DIGIDAYガイド:パブリッシャーの ニュースレター 活用法 決定版

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電子メールは新しいものではない。しかし、パブリッシャーが電子メールを利用する方法は変わり、電子メールは重要性を増している。プライバシー規則が変更され、サードパーティCookieの死が迫るなか、メディア企業がファーストパーティデータから読者の習慣やパターンを深く理解し、売上やオーディエンス開発の目標を達成しようと取り組んでいるためだ。

このガイドでは、広告売上、サブスクリプション、ブランド認知度を高める手段として、パブリッシャーがニュースレターで成果を上げている実例を紹介しよう。

目次

01 プライバシーを巡る状況が変化し、電子メールはかつてないほど重要性を増している

端的に言えば、ニュースレターはパブリッシャーにメールアドレスをもたらす。しかし、そのメールアドレスはチャネルとして機能する。ソーシャルプラットフォームや検索プラットフォームのアルゴリズムと悪戦苦闘することなく、読者と直接コミュニケーションを取り、読者の受信箱という閉じた環境で、上から下まですべて読むことができる消費しやすいフォーマットで、読者にリーチするチャネルだ。

メディアや広告業界がサードパーティCookieの廃止に備え、パブリッシャーが広告ターゲティングやサブスクリプション販売のため、電子メールのようなファーストパーティデータの優先度を高めている今、メールアドレスは特に価値ある存在になっている。

パブリッシャーは今後もニュースレターの制作と革新を強化し続けるだろう。ロイター・ジャーナリズム研究所(Reuters Institute for the Study of Journalism)が2022年に入ってから発表したジャーナリズム、メディア、テクノロジーの動向に関する報告書によれば、調査対象者(メディア関連の上級職)の70%が、2022年はニュースレターに投入するリソースを増やすと述べている。オーディエンス向けのイノベーションで、ニュースレターより注目度が高かったのは、ポッドキャストをはじめとするデジタルオーディオ(80%)だけだ。

コンテンツの変化

マルチチャネル収益化エンゲージメントプラットフォーム、ジーング(Jeeng、旧パワーインボックス[PowerInbox])のCEO、ジェフ・クピエツキー氏は、FacebookやGoogle経由でパブリッシャーのウェブサイトに送り込まれるトラフィック(そして、読者がコンテンツを見るかどうかに影響を与えるこれらのプラットフォームのアルゴリズム)に頼るのではなく、ニュースレターを用いてトラフィックを誘導し、データを収集することは、パブリッシャーがさまざまなデバイスで読者と「1対1の関係」を構築できることを意味すると話す。

読者はオプトインすることで、自分の居場所に関するシグナルを与えることになり、パブリッシャーはそれを広告ターゲティングに活用できるとクピエツキー氏は説明する。

パブリッシャーは収集したデータを用い、読者のコンテンツの好みに応じてメッセージを調整できる。たとえば、サッカーの記事を何度も読みに来る読者であれば、パブリッシャーはサブスクリプションを推奨するメッセージをカスタマイズしたり、サッカー関連の記事をさらに提案したりすることで、読者が最終的にペイウォールを突破し、財布を開くよう仕向けることができる。

メールマーケティングプラットフォーム、ライブインテント(LiveIntent)のコーポレートコミュニケーションおよびインダストリーリレーション担当シニアバイスプレジデント、アダム・バーコウィッツ氏は「モバイルファーストの世界では、メールアドレスがアイデンティティの鍵を握る」と断言する。

ファーストパーティデータを重視することで、たとえば、パブリッシャーサイトのトップ記事をまとめたキュレーション型のニュースレターは過去のものになり、ニュースレターのパーソナライズが進むとバーコウィッツ氏は考えている。その結果、パブリッシャーは2022年、より多くの電子メールを送信することになるかもしれないが、「20記事」ではなく「3~4記事」で構成されるものになるだろう。読者の関心に合わせた電子メールになるため、より高いエンゲージメント率が期待できる。

「これは業界にとって必須事項だ。メールチャネルを通じてオーディエンスを引き付けるため、すべてのパブリッシャーがパーソナライズに投資すべきだ」とクピエツキー氏は話す。

