「刀鍛冶の里編」のテレビアニメ化も発表され、勢いが止まらない『鬼滅の刃』。当然のように雑誌の表紙を飾ることも多い。
今月のアニメ雑誌『アニメージュ』『アニメディア』『Newtype』も見事に鬼滅の表紙。キャラクターのスケールも雰囲気も似ているし、おいおいデザインかぶってんじゃないか……と思ったら、ちょっと待て。
よく見ると……この表紙、続き絵だぞ……!
・イラストが続いてる……!
並べてみたのだが、左端は株式会社KADOKAWAの『月刊Newtype (ニュータイプ)』(税込880円)で、宇髄天元と妓夫太郎。
続いて真ん中の学研プラス『月刊アニメディア』(税込1070円)には竈門炭治郎と禰豆子。
なぜ「続き絵」だとわかるかというと、エフェクトの部分がつながっている!!
右端の徳間書店『アニメージュ』(税込1080円)には我妻善逸、嘴平伊之助、堕姫の3人。
鬼化が進んだ禰豆子の姿や、堕姫の不敵な表情からバトルシーンであることがわかる。躍動感あふれる大迫力の描き下ろしイラストだ。
紙質がちょっと違うから、発色の印象も異なる。とくにアニメディアとアニメージュの境界線は、色合いが結構異なるのだが、まぎれもない一枚絵である。
この企画、『鬼滅の刃』公式の呼びかけに出版3社が賛同したことで実現したという。普段は “ライバル誌” と呼んでもいい御三家の垣根を越えたコラボに胸アツだ。「一緒にアニメ界を盛り上げていこう」という気概が感じられる。
Newtype公式Twitterでは「たぶん最初で最後の試み! こんなことが実現しちゃうのは……「鬼滅」だからでしょうね」とコメント。
アニメージュでも「初めて3誌の表紙が一枚につながるイラスト」とコメントしているから、創刊以来初めてのことなのだろう。
「絶対に並べて陳列する」と書店員からの反響も大きかった模様。たしかに、もし事情を知らない人が適当に陳列したら「順番違うよ!」とツッコんでしまうだろう。これは盛り上がるわ!
・ほっこりした
マンガや雑誌など紙の本は出版不況が叫ばれて久しいし、新型コロナウィルスのもたらした社会変化で、コンテンツの作り手は「不要不急の仕事」とアイデンティティが揺らいだことも多かったと思う。
暗いニュースが多いなか、メディアの壁を越えて創作の世界を盛り上げていく。こんな企画は大歓迎だ。コレクション効果で売上アップを狙っている……なんて切り捨てるのはあまりに野暮だし味気ない!
今月号の発売日は2022年3月9日。すでに完売の書店も出ている模様なので、入手希望者は急げ!
参考リンク:Twitter @animage_tokuma、@iid_animedia、@antch
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.