VAIOから登場している900gを下回るボディに高速SSDや各種接続インターフェースを搭載しまくったノートPC「VAIO SX12(2020年10月発売モデル)」を使い始めてから約3カ月が経過しました。長期間使い続けたことで当初のレビューとは異なる使い勝手や、細かい気配りなどが実感できたので、キーボードやバッテリーなどのカテゴリごとにVAIO SX12の良い点や気になる点をまとめてみました。
VAIO SX12 12.5型ワイド | VAIO|VAIO公式 オンラインストア|VAIO STORE
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VAIO SX12の2020年10月発売モデルは、900gを下回るボディに「12.5型のフルHDディスプレイ」「SDカードスロットHDMI端子・有線LAN端子・VGA端子などの各種接続インターフェース」などを詰め込んだノートPCです。編集部では、VAIO SX12のCPUを「Core i7-1065G7」、メモリを16GB、SSDを「第三世代ハイスピードSSD 512GB」にカスタマイズして購入し、2021年7月から日々の記事作成に使ってきました。購入時に外観の確認や各種ベンチマークで性能測定を行ったレビュー記事は、以下のリンク先で確認できます。
900gを下回る小型軽量ボディに高速SSDや大容量バッテリーを詰め込んだ「VAIO SX12」レビュー – GIGAZINE
今回は、上記の構成のVAIO SX12を3カ月使い続けたことで明らかになった細かな使い勝手について、以下のカテゴリごとにまとめてみました。
◆1:大きさ&重さ
◆2:キーボードの使い心地
◆3:CPUスペックやSSDの速度
◆4:バッテリー性能
◆5:豊富な接続インターフェース
◆6:まとめ
◆1:大きさ&重さ
VAIO SX12の寸法は、幅287.8mm×奥行き203.3mm×高さ18.0mmで、A4サイズ未満の大きさ。VAIO SX12の上にA4コピー用紙を置いてみると、コピー用紙をはみ出ない大きさであることが分かります。
また、VAIO SX12の本体の重さは実測で893gで、付属のACアダプタと合わせた重さは1128gです。
この小型&軽量ボディのおかげで、片手でラクラク持ち運び可能。また、幅×奥行きがA4より小さいサイズなので、A4サイズの収納スペースが確保されているカバンなどにスッポリ入ります。
◆2:キーボードの使い心地
小型なノートPCでは、ファンクションキーが省略されたり、Ctrlキーが1つしか搭載されていなかったりと、キーボードの使い勝手が犠牲になっている部分が出てきます。しかし、VAIO SX12ではCtrlキーとAltキーが左右両方に配置され、ファンクションキーも数字キーの上段に配置されているので、キーの不足を感じることはありませんでした。
また、キーは幅が約15mmのノートPCとして標準的なサイズで、キーピッチも約3.5mm確保されており、文字入力において窮屈さを感じることはありませんでした。
ただ、上下左右の方向キーは小さめなので、慣れるまでは方向キーの打ち間違えが多発しました。加えてVAIO SX12のキーストローク(キーが沈み込む深さ)は約1.2mmで、以前使っていたLet’snoteシリーズと比べて浅めに設計されており、使い始めた当初は内心地の違いに違和感を感じました。しかし、これらの違和感は数週間使い続けることで慣れたので、3カ月経過時点では快適なタイピングが可能になっています。
VAIO SX12は画面を開くとキーボードが手前に向かって傾斜する構造が採用されています。この構造によって、「ノートPC端に手首が当たり、手首に負担がかかる」という事態が避けられ、3カ月使い続けても手首に痛みを感じることはほとんどありませんでした。
以下の画像は、VAIO SX12に高い負荷をかけた際の温度分布をサーマルカメラ「FLIR ONE Pro」で撮影したものです。高負荷時でもキーボード部分は33度ほど。使用していて「キーボードが熱い」と感じることはありませんでした。
VAIO SX12には、キーボードバックライトが搭載されており、暗い環境でもキーボードを視認しながら文字入力が可能なのもうれしいポイント。
しかし、少しでもバッテリー消費を減らすために設定アプリ「VAIOの設定」でバッテリー駆動時はキーボードバックライトが点灯しないように設定しています。また、「VAIOの設定」では一部のキーの割り当てを変更可能なので、Caps LockキーをCtrlキーに入れ替えてホームポジションから手を大きく動かさずにCtrlキーを入力できるようにカスタマイズしています。
