自己表現 のひとつの方法として、ヘアカラー剤のアプローチを刷新するクレイロール:5年ぶりのグローバル長期戦略

DIGIDAY

クレイロール(Clairol)は、3月23日木曜日、92年の歴史を持つ同ブランドを刷新するための数年におよぶ取り組みの第一歩として新しいマーケティングキャンペーンを発表した。

TV番組コラボを含むデジタル&テレビキャンペーン

クレイロールは「イッツ・ソー・ミー(It’s So Me)」と呼ばれるデジタルとテレビキャンペーンのために、母娘ペアのジム・タン(@CaliforniaIsTooCasual、インスタグラムのフォロワーは1.06万人)やミア・ミラー氏(@MyaRoseMiller_、インスタグラムのフォロワーは2.77万人)ら9人のコンテンツクリエーターを起用。この新キャンペーンの前に製品の処方と色展開で若干変更が行われたものの、「It’s So Me」キャンペーンは同ブランドの新しい長期戦略の正式な開始を表すもので、クレイロールにとって5年ぶりのグローバルキャンペーンでもある。

15秒、30秒、1分のコマーシャルは、ビートの効いた音楽をBGMに、異なるヘアカラーのためにクレイロール製品を使う人々にスポットライトを当てている。白髪をカバーするものから、氷のようなブロンドや大胆なピンクなどのヘアカラーの仕上がりが見られる。コマーシャルは、米国、カナダ、英国、オーストラリア、ニュージーランドの主要ソーシャルメディアプラットフォームやテレビで配信される。また、1970年代が舞台のAmazonミニシリーズ『デイジー・ジョーンズ&ザ・シックス(原題、Daisy Jones & The Six)』とのマーケティングコラボレーションもある。この提携は、プロダクトプレイスメントではなく、クレイロールと『デイジー・ジョーンズ』が一緒に登場する有料・無料のデジタルとソーシャルメディアの投稿と「あのルックを試す」スタイルのチュートリアルが中心になっている。

親会社はウエラ・カンパニー

ウエラ・カンパニー・ノースアメリカのCMO、ロリ・パンテル氏は、クレイロールは、ヘアカラーが自己表現のために使えること、そしてクレイロールがそのためにすぐに利用できるブランドと製品であることを顧客に理解してもらいたいと述べている。同氏からはウエラの同キャンペーンへの具体的な投資については共有されなかった。

「人々にトレンドやヘアスタイルを指示しているわけではない。この(キャンペーンの)範囲は、自己エンパワーメント、自己表現、個人の選択についてだ」とパンテル氏。「キャンペーンの遊び心といろいろな影響を提示して、誰でも本当の自分を見つけて試すことができることを示している」

クレイロールはウエラ・カンパニーの傘下であり、ウエラ・カンパニーは、ウエラ・プロフェッショナルズ(Wella Professionals)、ナイオキシン(Nioxin)、GHDなどのヘアケアブランドと、マニキュアブランドのOPIをポートフォリオに抱える。2022年4月、ウエラ・カンパニーはブリオジオ(Briogeo)を買収した。2020年、プライベートエクイティ会社のコールバーグ・クラビス・ロバーツ(Kohlberg Kravis & Roberts)はコティ(Coty Inc.)からウエラ・カンパニーを買収し、75%の過半数を所有。コティが残りの25%の株式を所有している。

自己表現の一方法としてのヘアカラー

NPDグループ(The NPD Group)のデータによると、ヘアカラーカテゴリーは2021年1月から2021年11月のあいだに前年比で17%の売上を記録し、2019年の同時期と比較して77%の増加を見せている。この数値は、ブリーチロンドン(Bleach London)ジョシュ・ウッド・カラー(Josh Wood Colour)、マディソンリード(Madison Reed)、IGKといった自宅向けの新しいブランドの存在を考えれば驚くことではない。サリービューティ(Sally Beauty)などの小売業者は髪染めのDIYトレンドに特に注力している。推進力には、染毛剤の品質と処方の向上、さまざまな髪のタイプとカラーが若い消費者に広く受け入れられていることなどがある。

ウエラ・カンパニーのグローバルブランド担当プレジデント兼グローバルCMO、ヒュー・ディニーン氏は次のように述べている。「髪の色を変えるのは季節に合わせてワードローブを変えるようなものだ。これは、友人からやTikTokチュートリアルで学んで自宅カラーリストになって、自己表現のためのクリエイティブな方法を探しているZ世代の消費者に特に当てはまる」。

パンテル氏は、グローバルデータ(GlobalData)の調査を引用して、Z世代の40%がさまざまなライフステージにおいて自己表現の一形態として定期的に髪の色を変えることを選択していると述べている。さらに、OCAD大学の2020年のレポートでは、Z世代の73%が幸福で健康的な生活を送るためにはもっと多くの自己表現が必要であると考えていることが明らかになっている。

クレイロールは、売上の伸びのほかに、オンライン検索とウェブトラフィックの増加、ポジティブな顧客センチメントとTikTokエンゲージメントを促進する能力を基準にこのキャンペーンの成功を評価するという。

パンテル氏は次のように述べている。「自己表現の重要性は高まる一方だ。ヘアカラーは機能的であると同時に、強力なシグナルであり、その人の個性を反映するものであることを認識するのが重要だ。当社は、ブランドとして、(消費者の声に)耳を傾けて学び、関連性を維持し続けなければならない」。

[原文:Clairol refreshes hair-dye approach with first global campaign in 5 years

EMMA SANDLER(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)

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