ファッションブランドが「 Roblox のオビー」に参入:ゲーマーへ存在感アピールの狙いとは?

DIGIDAY

ファッションブランドのレベッカ・ミンコフは、ロブロックスによる障害物レースゲーム「オビー」への参入を果たした。ユーザはオビー内にある同ブランドのショップでヴァーチャルなハイヒールなどを試着することができる。ブランドの狙いは、認知獲得と潜在的顧客の獲得だ。

Roblox(ロブロックス)の障害物レース「オビー(Obby)」での存在感を確立することで、レベッカ・ミンコフ(Rebecca Minkoff)のようなブランドは、同プラットフォームで多数の訪問者がいるゲームへの参入を果たしている。

クリエイターグループのピンクバタフライスタジオ(Pink Butterfly Studio)が制作し、4月初めにローンチした「レベッカ・ミンコフ・ハイヒール・オビー(Rebecca Minkoff High Heel Obby)」は、ユーザーがレベルアップのたびに高くなるハイヒールを履いて、色とりどりのボードの上を移動するという全20レベルのゲームだ。昨年12月にロブロックスに制作された「ハイヒール・オビー」は、同社によるとほぼ4000万人の訪問者を記録している。レベッカ・ミンコフによる2週間のテイクオーバーの一環として、ユーザーはバーチャルなレベッカ・ミンコフの店舗に入り、バーチャルなハンドバッグやブーツを試着することができた。

ゲーム分野に参入し、ブランド認知度を高める

レベッカ・ミンコフではクリエイタースタジオのデュービット(Dubit)とピンクバタフライスタジオと提携し、障害物レースでより高いレベルをクリアしたユーザーには、報酬としてレベッカ・ミンコフのショップへのアクセスを提供し、魅力的なショッピング体験を可能にした。同ブランドによれば、1日平均2万人のプレイヤーがこのゲームをプレイし、1ユーザーあたり1日8分と、ロブロックスのほかのオビーと比較しても非常に高いエンゲージメントを示したことがわかった。ピンクバタフライスタジオによると、プレイヤーはデジタルファッションとして販売されたコレクションのうち特定の製品を好んでいたという。その中には、現在、物理的な形で購入することが可能なシエナ・フレーム・オーバー・ザ・ニーヒールド・ブーツ(Siena Flame Over The Knee Heeled Boots)も含まれている。

「私たちはメタバースにさらに深く入り込み、ゲームの分野に参入している。なぜなら、とくに女性のあいだで爆発的に成長しているからだ」とミンコフ氏は述べた。「つねに若いオーディエンスの注目を集める方法をテストしたいと思っている。いずれ若者はお金を手に入れるようになり、私たちのためにお金を使いたいと思ってくれるだろうと期待している」。レベッカ・ミンコフは、イギリスのリーズを拠点とするゲーム開発会社デュービットや他のロブロックス開発者と協力し、ショッピングとアクセサリーに焦点を当てて、ハイヒール・オビーに参加することを選択した。

NFTの実用性を高めることを検討中

「開発者たちは短い時間しかなかったなかで、私たちのアクセサリーとバーチャルストアを輝かせるには、ハイヒール・オビーへの参加が正しい選択だと考えた。私たちはアイテムを選び、(ゲームを進めるための)インセンティブと5000ドル(約65万円)相当の賞品を提供した。女性のオーディエンスが多いゲームを選びたかった。必ずしもそうではないゲームもあるからだ」。

メタバースにおけるレベッカ・ミンコフの主な優先事項は、コアな顧客とその顧客が所有権を持ち、将来的にそれを着用できるようなデジタルガーメントとのあいだに、一貫したさらに深みのある関係性を築くことだ。「私たちのガーメントがゲーミングに使われるのを目にするとともに、最終的にはZoomでも使われるようになるとも考えている。充実した体験をしてもらうには、私たちが提供するすべてのNFTの実用性をどう高めることができるのかを考えている。そのヒールを履いて、遊んだり、走ったり、ジャンプしたりできるようになるべきだ」。

オビーに参入するブランドは多いが、批判もある

ナイキ(Nike)やフォーエバー21(Forever 21)など、他ブランドもロブロックスでオビー体験をローンチしている。ナイキは2月にナイキランド(Nikeland)内でパチンコのオビーを立ち上げ、フォーエバー21は昨年12月にユーザーが自分の店を経営する体験ができるオビーを立ち上げた。しかし、これらのアクティベーションには批判も少なくない。オビー(障害物レース)にはストーリーがないという点や、ブロックからブロックへジャンプするといった反復的なゲーム動作である点が一般のロブロックスユーザーからも批判されている。

[原文:How fashion brands are using Roblox obbys to get in front of gamers]

ZOFIA ZWIEGLINSKA(翻訳:Maya Kishida 編集:猿渡さとみ)


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