGoogleのオークション形式の価格設定に左右されることなく、ブランドはインフルエンサーと支払い方法を直接決めることができる。

「マーチャントにとって、現在の大きな課題のひとつが顧客獲得だ。クリエイターエコノミーは、顧客を見つけるための新しい方法を提示している」とカバラ氏は言う。

しかし、インフルエンサーマーケティングには、それなりの課題が伴う。ブランドにとって、どのインフルエンサーがもっとも効果的に売上を伸ばすことができるのか、ブランド側が試行錯誤を繰り返すことも多い。水着D2Cブランドのアンディー(Andie)のような一部のブランドでは、もっとも成功を収めたのは、有名どころではなく、1万〜5万人程度のフォロワーを持つマイクロインフルエンサーであると以前モダンリテールに語っていた

それでも、顧客獲得コストを把握するのに苦労しているブランドは、この分野に関心を示し続けている。「この1年間で、我々のCPA(獲得単価)は事実上以前の3倍になり、利益を上げるのが非常に難しくなった」と、ドーラッシズの創業者であるジェイソン・ウォン氏はモダンリテールに語っている。「3年半前、当社は Shopifyのツールを使用せずにインフルエンサーとコラボレーションすることで成り立っていた。今、その我々の仕事をShopifyコラボがより簡単にしてくれたということだ」とウォン氏は付け加えた。

これまでドーラッシズのようなブランドは、一緒に仕事をするクリエイターを手動で探し、独自の方法で支払いを促進しなければならなかったと、ウォン氏は説明する。ドーラッシズは、より多くのファッション、ビューティー、ライフスタイルのインフルエンサーとコラボレーションしようとしており、Shopifyコラボを通じて、より短時間でより多くのことを行えるが、過去に成功に導いたものと同じ価値観とコンセプトを堅持すると説明した。

ShopifyマーチャントのGMVは5倍に

結局のところ、ドーラッシズは、インフルエンサーマーケティングの取り組みをひとつのプラットフォームに集約したいと考えており、年内にはそれに向けて徐々に移行する計画だ。ドーラッシズは、提携するインフルエンサーをShopifyコラボのプラットフォームに移行しはじめた。

「Shopifyコラボは、今までやったことのないような新しいことをするのではない。我々が私たちがすでに行っていて、過去に成功したことを、より短時間で、より効率的に行っているのだ」とウォン氏は語る。

インスタグラムで23万1000人以上のフォロワーを持つビューティー&ファッションのインフルエンサーであるアリッサ・レノアは、「Shopifyコラボは、クリエイターが、Shopifyを利用している小規模企業にアクセスすることができる、エキサイティングで新しいベンチャーだ」と語っている。「このアプリで私が気に入っているのは、いかにユーザーフレンドリーであるかということだ。クリエイターたちは、ブランドとのパートナーシップを構築し、実行するために、多くの要素を両立させている。Shopifyコラボは、すべての情報を最初から最後まで合理化し、アプリ内で実現する」と同氏はeメールで回答した。

第2四半期において、Facebookやインスタグラム、Googleを通じて発生したShopifyマーチャントのGMV(流通取引総額)は、前年同期比で5倍に成長したという。

「これらのアプリは、我々のエコシステムのなかでもっとも急速に成長しているチャンネルだ。マーチャントは、これらのアプリやエクスペリエンスを通じてGMVを生成するという点においてもっとも成長しており、我々は、本当に多くのクリエイターが参加して、これらの機能を採用しはじめているのを目にしている」とカバラ氏は述べた。

[原文:Shopify launches new Collabs platform to connect sellers with influencers]

Vidhi Choudhary(翻訳・編集:戸田美子)
Image via Shopify

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