NFT マーケティング、成功させるための考え方とは?:「消費者はブランドが NFT に参入しても気にしない」

DIGIDAY

ブランドたちがNFTに飛びつくことは理にかなっている。マーケターたちが常に消費者の注目を得ようと競い合い、最新のトレンドに飛びつくことは世の常だ。しかし、一部の広告代理店幹部や業界観測筋は、マーケティング担当者はNFTに手を出す前に、実用性やブランド適合性について考える必要があると考えているようだ。

ブランドたちはNFTブームに本格的に参入しつつある。ここ数カ月、NFTを利用したプロジェクト提案が急増しており、アキュラ(Acura) 、ラングラー(Wrangler)、ペプシ(Pepsi)などのブランドは、NFTを利用して消費者の注意を引こうとしている(NFTとは何ぞや、という人のために、昨年3月にNFTに関する「Q&Aシリーズ」を公開しているのでそちらを参照してもらいたい)。

ブランドたちがNFTに飛びつくことは理にかなっている。マーケターたちが常に消費者の注目を得ようと競い合い、最新のトレンドに飛びつくことは世の常だ。しかし、一部の広告代理店幹部や業界観測筋は、マーケティング担当者はNFTに手を出す前に、実用性やブランド適合性について考える必要があると考えているようだ。ミーアンディーズ(MeUndies)の例のように、バックラッシュを受けたブランドも現れてきているからだ。ブランドマーケティング担当者は、NFTを使って見出しを追うのではなく、NFTが何を提供できるのか、ブランドの目的とオーディエンスにとって意味があるのかを考える必要がある。

匿名を条件に取材に応じてくれた、あるクリエイティブエージェンシーのクリエイティブディレクターは「ほとんどのブランドはNFTを理解していない。ほとんどの人が理解していない。現象全体が初期段階にある」と語った。「どのような現象でもそうだが、ブランドはいつも流行に飛びついて、消費者とのコミュニケーションを強化することに活用できるかどうか試そうとするが、それが適切でないことが多い」。

PR効果だけが狙いなら反発を招く

NFTに関して、JPEGの所有権以上の何を提供できるのか、というポテンシャルを完全に理解していないのであれば、一部のマーケターはただPR効果を追いかけているだけになる。某ブランドがNFTを出した!と注目を集めることにだけに意義が存在することになる。エージェンシー幹部や業界観測筋によると、こうした考え方は消費者からの反発を招きやすいという。

より有益なのは、より多くの時間と労力を費やしてNFTについて学び、NFTがブランドマーケティングにどのように活用できるか、そのポテンシャルを知ることだと、これらの観察者は同意する。ブランドは、「NFTとは何か、そしてなぜそれに価値があるのかについて顧客を教育する」ためにも努力すべきだと、最近ボヤージュSMS(VoyageSMS)に売却したSMSマーケティング会社ライブリカバー(LiveRecover)の共同創業者デニス・ヘグスタッド氏は言う。

ヘグスタッド氏は、NFTプロジェクトのドゥードルズ(Doodles)が3月中旬のSXSWで披露したように、ブランドがNFTに参入するという形よりも、NFT所有者だけが得られる独占的な製品や体験を販売するブランドに成長する方が、成功する可能性が高いと考えている。

「ブランドは価値を付加する必要がある」

それでもブランドたちはNFT分野への進出をやめることはなさそうだ。そのなかで、ブランドは最新の流行や仕掛け以上に、NFTを介して消費者に何を提供しているかを考える必要がある。「消費者はブランドが、ただNFTに参加するだけでは気にしない」と、メカニズム(Mekanism)の最高ソーシャル責任者でパートナーのブレンダン・ガハン氏は言う。「彼らは参加の方法について気にかけている。ブランドは価値を付加する必要がある」。

ガハン氏によると、ブランドはNFTにいきなり飛び込むのではなく、赤ちゃんが「はう・歩く・走る」と段階を踏んで動くことを学ぶように、段階的なアプローチを取るべきだという。「この分野では、ただ物珍しさのために新規参入をする機会は終わった」と、彼は付け加えた。「現在の全体像における重要な点は、その効用にある。どのような価値をもたらすことができるか、という問いだ。私たちはこのコミュニティにどのように貢献しているのか、という点だ」。

[原文:Marketing Briefing: When it comes to NFTs, brands should prioritize utility over headlines since ‘consumers don’t care if brands participate’

Kristina Monllos(翻訳:塚本 紺、編集:長田真)


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