HBOのヒット番組『ユーフォリア』が火付け役。 アイジェム が主流に【Glossy&ローンチメトリックスリサーチ】

DIGIDAY

2019年に始まって以来、HBOのヒット番組『ユーフォリア/EUPHORIA(原題: Euphoria)』の影響は広範囲に及んでいる。ビューティに関しては、ゼンデイヤ氏が演じるルー・ベネット、ハンター・シェイファー氏が扮するジュールス・ヴォーン、アレクサ・デミー氏のマディ・ペレス、シドニー・スウィーニー氏のキャシー・ハワードらを目にした多くのファンは刺激を受けてメイクアップで冒険するようになっている。登場人物の外見によって、メイク担当のドニー・デイビー氏もスターの座に就いた。番組の制作会社のA24と提携したデイビー氏のメイクアップブランド、ハーフマジック(Half Magic)は満を持して5月17日にローンチされた。

登場人物のメイクがビューティに与えた影響

ローンチメトリックス(Launchmetrics)CMOのアリソン・ブリンゲ氏は、同番組がファッションとビューティに大きな影響を与えたと証言している。 「初回以来、『ユーフォリア/EUPHORIA』がファッションに与えてきた影響に疑いの余地はない。各登場人物のユニークなスタイルは、ファンがソーシャルチャネルに投稿したコンテンツによってファッションやビューティのトレンドに大きな影響を与えてきた」。ハンター・シェイファー氏が演じるジュールス・ヴォーンは、さまざまなスタイルが混ざったメイクとスタイリングによる独自のルックスで注目を集めている。特にきらめくラインストーンを使ったメイクで、同氏はアイステッカーの人気にも影響を及ぼしている。

ブリンゲ氏によると「ウェラブルのフェイスジェム(宝石)は、コーチェラ2022などのフェスが確実に復活している状況もあり、使いやすさのおかげで主流になりつつある」ということである。約1年前にGlossyが前回デイビー氏について取り上げたとき、インスタグラムのハッシュタグ #euphoriamakeup の投稿は29.6万件だったが、現在では55.1万回であり、このハッシュタグのTikTokの視聴は20億回に上っている。

アイジェムを手がけるプレイビューティの人気上昇

ローンチメトリックスはGlossy独占でもっともバズッた4月のアイデコレーション(デカール、ジェム、ステッカー)のメディアインパクトバリュー(MIV)に基づいたランクを発表した。トップは、女優のペイトン・リスト氏が1月にローンチしたクリーンメイクアップブランドのプレイビューティ(Pley Beauty)。続いて、ドニー・デイビー氏とコラボレーションしたフィリス・コーエン氏のフェイスレース(Face Lace)、3位にはカラーポップ(Colourpop)、5位はE.l.fと人気ブランドもランク入り。4位は、DJデュオのシミとヘイズのカドラ姉妹の新ブランド、シミヘイズ(Simihaze)だった。

『ユーフォリア』の放送開始から数年でその「型破りな」スタイルのメイクアップが主流になり、アイデカール、貼れるタイプのジェム、ステッカー、それらのバリエーションなどが少数のブランドから幅広く入手できるようになった。

アイデカールの「プレイシングス」の売り上げ急増

プレイは、フェイスとアイのデカールラインの「プレイシングス(Pley Things)」でローンチした。プレイシングスは、使用方法をあとから思いついたのではなく、最初から(アイデコレーションのための)品揃えを目的としていた。同ブランドのゼネラルマネージャー、ローラ・ステイヴス氏は次のように述べている。「創造性を刺激して個性的な外見を演出できるジェム類は、いつも当社のローンチ戦略の中心だった」。

「プレイシングス製品は大好評だ」とステイヴス氏。顧客からは品揃えが人気で、自主隔離後のプレイのローンチのタイミングも追い風だったという。「皆、新しい独創的な方法でメイクする準備ができている。フェスシーズンなどいろいろなことを体験したいと思っており、それに合わせたメイクをしたいと考えている」。それゆえに、プレイは「コーチェラの週末までに(売上高の)健全な急上昇を経験した」たそうだ。ステイヴス氏は、コーチェラの最初の週末はトレンドが生まれる瞬間であるため、同社の売り上げは「夏のあいだずっと」持続することが予想されると述べている。

「デカールをローンチしたとき、唯一の主な競争は10ドル(約1300円)に満たないAmazonの製品だった。値段が問題になると懸念していたが、消費者は品揃えと品質を重視している」とステイヴス氏。プレイビューティのもっとも高価な製品は24ドル(約3100円)のラブチャイルド・プレイシングス(Love Child Pley Things)で、これはベストセラーになっている。

ステイヴス氏はこのカテゴリーの成長について「多くのブランドがジェム製品を展開しているのを目にしている。これによってイノベーションがより推進されて、アイジェムがビューティカテゴリーの新しい定番になる軌道が築かれるので勇気づけられる状況だ」と語っている。「エル」誌で取り上げられた、ショッピングサービスアプリのクラーナ(Klarna)の調査によると「ラインストーンの購入は2021年12月から2022年2月にかけて2607%増加した」ということである。

「顔を演出する製品はビューティとファッションのハイブリッドだ。ジュエリーと同じように、服に合わせて自分の外見を際立たせるための一手段である」。

[原文:Glossy x Launchmetrics Research: Eye gems have gone mainstream

SARA SPRUCH-FEINER(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)

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