◆3:CPUスペックやSSDの速度
上述の通り、VAIO SX12は公式ストアでCPUを「Core i7-1065G7」、メモリを16GB、SSDを「第三世代ハイスピードSSD 512GB」にカスタマイズして購入しています。購入当初にベンチマークソフト「PassMark PerformanceTest」を実行した結果、総合スコアは3981で、2019年に登場した12.1型ノートPC「レッツノートCF-SV8」を大きく上回る結果が得られました。
実際に3カ月間使ってみたところ、CPUの性能の高さや十分なメモリ容量によって、「デジタルカメラで撮影した大量の写真をPhotoshopなどで編集」といったCPU性能やメモリ容量を求められる作業でもストレスを感じることなくサクサクと実行可能。さらに、高速SSDによって「Photoshopの起動」「大量の写真データのコピー」といった作業もスムーズに実行できます。例えば大量の写真データを含む11.1GBのフォルダーの場合、17.8秒でコピーできます。
◆4:バッテリー性能
VAIO SX12の購入当初に音量を「60」、明るさを「40」に設定し、Microsoft EdgeでYouTubeのムービーを720pに設定して全画面表示させた状態で放置してみたところ、動画を約8時間再生し続けられるという結果が得られていました。
「VAIO SX12」のバッテリー駆動時間を検証してみた – YouTube
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しかし、テキストエディタや画像編集ソフトの使用、素材のアップロードやダウンロードといった作業を行った場合、バッテリーが残り10%に到達するまではわずか4時間弱でした。一方で充電速度は高速で、バッテリー残量10%の状態から1時間充電すればバッテリー残量を70%まで回復させることが可能。「出張時にも1日中充電要らずで作業可能」というわけにはいきませんが、席にコンセントが設置されているカフェを利用したり自動車で移動中に充電することで「バッテリー切れで作業不可」という状況は避けられています。
◆5:豊富な接続インターフェース
VAIO SX12に搭載された接続インターフェースはこんな感じ。左側面には電源入力端子・USB Type-A端子×2・ヘッドホン出力端子が搭載され……
右側面には、SDカードスロット・USB Type-A端子・USB Type-C端子・HDMI端子・有線LAN端子・VGA端子が搭載されています。小型ノートPCでは、有線LANやHDMIなどの接続インターフェースが省かれがちですが、VAIO SX12には豊富な接続インターフェースが搭載されているため変換アダプタを用意する必要がありません。特に、デジカメの場合は保存媒体がSDカードのケースが多いので、SDカードスロットが本体内蔵ですぐに使えるのは非常に助かっているポイント。
ただ、薄型ボディを実現するために有線LAN端子は「画面を開いた時にキーボードの奥側が浮いた状態」でしか挿入できない設計で……
有線LANケーブルを挿入した状態で画面を閉じてしまうと、ケーブルや端子に負荷がかかってしまうので、画面を閉じる際には毎回有線LANケーブルを抜く必要があります。無線LAN環境が整っておらず有線LAN接続を多用する環境で作業する場合は不便に感じそうです。
◆6:まとめ
実際にVAIO SX12を3カ月間使ってみたところ、持ち運びが容易な小型軽量ボディに加えて、打ちやすさが確保されたキーボードや高速なストレージ、高性能なCPUによってストレスを感じることなく記事作成に使うことができました。また、キーボードの入れ替え設定が標準機能として用意されていたり、キーボードバックライトが搭載されていたり、SDカードスロットが搭載されていたりと、かゆいところに手が届く機能が多く搭載されているのも評価できるポイントです。
ただ、記事作成に使うとバッテリーが4時間弱しか持続しないので、外で使う際はACアダプタの持ち運びがほぼ必須。ACアダプタとボディは合計1128gなので持ち運びは苦になりませんが、長時間の作業のためには何らかの形で電源の補助が必須となるのは、残念なところでした。
VAIO SX12の2020年10月発売モデルは標準構成の通常価格が17万2480円で、公式オンラインストアなどで入手できます。
スペック選択|VAIO公式 オンラインストア|VAIO STORE
https://store.vaio.com/shop/goods/cto.aspx?goods=V0008701
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