02 ブランド認知度の向上とサブスクリプションの成長を促すツール

読者がメールアドレスを提供すると、パブリッシャーは「所有」するデータを用いて、ブランド認知度を高めたり、サイトにトラフィックを誘導したり、サブスクリプションを増やしたり、新たな収益源を開発したりするために、ニュースレターをより効果的に活用できる。

ブランド認知度の向上

大きな危機感が存在することから、メディア企業は読者と習慣になる関係を築くことを求められている。読者の受信箱に定期的に届くニュースレターがその方法であることをパブリッシャーは発見した。

ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)のニュースレター担当エディトリアルディレクター、アダム・パシック氏は「この電子メールに多くのリソースを投入することの背後にある戦略は、新しい読者にニュースレターの内容を紹介し、彼らに習慣を作ってもらい、長期的な関係を構築するための素晴らしい方法だということだ」と話す。

読者を購読者に変えるツールとしてのニュースレター

ニューヨーク・タイムズは他のパブリッシャーと同様、サブスクリプションを促進するため、毎日500万人以上が読んでいるという毎日配信のザ・モーニング(The Morning)を含む一連のニュースレターを活用している。ただし、ザ・モーニングの読者がどれくらい有料顧客になっているかについて、パシック氏の口から語られることはなかった。戦略は「まだ進行中だ」と同氏は述べている。

「その力学を最適化する方法を学んでいるところだ」とパシック氏は話す。

一般的に、ニュースパブリッシャーは主力のニュースレターをひとつ構築し、その後、トピック別のニュースレターを始める傾向がある。新しいトピックを試し、購読者がどのようなニュースにお金を支払うのかを確認するための重要な第一歩だ。オーディエンス開発とマーケティングを手掛けるトゥエンティファースト・デジタル(Twenty-First Digital)の創設者兼CEO、メリッサ・チャウニング氏は、ニュースレターは「一般的に、誰かを有料会員や購読者に変えるための第一歩だ」と話す。

その実例がテレグラフ(The Telegraph)だ。電子メール、ニュースルームイノベーション担当ディレクターのダン・シルバー氏によれば、ニュースレターは「他の何より、登録者のコンバージョンを促進している」という。ただし、ニュースレターの読者がどれくらい購読者になっているかは不明だ。

テレグラフの登録者は有料購読者と異なり、一部の記事とニュースレターに無料でアクセスできる。複数のニュースレターに登録している読者は、ニュースレターに登録していない読者と比べて、最初の30日間の「コンバージョン率が顕著に高い」とシルバー氏は言い添えている。ニュースレターに登録している人は、購読を長く続ける傾向もあるようだ。シルバー氏によれば、ニュースレター経由で購読者になった人は、平均的な購読者と比べて、3カ月後の定着率が30%、1年後の定着率が50%以上も高いという。

ニュースレターへの登録を促すという点では、お金をかけて登録者を獲得する方法よりユニークな(そして、コスト効果が高い)アプローチを取っているパブリッシャーもいる。たとえば、スキム(theSkimm)やモーニング・ブリュー(Morning Brew)はニュースレター紹介プログラムで成果を上げている。ブランドのTシャツやステッカー、限定コンテンツ、さらには、パブリッシャーのオフィス訪問など、プログラム参加者は特典を得られるようになっている。モーニング・ブリューの紹介プログラムは2019年、日刊ニュースレターの成長の35%に貢献した

また、ニュースレターは購読者の解約(購読を解除すること、更新しないこと)を減らすツールとしても機能する。特に、過去の行動に基づいて読者への推奨コンテンツをパーソナライズできるニュースレターでは、コンテンツをキュレートし、読者との関係を維持する手段としてニュースレターを活用できる。

これはロサンゼルス・タイムズ(The Los Angeles Times)が使っている戦略だ。CMOのジョシュア・ブランドー氏は2021年8月、サインアップから14日以内にロサンゼルス・タイムズのサイトを再訪するか、電子メールを開封しなかった場合、その人はそのままエンゲージしない可能性が高く、解約のリスクが生じると述べている。そのため、ロサンゼルス・タイムズではニュースレターのサインアップなどのデータを、解約や購読継続の「重要なシグナル」のひとつとして分析している。

