五輪閉幕の裏で内閣支持率最低に – 猪野 亨

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 東京オリンピックが閉幕しました。

 バッハ会長をはじめIOCの利権といい、コロナの感染拡大といい、最低最悪のオリンピックでした。それでもまだ札幌市や財界などは札幌冬季オリンピックを招致したいという気持ちなんだろうか。本当にやめて欲しいと思います。

 さて、そのオリンピックですが、朝日新聞の世論調査によると開催して良かったが56%だそうです。

内閣支持率28% 発足後最低を更新 朝日新聞世論調査」(朝日新聞2021年8月8日)
「菅内閣の支持率は28%と昨年9月の発足以降、初めて3割を切った。不支持率は53%。東京五輪開幕直前の7月調査の支持31%、不支持49%からいずれも悪化した。五輪開催は「よかった」が56%、「よくなかった」は32%だった。」

 安心安全の大会ができたかどうかについては、できたが32%であるにも関わらず(できなかったが54%)、それでも開催がよかったが56%というのは、やったもん勝ちということなのでしょう。

 批判は強くてもやってしまえば批判は押さえ込めるという菅総理の目論見は当たりました。

 そんなものです。やってしまった以上、後からそれを批判し、支持率に影響することはないだろうということは開催前から想像がついていました。

 私もこの世論調査結果はやっぱりだと思っています。政権に何かの不祥事があろうと、一定時間が過ぎ去れば忘れてくれる、というのは安倍政権以来の「世論」だからです。実際に開催してしまったものをオリンピックに関する明白な不祥事がない限り、やってしまったものに対して後から影響を及ぼすことがないだろうということは日本社会の中で普通にあります。

東京オリンピック開催の意義を一般論で語られても… 子どもたちの部活動中止は説明できない「大人の都合」

 またやって良かったということの背景には日本の選手によるメダル獲得が最多となったことも影響しているでしょう。


2021年7月31日撮影

 とはいえ、菅内閣の支持率は最低を記録しました。メダルラッシュも政権浮揚に全く結びついていないのは現在進行形でコロナ対策の失敗が続いているからです。

都内で50代接種進まず 5割未満14区 本紙23区調査」(産経新聞2021年8月7日)
札幌市ワクチン集団接種 今月中に40~50代も開始へ 北海道の新規感染は10日連続200人超」(HTB2021年8月7日)

 既に40代、50代でもワクチン接種が終わっている方は少なからずいます。しかし、現実には普通に予約を取ろうとしても電話での予約はつながりません。熾烈な競争になっています。ここに不平等感が生じています。

 北海道内でいえば札幌市は不足し、規模の小さいな町村では若年者に回しています。行政(国)の不手際ばかりが目につきます。菅政権に対する不満が高まるのは当然です。

 話は戻りますが、やはりこのオリンピックは最低だったと思います。この日のために人生をかけて練習(特訓)を続けてきた選手たちですが、他方でコロナのために出場できなかったり諦めたりということがあったかと思います。

 日本の選手のメダルラッシュも日本国内だから有利に働いていることは否定できないでしょう。出場できなかった選手のことを思えば、単純に選手のための開催とは言えないと思います。

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