偽物の「Samsung 980 PRO SSD」が出回っている

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Samsungが2020年に発売したSSD「Samsung 980 PRO」の模造品が出回っていることが明らかになりました。模造品は外見や中身まで本物とほとんど同じでしたが、性能は約70%にまで落ちていました。

Fake Samsung 980 Pro SSDs Are Spreading Around | Tom’s Hardware
https://www.tomshardware.com/news/fake-samsung-980-pro

高速通信規格のPCIe 4.0に対応したSSD「980 PRO」は、2022年に後継機の「990 PRO」に取って代わられたものの、廉価な高速SSDとして引き続き市場の注目を集めています。

そんな980 PROを購入したという中国人ユーザーは、手にした品がよくできた模造品だったことを報告しています。

模造品は正規のパッケージに入れられていたうえ、正規品と同じ「980 PRO」のステッカーが貼られており、シリアル番号や型番も正規品と同じように記されていたとのこと。


ただし、ステッカーを剥がすと正規品と異なる点が見えてきたそうです。正規品はコントローラーにDRAMを実装した8nmのElpisを使っていますが、一方の模造品はTSMCの12nmプロセスで製造された「Maxio MAP1602A」が使われていました。


NANDも異なっており、980 Proは128層TLC 3D V-NANDを採用している一方、模造品は中国のチップメーカー「YMTC」の128層TLC 3D NAND(X2-9060)が使われていました。

模造品は正規のファームウェアも内蔵しており、Samsungが公式に配布しているSSD管理ソフト「Samsung Magician」さえもだますことに成功したとのこと。しかし、コントローラーやNANDが正規品よりも劣っていたため、ベンチマーク結果に大きく差が出ました。


980 PROは、シーケンシャルリードが最大7Gbps、シーケンシャルライトは最大5Gbpsを実現しています。一方の模造品は、ベンチマークの結果シーケンシャルリードが約4.8Gbps、シーケンシャルライトが約4.5Gbpsという結果となりました。


模造品をつかまされてしまったユーザーは、中国のフリマアプリ「Xianyu」にて880元で(約1万7000円)で購入したと語っています。この値段は市場より安く、アメリカでは同じものが169.99ドル(約2万2000円)で売られており、日本でもAmazonにて2万4000円ほどで売られていることから、価格の差だけで偽物であることが想像できます。

フリーマーケットでPCのハードウェアを購入することには常に危険がつきまといますが、Amazonなど名の知れたプラットフォームで購入することも一概に安全とはいえません。Amazonではたびたび模造品が販売されていることが指摘されており、模造品が原因で1億円以上の損失を出した企業があることも報告されています。Amazonで商品を購入する際は、なるべく正規品であるかを確認し、「出荷元」と「販売元」が「Amazon.co.jp」となっているものだけを選ぶのがベターです。


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