DIGIDAY DealBook:乱高下した プラットフォーム 株、流動的な雇用、パーソナライズ技術企業の買収など

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DIGIDAY DealBookでは、前週に行われた買収・採用案件の概要を素早く手短に伝えることに重点を置き、業界の最新情報を届けることを目的としている。今回のテーマは乱高下したプラットフォーム株、流動的な雇用、パーソナライズ技術企業の買収などだ。

直近に行われた買収・採用案件の概要を素早く手短に伝え、業界の最新情報を届けることを目的としているDIGIDAY DealBook。今回のテーマは乱高下したプラットフォーム株、流動的な雇用、パーソナライズ技術企業の買収などだ。

2022年下半期の経済状況について不透明感が増すなか、スナップ(Snap)は5月23日に、年間の成長率について当初の見通しを修正すると発表した。スナップは広告収入の変化の要因としてマクロ経済環境を挙げており、同社の株価は5月24日に43%下落した。この発表はすべてのソーシャルメディアに波及し、スナップのインサイトを受け、24日にはFacebookやアルファベット(Alphabet)、大手エージェンシーグループのオムニコム(Omnicom)などのハイテク株が下落した。しかし、これらの銘柄はすべて、週内には再び着実に上昇し始めた。

これに先立ち大手テック企業の多くが、予想を下回る売上高の影響により新規採用のペースを落とすことを明らかにしていた。

主なテック各社の動き

Twitterは、イーロン・マスク氏が4400万ドル(約57億)での買収を提示し、非公開化される可能性が出てくる前に、株式公開企業として最後の取締役会を開いた。だが、マスク氏は自身のTwitterアカウントで、買収が正式に成立する可能性について不確実性を表明しており、まだ最終決定には至っていない。また同社は5月下旬、ユーザーデータの不適切な使用により1億5000万ドル(約195億円)の罰金を科されている。

ソーシャルリスニングツールのエンプリファイ(Emplifi)は、TikTokとのパートナーシップを発表した。TikTokは若者市場での消費を促進するうえで非常に人気が高い。そのため、この提携によってエンプリファイはZ世代へのインサイトを獲得することができるようになる。

そして最後に、コンテンツレコメンデーションプラットフォームのタブーラ(Taboola)は、ハンガリーに拠点を置くパーソナライゼーション技術企業のグラビティR&D(Gravity R&D)を非公開の金額で買収する契約を締結したと発表した。タブーラによると、買収は2022年第2四半期に完了するとしている。同社の広報担当者は、グラビティR&Dへの支払額については言及を避けた。「これはエンジニアリングとAIへの技術投資であり、技術とAIへの投資は、パーソナライゼーションであれ、コマースであれ、そして最終的にはパブリッシャーと広告主の成功を促進するかどうかに関わらず、我々が行うことのすべてを成功に導くという長期的命題の一部だ」と、タブーラの創設者でCEOのアダム・シンゴルダ氏は述べている。

そのほかのニュース

  • アイハートメディア(iHeartMedia)は、大規模なポッドキャスト広告ライブラリと複数の広告プラットフォームのおかげで、スナップによる発表後も損失を被ることはないと予測している。同社では、5月と6月は、4月よりも高いペースになるとさえ予測している。
  • 10社以上の中堅ヘッジファンドがPIPEs取引によって、トランプ米前大統領のソーシャルメディアプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル(Truth Social)」に10億ドル(約1300億円)を出資したことが確認された。このような取引では、投資家は最終的に、資本を公開市場で販売される会社の株式と交換する。ペンウォーター・キャピタル(Pentwater Capital)、サビー・マネジメント(Sabby Management)、アンソン・ファンド・マネジメント(Anson Funds Management)、カーシュナー・トレーディング・アメリカ(Kershner Trading Americas)、ケーツー・アンド・アソシエイツ(K2 & Associates)、ヨークビル・アドバイザーズ(Yorkville Advisors)、MMCAPが、トランプ氏の会社への投資家として確認されている。
  • キャンドル・メディア(Candle Media)は最近、ブラックストーン(Blackstone)の支援を受けて2社を買収した。1社目はスペイン語のコンテンツスタジオであるエグザイル・コンテンツ・スタジオ(Exile Content Studios)で、キャンドル・メディアは、スペイン語のプレミアムコンテンツを通じて新しいオーディエンスやクリエイターにリーチすることを目指している。2社目に買収したのは、Z世代へのリーチにフォーカスしたニュースフィードのATTN:だ。今回の買収によりATTN:は、クリエイティブ戦略やブランドサービスといったブランドの側面を成長させるつもりでおり、特に2021年6月に立ち上げたATTN:のTikTok部門にとって有益となる。
  • シリウスXM(SiriusXM)は、コナン・オブライエン氏の制作会社チーム・ココ(Team Coco)と、同氏のポッドキャストを5年間の独占契約とすることで、1億5千万ドル(約195億円)で買収した。オブライエン氏はこの契約により、同プラットフォームでコメディ専門チャンネルも開始する予定だ。この買収により、チーム・ココのスタッフもシリウスXMでオブライエン氏に加わり、引き続きコンテンツを制作し、シリウスXMとコラボレーションを行うことになる。
  • ジャーニー・ホーム・メディア(Journey Home Media)は、グロース・カタリスト・パートナーズ(Growth Catalyst Partners)の支援を受けてアイクレイブ(ICRAVE)、フューチャーズ・インテリジェンス・グループ(Futures Intelligence Group)、スキルド・クリエイティブ(Skilled Creative)というメディア企業3社を買収した。これらの買収により、同社は現実世界、デジタル、バーチャルの各プラットフォームにおいて重要な役割を担う企業として位置づけられることになる。
  • ライブストリームコマースを手がけるファイヤーワーク(Firework)は、ソフトバンク・ビジョン(Softbank Vision)が主導するシリーズBラウンドで1億5千万ドル(約195億円)を調達した。同社はこの資金で、メタ(Meta)などのテック大手の分散化を目指している。メタは、メタバースアプリ「Horizon World(ホライゾン・ワールド)」での購入に47.5%の取引手数料を課している。
  • UAEクリケット委員会(Emirates Cricket Board)は、ジー・エンターテインメント・エンタープライセス(Zee Entertainment Enterprises)と10年間のメディア権契約に調印した。これは、ジー・エンターテインメントが昨年締結したUAE T20リーグに続くふたつ目のスポーツ放送契約で、契約額は1億~1億5000万ドル(約130億~195億円)と推定される。

[原文:Digiday DealBook: Platform stocks swing, hiring in flux, purchasing personalized tech and more

Carly Weihe(翻訳:藤原聡美/ガリレオ、編集:黒田千聖)


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