「今より少ない報酬でエージェンシーに戻るのは難しい」: インハウスエージェンシー に転職したクリエイティブストラテジストの告白

DIGIDAY

匿名性を保証する代わりに本音を語ってもらうDIGIDAYの「告白」シリーズ。今回はインハウスのクリエイティブストラテジストに、自身が経験していることと、エージェンシーサイドに戻りたいと考える理由、それに転職を難しくしている報酬の問題について話を聞いた。

エージェンシーとブランドのインハウスエージェンシーとの人材獲得競争は一段落した。にもかかわらず、インハウスに移った広告業界の人材のなかには、クリエイティブ面での息苦しさを感じてエージェンシーへの復帰を考える人たちがいる。とはいえ、実行に移すのは簡単ではないようだ。

匿名性を保証する代わりに本音を語ってもらうDIGIDAYの「告白」シリーズ。今回はインハウスのクリエイティブストラテジストに、自身が経験していることと、エージェンシーサイドに戻りたいと考える理由、それに転職を難しくしている報酬の問題について話を聞いた。

なお、読みやすさ考慮して、発言に若干の編集を加えている。

──インハウスでの経験はどのようなものだろうか?

私はインハウスに1年ほど在籍しているが、仕事面での偏りが非常に大きい。エージェンシーとインハウスが異なる点は、エージェンシーでは(ブランドメッセージ以外の)さまざまな意見やアイデアがクリエイティブに反映されることだ。一方、インハウスはブランドメッセージありきで、すべてのクリエイティブがそのブランドメッセージを反映したものになる。

インハウスの場合、市場のトレンドに関係なく、「このひとつのやり方にこだわる」というメンタリティになりがちだ。あるべきクリエイティブの姿に関する意見は、たいてい今までの経験がベースになっている。そのため、何か新しいことを取り入れるのが難しく、新しい人材の採用や活用も困難になる。新しい社員のアドバイスを受け入れないのなら、そもそも新人を採用する意味はあるのだろうか。あるいは、セカンドオピニオンを得るためだけに人を採用しているのだろうか。そんな気がしてならない。

──自分が望むような形でクリエイティブを管理できないという感じなのだろうか?

管理をするよりセカンドオピニオンを提供する役割のほうが大きくなっている感じだ。(今いる会社は)自分たちに何ができるのかを考えるより、過去(の戦略)にすがっているように見える。これはインハウスにおける大きな問題だ。

エージェンシーでは、先ほど述べたように、もっと試行錯誤することが多い。一方、インハウスでは、我々のやり方はこうで、予算はこうで、過去にうまくいったのはこうだといった感じになる。だが実際のところ、過去にうまくいった取り組みを市場に再び持っていっても、うまくいかないことがほとんどだ。

──インハウスでは新しいクリエイティブ戦略がより困難になると考える理由は?

エージェンシーは複数の見方を取り入れる。複数のブランドを扱っているからだ。ほかのブランドでうまくいっていることをチェックし、クライアントにその話をすることができる。方針を転換することも可能であり、(方針転換を提案できるだけの)経験や視点を持ち合わせている。だがインハウスには、自社のブランドとそのブランドでうまくいったことに関する知識しかない。

──エージェンシーに戻りたいと考えている?

個人的には、インハウスからエージェンシーに戻りたいと思っているが、インハウスにいれば、エージェンシーから提示される金額よりはるかに高い報酬を受け取れる。エージェンシーとの面接では、(すでにノウハウを持っているにもかかわらず)これから学ぶ立場になるのだからと、本来の額より少ない報酬を提示される。また、今より安い報酬でニューヨークに移って、その仕事をするよう求められたこともある。(インフレなのに)報酬が上がらない理由はない。

──つまり、クリエイティブの世界に飛び出したいが、報酬がインハウスで得ている金額に見合わなければ難しい?

難しい。それに足元を見られたこともある。彼らは求人蘭に給与を記載し、面接を行ったあげく、給与欄に記載していたより低い金額を提示するのだ。それなら、給与を記載する意味はあるのだろうか。自社が求める経験を備えた人を呼び込むために、給与の金額を求人蘭に記載しておきながら、いざ提示する段になると記載していた金額を示さない。これは人を侮辱した話だ。

[原文:Confessions of an in-house creative strategist on feeling unfulfilled, difficulty in returning to agencies as the ‘pay is less’

Kristina Monllos(翻訳:佐藤 卓/ガリレオ、編集:黒田千聖)


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