マイクロインフルエンサー がソーシャルメディアにおいて最大の価値を提供【ローンチメトリックス&Glossyリサーチ】

DIGIDAY

ローンチメトリックスのGlossy独占データによると、ビューティにおけるソーシャルメディアの最大のシーンの背後には、マイクロインフルエンサーとナノインフルエンサーの存在があることが判明した。メディアへの影響の価値を表すローンチメトリックス独自のメトリックであるMIVによってランク付けされたブランド5は?

ローンチメトリックス(Launchmetrics)のGlossy独占データによると、ビューティにおけるソーシャルメディアの最大のシーンの背後には、マイクロインフルエンサーとナノインフルエンサーの存在があることが判明した。

ニッチなコミュニティリーダーの増加

5月の1カ月間にグローバルでもっともバズったコンシーラーは、ナーズ(Nars)、タルト(Tarte)、トゥーフェイスド(Too Faced)、ディオール(Dior)、フェンティビューティー(Fenty Beauty)の製品だった。これらのブランドは、メディアへの影響の価値を表すローンチメトリックス独自のメトリックであるMIVによってランク付けされた。MIVは、インフルエンサー、印刷メディア、セレブリティ、公式サードパーティパートナー、ブランドのメディアチャネルの影響を追跡するものである。そして、全面的にもっとも高いMIVを占めたのがマイクロインフルエンサーとナノインフルエンサーだった。

「パンデミックが落ち着いてきて、顧客はブランドや製品に関して真のつながりを求めている」と述べているのは、ローンチメトリックスのCMOであるアリソン・ブリンゲ氏だ。「製品のMIVを推進するニッチなコミュニティリーダーが増えているという事実は、市場のトレンドと一致している」。

リスト入りしているビューティブランドは、それぞれ独自の方法で顧客やマイクロインフルエンサーと直接関与してリーチして、ブランドのアドボケート(支持者)を生み出している。ナーズは、2020年、消費者データをCRM戦略に取り込むためにパーソナライズされたクイズをグローバルウェブサイトに統合した。また、もっと最近には、3月初めにタルトが初のTikTokインフルエンサー旅行を開催し、100万〜1400万人以上のフォロワーを持つTikTokersを招待したことがある。TikTokの基準では、これらの人々はマイクロインフルエンサーとして考えられる。これらのインフルエンサーはこれまでタルトのインフルエンサー旅行に参加したことはなかった。それぞれのインフルエンサーのホテルの客室は、個人に合わせたギフトスイートのように準備されていた。

しかし、ブリンゲ氏は、マイクロインフルエンサーとナノインフルエンサーの従来の概念は今や進化していると言う。ブランドは依然これらの人々をナノインフルエンサーとかマイクロインフルエンサーと呼んでいるかもしれないが、実際には彼らは「キーオピニオンを持つ顧客」に近いのである。

「彼らは影響力を持っており、そのブランドや製品を心から愛する顧客のサブセクションだ。そして製品に対する主要な支持者となる」とブリンゲ氏。「このタイプの消費者コンテンツのバイラル性は高まっている。ユーザー生成コンテンツのブランド化された形式だと言える」。

ディオールビューティーのWhatsAppマーケティングの例

5月には、WhatsAppを利用したディオールの1対1のマーケティングアプローチがあった。ディオールビューティーは、Kポップグループのブラックピンク(Blackpink)のメンバーでディオールのグローバルアンバサダーのジス氏を起用した、WhatsAppでのメッセージングをベースにしたキャンペーンを4日間開催した。ユーザーはKポップのスーパースターであるジス氏のチャットボットと会話することができ、ファン層から絶賛された。同キャンペーンでディオールと協働したデジタルマーケティング会社、180リュクス(180 Luxe)のマネージングパートナー、ローラン・フランソワ氏は、ディオールはWhatsApp以外でもこのキャンペーンが「何千というミームやスクリーンレコードや会話で取り上げられていることを確認した」と述べている。また、ディオールのデジタルイノベーション・戦略計画マネージャーのアーサー・プーラン氏によると、登録ユーザーの20%が公式プロモーションではなく友人が共有したリンクからグループに参加しており、キャンペーンの口コミは強力だったという。ディオールは、2021年6月には、ローンチメトリックスのMIVデータに基づき世界第1位のラグジュアリービューティブランドに選ばれた。そのMIVの34%はインフルエンサーによるものであった。

キーオピニオン顧客の活用

キーオピニオンを持つ顧客はソーシャルメディア戦略を超えて影響を及ぼす可能性があるとブリンゲ氏は述べている。また、ブランドはロイヤルティプログラムを再考して、アドボカシーに対して報いる機会をもっと多く提供したり、顧客を結びつけて活用するほかの機会を検討することができるとも述べている。同氏によると、ローンチメトリックスも、ブランドが顧客生涯価値を評価する方法に関連するいくつかの「極秘プロジェクト」に取り組んでいるということである。

「このようなインフルエンサーの小規模なグループについていつも興味深いと思うのは、彼らが自分たちのオーディエンスに近い点だ」とブリンゲ氏。「そのようなニッチなコミュニティを築く彼らの能力は際立っている」。

[原文:Launchmetrics x Glossy research: Micro-influencers offer the most social media value

EMMA SANDLER(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)


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