「 ファッション はコラボなくしては変革できない」: 再販eテイラー ヴェスティエール・コレクティブ のドゥーニア・ヴォン氏

DIGIDAY

コペンハーゲンで開催されたグローバルファッションサミットでは、業界幹部の多くが、より持続可能なソリューションを見出そうと努めていた。そのなかで米Glossyは、フランスの再販eテイラー ヴェスティエール・コレクティブの持続可能性・インクルージョン担当最高責任者に、再販分野に示された重要点について話を聞いた。

コペンハーゲンで6月7日〜8日に開催されたグローバルファッションサミット(以下GFS)では、業界幹部の多くが、コラボレーションとデータの共有とコラボレーションの共有を通して、事業に対してより持続可能なソリューションを見出そうと努めていた。GFSに出席した影響力を持つ企業の1社が、フランスの再販eテイラーのヴェスティエール・コレクティブ(Vestiaire Collective)だ。

再販は、人々が実店舗での買い物に戻りつつある現在、急落しているeコマースを凌駕している。Glossyは、GFSの会場で、ヴェスティエール・コレクティブの持続可能性・インクルージョン担当最高責任者であるドゥーニア・ヴォン氏にGFSで再販分野に示された重要点について話を聞いた。

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ーー再販の重要性に関して、サミットではどのようなメッセージを受け取った?

「2019年にヴェスティエール・コレクティブはGFSに参加したが、小規模だったので注目されなかった。今では当社CEOがメインステージで講演している。つまり、ファッション業界において中古品の重要性が高まっているということだ。2020年とパンデミックは大規模な促進剤であり、どのファッション企業も立ち止まり、ビジネスモデルを見直し、再販と循環性をシステムに組み込むことを検討するように余儀なくされた。これは何もかもを変えて、これまで行ってきたことをやめるということではない。これまでも、現在も、既存のものとうまく機能しているものにブランドは何を付け加えることができるかが重要なのだ」。

ーー現在、多くのブランドが再販に関与しているが、ヴェスティエール・コレクティブはこれについてどう考えている?

「ブランドが再販に関与しているが、今度は我々が自社のビジネスモデルを検討する番だ。当社は中古品の取り扱いについて理解している。ファッション、魅力ある品揃え、モデルと(商品の)認証に対する顧客の信頼という複数の柱を中心にこのブランドを構築した。これらは他社とは違うものだ。となると、すべてのデータや情報、そして当社の消費者に対して何をすれば良いのかということが問題になってくる。現在は当社の専門知識を共有するために、サービスとしての再販モデルを立ち上げた。これは我々にとって新しいモデルであり、アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)やマルベリー(Mulberry)のようなブランドでパイロットプログラムを実施している。また、クレージュ(Courreges)とも話し合っているところだ」。

ーーGFSではどんな重要な学びがあった?

「(GFSで再確認したのは)提携、友人、我々のようなマーケットプレイス、そして政府や政策立案者とのコラボレーションなしには変革は起こせないこと。変革は、関与する全員が物事を行うための新しい方法を見つけようと心をひとつにして尽力するときにのみ可能だ。

デジタルIDイノベーターのEONのような企業がソリューションを提供するだけで、誰も関与しないならこのような変革はむずかしい。立ちはだかる疑問が原因になることはしばしばある。データの所有者は誰なのか? 消費者は購入するものを実際に所有するのか? あるシャツを買う場合、そのシャツのデータや再販する能力は購入者自身のものなのか、それとも他の誰かに限定されているのか? 関連情報を広めてストーリーテリングの要素を前面に押し出すための提携が必要になる。そして、社会的または環境的な理由から最適なブランドを選んでいることを消費者に理解してもらうためには、我々はどうすればよいのかということが問題になってくる」。

[原文:Vestiaire Collective chief sustainability officer Dounia Wone: ‘Fashion can’t change without collaboration’

ZOFIA ZWIEGLINSKA(翻訳:ぬえよしこ、編集:黒田千聖)


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