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ダニエル・ベルトン氏が4月にハフポスト(HuffPost)の編集長に就任した時、同社の編集部は激動の1年を経験したばかりだった。パンデミックを取材し、スタッフ自身もパンデミックを生き抜くという試練に加えて、ベライゾン・メディア(Verizon Media)からBuzzFeedに売却され、最終的には70人の従業員が解雇された。そしてその間ずっと、ニュース編集部には公式の編集長がいなかった(当時同社のエグゼクティブ・エディターであったヒラリー・フレイ氏が事実上のリーダーを務めていた)。
ベルトン氏は、9月27日にマイアミで開催されたDIGIDAYパブリッシング・サミット(DIGIDAY PUBLISHING SUMMIT)の最中に生中継されたDIGIDAYポッドキャストの最新エピソードのなかで、「彼らは編集長なしで本当に長いことやっていた。編集長が就任すること、そしてBuzzFeedやBuzzFeed Newsから独立した独自のリーダーを持つことは、大きな意味を持っていた。私が受けた反応は何よりも温かさだった。そして(スタッフたちの)安心だ」と述べた。
もちろん、ベルトン氏の任命だけでは、同社のスタッフのストレスや不安を即座に軽減することはできない。そのため、G/Oメディア(G/O Media)傘下のザ・ルート(The Root)の前編集長である同氏は、自身の役割を同社の「ニュースルーム・セラピスト」と捉えている。それは彼女がジャーナリズムの仕事を始めて、ニュース編集部で時間を費やすなかで担ってきた役割だ。ニュース編集部では彼女は常に、同僚たちの仕事や調子を確認してきた。
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「私は上司によく言っていた。『私はニュース編集室のセラピストとして雇ってくれたらいいのに』と。『私は1日中、人と話して彼らの問題に耳を傾け、どうすれば問題を解決できるか一緒に考え、彼らが取り組んでいるニュースを手伝うことができる』と。今私がやっていることは基本的にそれだ。私はニュース編集部のセラピストだ」とベルトン氏は言った。
今回のポッドキャストは「モダン・ニュースルームのリーダー(The Modern Newsroom Leader)」と題されたDIGIDAYポッドキャストの4回シリーズの最終回だ。このシリーズではさまざまなメディアの編集長たちを迎え、彼らが部下たちの燃え尽き症候群、不安定な金融ビジネス、雇用において多様性、公平性、包括性を優先することなど、新しい業界の課題に取り組む経験を特集している。これまでのエピソードでは、ザ・カット(The Cut)のリンジー・ピープルズ・ワグナー氏、ヴォックス(Vox)のスワーティ・シャーマ氏、ヒューストン・クロニクル(Houston Chronicle)のマリア・リーブ氏、ゴーカー(Gawker)のリア・フィネガン氏が取り上げられた。
以下、読みやすさと長さのために若干の編集を加えて、会話のハイライトをいくつか紹介する。
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90日プランと永遠に続く聞き込み調査
「私は90日プランを実行した。90日間の最初の30日間はスタッフから聞き込みをするプロセスで、結局、90日間のプランの期間がほぼそれに費やす形で延長し、さらに無期限に延長した。聞き込み作業には終わりはない」。
ニュース編集室を知る
「私が一番やりたくなかったのは、組織でこれまでどのように物事が行われてきたかをまったく知らずに、入ってきて物事を変え始め、ただ人々に指示を出すことだった。そこで私は、『一番早く現状を理解する方法は何か、私は実際、誰とでも話をすることができる』と考え、私はいろいろな部署と話をした。個人とも話をし、スタッフライターたちと話した。オーディエンス部門のスタッフ、営業のスタッフ、とにかく全員と話をした」。
チームの集まり
「先月からチームごとに集まってのディナーをはじめた。ニューヨークにいる私のチームメンバーのために、私は彼らのうちの7人から10人を夕食に連れて行き、彼ら全員と知り合うようにし、実際に顔を合わせる時間を作っている」。
名指しで仕事を褒める
「ハフポストでは、月に1度メールを送っている。まとめ報告のようなもので、月の終わりに、私が良いと思ったこと、スタッフたちがやっている素晴らしい仕事を紹介し、とにかく人を褒めようとしている。また、月のあいだに時間をとって、彼ら自身にも、仕事ぶりが本当に良いと思ったかどうかを知らせるために、個々の人々に連絡を取るようにしている」。
[原文:HuffPost’s Danielle Belton sees the editor-in-chief role as being ‘newsroom therapist’]
TIM PETERSON(翻訳:塚本 紺、編集:長田真)