Quartz(クォーツ)の編集長キャサリン・ベル氏は、ニュースレターはリテンション戦略の一部だと断言している。「読者とより親密で持続的な関係」を築く助けになり、購読者が契約を解除する可能性を減らすことができるためだ。

03 パブリッシャーはどのようにニュースレターを広告収入源に変えているのか

これらのニュースレタービジネスを支えるアドテクは、業界の他の部分に比べて、イノベーションが進んでいないとパブリッシャーは口をそろえる。

電子メール専門のコンサルティング会社インボックス・コレクティブ(Inbox Collective)を経営するダン・オシンスキー氏は「メール広告の状況を把握しようとすることは、パイロットにたとえると、沖合の島を探そうとして、信号を三角測量し、共通点を見つけるようなものだ。多くのリソースがあるわけではない」と話す。

しかし、スキムのように、ニュースレタービジネスの成功によって成り立っているメディア企業もある。ニュースレターそのものは無料で読むことができるが、これらの企業は「ネイティブ」広告に重点を置いている。ニュースレターの外観やトーンを模してデザインされた広告だ。

Netflixをスポンサーとして特集したスキムのヘッダー

たとえば、スキムの日刊ニュースレター、デイリー・スキム(Daily Skimm)では、「特集スポンサー」のヘッダーやブランドによるニュースレターのテイクオーバーを提供している。スキムではまた、ニュースレターの他のセクションにフィットするようにデザインされ、ブランドのメッセージを表示できる「カスタムセクション」や、割引コードやリンクを用いて、ミレニアル世代の女性オーディエンス向けにD2C製品を宣伝するセクションも提供している。

さらに、1日限りの直販キャンペーンも行っている。同社販売戦略担当シニアバイスプレジデントのキーリー・パターソン氏によれば、2021年は広告売上の70%以上をリピーター広告主が占めていたという。スキムの売上全体に占める広告の割合は不明だ。スポンサーパッケージは広告主の「ニーズや目標」に合わせてカスタマイズされると広報担当者は述べている。

ニュースレターへの掲載料を支払っているブランド専用のセクション。割引コードやアフィリエイトリンクが設定されている。

メールインベントリの販売

ライブインテント、ジーングなどのメールマーケティングプラットフォームを利用し、ニュースレターに広告ユニットを配置しているパブリッシャーもいる。パブリッシャーまたはプラットフォームのアドサーバーからプログラマティック広告が配信されるようになっている。

クピエツキー氏によれば、ジーングはメール製品のユーザーである600のパブリッシャー(シアトル・タイムズ[Seattle Times]をはじめ、そのほとんどはニュースレター専門チームを持っていない)と協力し、パブリッシャーのウェブサイトで行っている広告キャンペーンをニュースレターに拡大したり、ジーングのネットワークを通じて取引を確保したりしているという。

プログラマティック広告とネイティブ広告のどちらを使うべきかは、ニュースレターに対するパブリッシャーの目標によるとオシンスキー氏は述べている。

まだ「初期段階」のネイティブ広告

ライブインテントのバーコウィッツ氏は、ネイティブ広告は「まだ初期段階」にあると話す。ライブインテントは2021年後半にネイティブ広告製品を発表。バーコウィッツ氏によれば、エクスチェンジを利用するパブリッシャーの30%以上がすでに採用したか、採用の過程にあるという。

たとえば、コンテンツアグリゲーションプラットフォームのフリップボード(Flipboard)は2021年春、ニュースレターのポートフォリオをプログラマティックディスプレイ広告の販売から直販のネイティブニュースレタースポンサーシップに移行した。有料コンテンツパートナーシップ責任者のアンドリュー・ザーク氏は当時、「ニュースレターを別の方法で収益化すればもっと利益になることに気付いた」と語っている。

2021年4月の時点で、ニュースレターの広告売上が売上全体に占める割合は2%足らずだった。1年が経過した現在、その割合は3倍以上に高まっているという(詳細の金額は未公表)。ザーク氏は2021年、ネイティブ広告の販売によってCPMが上昇し、ネイティブ広告を購入するブランドも増えていると述べていた。

