2月15日、各ネットメディアは人気Youtubeチャンネル「令和の虎」の出演者達の違法ポーカー賭博疑惑を発端に、各人が謝罪に追い込まれているとのニュースを報じた。以下は、同ニュースを報じた東スポより転載。
人気ユーチューバー複数が〝賭けポーカー〟認め謝罪! チクリの背景に内輪もめ
https://news.yahoo.co.jp/articles/7e4f6dd2b1b961809e0cfb5966c4c88b0147a4d5
「令和の虎」とはかつて一斉を風靡したテレビ番組「マネーの虎」を模して展開するYoutube上の人気チャンネルで、様々な事業で既に成功者となっている有名経営者達が、新しいビジネスアイデアを持ってプレゼンに来る挑戦者の事業を評価し、出資などを行うビジネスバラエティ番組である。今回、ポーカー賭博の実態が判明したのは、当該番組内で「虎」と呼ばれる有名経営者達を中心とするグループで、SNSでの告発を発端に次々と謝罪に追い込まれた。
以下は、今回の賭けポーカー騒動の中心的存在であったと目されている、武田塾塾長(※今回の騒動を受け辞任)林尚弘氏による投稿。武田塾は「授業をしない塾」として知られ近年急速に拡大しており、全国約400店舗のフランチャイズ展開をしている。
今回の騒動についてのお詫び pic.twitter.com/lMn8XEVjoH
— 林尚弘 (@hayashinaohiro) February 14, 2022
「違法なポーカー賭博の告発をキッカケに、新進気鋭の会社経営者達が次々と謝罪や辞任に追い込まれている」これだけでも社会的インパクトの大きなニュースであるが、この問題は「経営者としての自覚の欠如」だけでは済まない計画が背後にある。それが、今年4月のオープンを目指して目下、新宿歌舞伎町で開業準備が進められているアミューズメントカジノ店の開業計画だ。
このカジノ店開業計画は、今回賭けポーカー疑惑で辞任した上記武田塾の林尚弘氏を中心として進られていたものであり、同様に今回謝罪に追い込まれた複数人の「令和の虎」出演者達が出資者や運営者などの形で参画していた。…というよりは、そもそもこのカジノ店の開業計画自体が「令和の虎」内での番組企画として進められてきたものである。
昨年、「令和の虎」で配信された「令和の虎発!『アミューズメントカジノバー×カジノディーラースクール』【Tiger Casino TOKYO】を世界展開したい!」と第された配信回では、いつもは審査委員側で出演する武田塾塾長(当時)の林尚弘氏が事業計画をプレゼンする側である挑戦者として出演。「令和の虎」ブランドのアミューズメントカジノ店「Tiger Casino TOKYO」を世界展開したいとして、他の出演者から出資を募った。計画では「令和の虎」出演者に会いに行けるカジノ店として開業を行い、同時に番組出演者達の運営/経営する事業サービスも合わせて体験できる施設の開業するとして、結果的に各出演者達から1000万円の出資を獲得した。以下、実際に配信されている同チャンネルの番組。
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実はこの計画、配信終了後に着々と企画が進行しており、既に新宿・歌舞伎町で物件を獲得。2月中に内装工事に着工し、4月開業を目標として「令和の虎」達も参加して大々的に行われるオープニングイベントの準備も進められていた。その最中に露呈したのが、今回の賭けポーカー問題だったのである。
今回、SNSで違法ポーカー賭博に参加したとして告発を受けた参加者の中には、カジノ店開業計画の中心人物である林尚弘氏は勿論のこと、このカジノ店へ出資、もしくは参画が決定している番組出演者が複数人含まれており、林尚弘氏より同事業の責任者として指定されていた運営法人の代表者も同席していたことが既に判明している。要は今回告発された違法ポーカー賭博は、単純な「脇の甘い経営者達の火遊び」ではなく、目前に控える「令和の虎」ブランドのカジノ店開業と並走する形で、その出演者達の仲間内で行われていたものなのだ。
今回のSNSでの告発を発端にした問題は各メディアに「有名経営者がー」「人気Youtuberがー」と報じられているが、この告発があと2ヶ月遅いタイミングであったらその報道内容は「有名経営者達が参画するアミューズメントカジノ店が違法賭博で摘発」、下手をすると「有名企業経営者達が、自身が参画するアミューズメントカジノ店での賭けポーカーで逮捕」とされる報道であったかもしれない。今回、告発を受けた経営者達は各人が辞任や活動自粛、報酬返上などを表明しており、それぞれダメージを受けているのは事実であるが、もしこれが実際のカジノ店の運営が始まった後であったとしたら、この程度のダメージでは済まないものとなっただろう。
そういう意味では、このギリギリのタイミングで問題の告発が行われたことに対して、各経営者達は寧ろ感謝をすべきと言ってもよい。本件に関する詳細は、当方が運営する以下のYoutubeチャンネル上でも解説を行っている。
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