福岡パルコ(福岡市)が、2022年6月11日から開催中のイベント「パルコ感覚」の一環で性風俗店の「無料案内所」をイメージさせるブースを設置したことに批判が相次ぎ、イベントに参加するアーティストやショップが相次いで出展取りやめを表明している。
「非常に困惑」「表現方法に対する感覚の相違に大きな隔たり」
「パルコ感覚」は22年6月11日~26日に開催。「九州最大級のカルチャーの祭典」と銘打ち、九州を拠点とするアーティストの作品やショップが出展していた。イベント期間中、施設1階にはイベントの出展者情報を案内する「パル感無料案内所」を設置した。しかし、性風俗店の無料案内所をイメージさせる内装だったことから、SNS上で「誰でも入れる商業施設でこれをやる意味がわからん」「ありえない」などと批判の声が集まっていた。
福岡パルコは14日、公式サイトで「ご覧いただいた方をご不快な気持ちにさせてしまう表現・演出がございました。心よりお詫び申し上げます」と謝罪。同日の閉店後に「パル感無料案内所」を撤去したとした。
発表では「来店されるお客様だけでなく、本企画にご賛同ご参加いただいたすべてのみなさまと作品・展示等に対しても、配慮に欠けていたことを痛感いたしております」としたが、イベントに参加しているアーティストやショップの間では、今回の問題を受けて出展を取りやめる動きも出ている。
自身のヌード作品を出展していたアーティストの「noe risa」さんは、13日の段階でインスタグラムで「PARCO側との表現方法に対する感覚の相違に大きな隔たりが生じました」「私自身が女性であること、裸を写していること、作家としてこの作品と向き合い、覚悟した上で作品を発表した想いと食い違いがありました」などと投稿し、14日から出展を取り下げることを表明した。
長崎・五島列島の木材を使った器を製作する「wan -made in Gotoislands-」さんは15日、インスタグラムで「福岡PARCOで開催中のパルコ感覚にて出品していましたが内容を鑑みて出品取りやめさせていただきます」と表明。同日、ツイッターでは「このように性を売るような表現でイベントを行うという話はまったく無かった」とし、「非常に困惑しており残念です」と伝えた。
また、五島列島産の椿油を販売するタテイシ(長崎県五島市)のブランド「恋するつばき」も15日、インスタグラムで「一部内容を拝見し出店を中止することに致しました」とした。