インベントリの直販

たとえば、ニューヨーク・タイムズは1日限りのスポンサーシップを広告主に販売することで、ザ・モーニングを収益化している。ライブインテントの技術を採用し、ニュースレターに広告を掲載している。

アトランタ、オースティン、シカゴなどの都市別に配信されているアクシオス(Axios)のローカルニュースレターは、アクシオスが地元の広告主と全米規模の広告主の両方に直販しているメールスポンサーシップから収益を得ている。全米規模の広告主は、アクシオス・ローカル(Axios Local)ニュースレターを通じてリーチしたい市場の組み合わせや地域を選択できる。

アクシオス・ローカルはメール上部に広告を掲載し、メール内に2つのブランデッドコンテンツを配置している。価格は市場の規模によって異なる(たとえば、デモインのような小規模市場では安価に設定されている)。また、1件当たり250ドル(約3万円)を請求していたローカルメディア、シャーロット・アジェンダ(Charlotte Agenda)の掲示板の成功を受け、アクシオス・ローカルも一部のニュースレターで求人掲示板を導入している(シャーロット・アジェンダは2020年12月、アクシオスに買収された)。

CPMとその変遷

オシンスキー氏によれば、2021年当時、CPMは配信規模ごとの価格設定に基づき、5~25ドルの幅があったという。

しかし、2021年秋、AppleがiOS 15のプライバシーアップデートを発表し、電子メールのプライバシー保護やトラッキングの制限が始まったことで状況は変わった。マーケターはかつて、電子メールの開封率をメールマーケティングキャンペーンの成功の指標にしていた。

オシンスキー氏はiOS 15のプライバシーアップデートについて、Appleがユーザーの代わりに電子メールを「開封」し、開封した日時、そのときにいた場所などのデータを隠すようになったと説明する。これは電子メールの開封率が10~20%上昇したことを意味し、パブリッシャーがニュースレター広告の価格を交渉する方法が変わった。

成果の測定方法

現在、「責任あるパブリッシャーは(中略)広告主に対して正直になり、彼ら(のメールサービスプロバイダー)がいう開封率ではなく、過去の傾向から試算した実際の開封率を伝えなければならない」とオシンスキー氏は話す。ニュースレターのオーディエンスの何パーセントがプライバシーアップデートの影響を受けるかを示すため、アップデートを開発しているメールサービスプロバイダーもある。

メール広告の価格設定に関するもうひとつの問題は、パブリッシャーの請求が配信規模(リストサイズ)とリストエンゲージメントサイズ(メーリングリストの何パーセントが毎日ニュースレターを開封しているかなど)のどちらに基づいているかだ。テレグラフは2021年、ニュースレターの成果を測定するために独自の指標を開発した。シルバー氏が開封率ではエンゲージメントを測定できないと感じたためだ。

シルバー氏によれば、購読者が10万人で、開封率が20%の場合、低パフォーマンスのニュースレターと見なされる可能性があるという。しかし、5分の1の購読者がすべてのニュースレターを開封しているのか、それとも、メーリングリストの全員が5通のうち1通を開封しているかは、開封率だけではわからない。

多くのパブリッシャー、コンサルタント、エージェンシーはユニーク開封率30%以上を目標にすべきだと考えている。たとえば、Quartzは2021年、1週間の平均開封率が有料、無料読者ともに約35%だった。

04 有料ニュースレターの台頭

ニュースレターはサブスクリプションや広告売上を高めるだけではなく、読者から直接売上を得るための新たな経路としても機能する。

たとえば、Quartzは2021年8月、サブスクリプションプログラムを見直し、有料読者のみが利用できる約10種類のニュースレターに集約した。2021年3月の調査で、会員の75%が主に電子メール経由でQuartzのコンテンツにアクセスしていることが判明したためだ。

2022年2月、Quartzはさらに一歩踏み込み、Quartz Japan(クォーツ・ジャパン)に続く2つ目の地域限定サブスクリプション製品として、アフリカのテクノロジー関連スタートアップ、イノベーター、セクターのニュースと独占ブリーフィングから成るメンバーシップ製品を導入した。主力の年99.99ドル(約1万2398円)のサブスクリプション製品と異なり、Quartz Africa(クォーツ・アフリカ)と名付けられたこの製品は年59.99ドル(約7513円)に設定されている。

アクシオスの発行人であるニコラス・ジョンストン氏は2021年、アクシオス初の有料サブスクリプションビジネスへの参入を任された。このビジネスはアクシオス・プロ(Axios Pro)と名付けられ、2022年、気候からフィンテックまで、5種類の業界別ニュースレターが始動した。3月現在、それぞれのニュースレターの価格は年間599ドル(約7万5017円)で、すべてにアクセスできるサブスクリプション契約は1800ドル(約22万5428円)だ。

既存顧客をターゲットにする

すでに購読料を支払っている読者専用のニュースレターを追加し、ペイウォールの向こう側にいざなおうとしているパブリッシャーもいる。ニューヨーク・タイムズは2021年8月、ニュース、オピニオンのニュースレターを新旧合わせて15種類のコレクションにまとめ、購読者のみが利用できるようにすると発表した。寄稿者にはジョン・マクホーター氏、カーラ・スウィッシャー氏らが名を連ねる。

ニューヨーク・タイムズは合わせて80以上のニュースレターとメールブリーフィングを発行しており、毎週約1500万人に読まれている。2021年10月19日には、オピニオン欄の新たな取り組みとして、アーティストによる解説を購読者に提供すると発表した。このコラムはニュースレターの一部として購読者の受信箱に届けられ、同時に、ニューヨーク・タイムズのウェブサイトにも掲載される。


ニューヨーク・タイムズの狙いは、購読者限定のニュースレターを利用して、読者が購読料を支払うよう誘導することにある。

しかし、戦略はまだ十分に練られていない。オピニオン欄の編集者キャスリーン・キングスベリー氏は購読者限定ニュースレターを「ちょっとした実験」と呼び、ニューヨーク・タイムズは「そこから学ぼうとしている」と述べた。

「購読者に付加価値を感じてもらいたい。人々がお金を支払っているパッケージにより多くの価値を感じてくれれば、購読者の維持につながると期待している」

ザ・インフォメーション(The Information)は2021年3月にニュースレタービジネスを立ち上げ、7つのニュースレターを発行した。いずれも無料で読むことができる。創業者兼編集長のジェシカ・レッシン氏は、最終的には、購読者だけがアクセスできるようにするつもりだが、開封率やエンゲージメント率をモニタリングし、適切なタイミングを見極めたいと話している。ただし、正確な基準は不明だ。

有料ニュースレターにはプラットフォームというアプローチもある。フォーブス(Forbes)は2021年、新たなライターを引き付け、有料ニュースレタープログラムを支援するため、独自のニュースレタープラットフォームを構築した。Twitterがレビュー(Revue)を買収したのは、サブスタック(Substack)のようなプラットフォームに対抗するためだ。サブスタックがホストする有料ニュースレターは100万人以上に読まれている(読者が支払う金額の一部がサブスタックの収入になる)。Twitterは2021年末、ツイートをクリックするだけでニュースレターを購読できるようになったと発表した。

アトランティック(The Atlantic)は2021年末、この2つを組み合わせた戦略を発表した。すでに有料ニュースレタービジネスを行っているライターをアトランティックの傘下に組み込み、そのニュースレターとアトランティックの購読を組み合わせることで、ライターのフォロワーをアトランティックの購読者に変えるというものだ(ライターたちはフルタイムの従業員になるのではなく、購読者数の目標を達成することで報酬を得る仕組み)。すでにチャーリー・ワーゼル氏、モリー・ヨング・ファスト氏、ニコール・チャン氏といったライターが参加している。

「パブリッシャーは読者に最高の体験を提供するため、読者とより強固な関係を構築したがっている」とオシンスキー氏は話す。「電子メールはその関係構築に最適なツールだ」

[原文:The definitive Digiday guide on how publishers are using newsletters

Sara Guaglione(翻訳:米井香織/ガリレオ、編集:猿渡さとみ)

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