「我々が『信頼できる情報源』であると理解してほしい」:米 Yahoo のジョアナ・ランバート氏

DIGIDAY

米Yahooは、カジュアルな読者を課金してくれる熱狂的なファンに変えることで、自社のポートフォリオ全体におけるブランドの親和性を高めるというミッションに取り組んでいる。

Yahooの消費者部門責任者であるジョアナ・ランバート氏によると、この戦略のおかげで、同社は新しいメディアやコンテンツの種類、そして新たな革新的なパートナーシップを実験することになったという。米DIGIDAYのポッドキャストにおいて、彼女はショッパブル動画、オンラインでのスポーツベッティング関連のパートナーシップ、複数のブランドを横断するコンテンツ提供などを使ってユーザーを惹きつけ、月間有料ユーザー数9億人という目標を達成したいと述べた。

実際、彼女のチームの手持ちのカードは増えている。5月、ベライゾン・メディア(Verizon Media)はプライベートエクイティ企業のアポロ(Apollo)に50億ドル(約5485億円)で売却された。Yahooポートフォリオ(Yahoo portfolio)、テッククランチ(Techcrunch)、エンガジェット(Engadget)、イン・ザ・ノウ(In The Know)などを含む一連のメディアブランドを抱えるベライゾン・メディアは、Yahooに社名変更されることになる。この契約はまだ締結されていないため、ランバート氏はこれについて多くを語らなかったが、ベライゾンはこの新しいYahooの残り10%の出資者として残り、イノベーションの大きな焦点となっている5Gプロジェクトのパートナーであり続けると述べた。

以下、ポッドキャスト音源と、読みやすさのために若干の編集を加えた会話のハイライトだ。

Yahooメール、Z世代にニュースレターのチャンスを見出す

特にここ数年におけるニュースレターの復活は興味深い。特にZ世代のカテゴリーでは、大きな成長が見られており、ニュースレター「ザ・ヨーデル(The Yodel)」の1周年を祝ったほどだ。ザ・ヨーデルは、自社コンテンツだけでなくパートナーのコンテンツも含めた我々のすべてのプラットフォームからもっとも優れたコンテンツを寄り集め、この新しいオーディエンスに向けてプッシュする仕組みだ。

Z世代はニュースレターで本当にエンゲージメントを持っている。その日のニュースを迅速に要約し、何が起きているかを常に知るための素晴らしい方法だと思う。これは素晴らしい顧客体験であり、ニュースレターに対して広告主からの関心がますます高まっている。

読者を有料ユーザーに変える

毎日、Yahooファンタジースポーツ(Yahoo Fantasy Sports:実在のスポーツ選手のデータを利用し、架空のスポーツチームを構成して競わせるシミュレーションゲーム)をプレイするユーザーと、スポーツベッティングには非常に強い親和性があるが、面白いのは、我々のスポーツ関連のメディアの外でもベッティングユーザーを獲得できていることだ。我々が獲得したベッティングユーザーの約20%〜25%は、Yahooスポーツ(Yahoo Sports)やYahooファンタジースポーツ以外からの流入だ。Yahooスポーツをまだ発見していないYahooメールのユーザーや、Yahooファイナンス(Yahoo Finance)ユーザーの存在も大きく、その層からもユーザーの獲得に成功している。

これを実現できたのは、この1年ほどのあいだに、プラットフォームのパーソナライズ機能を大幅に強化してきたからだ。ユーザーが投資に興味を持っていて、Yahooファイナンスでポートフォリオを管理しているからYahooファイナンスのサービスを毎日提供するだけでなく、もしスポーツにも興味を持っているなら、スポーツ分野でもサービスを提供したい。あるいは、ライフスタイルに興味があり、Yahooライフ(Yahoo Life)を見たいと思っているかもしれない。我々がパーソナライズされたプラットフォームをユーザーにできるようになったことで、オーディエンスが情熱を持っているあらゆるジャンルのコンテンツをよりよく提供できるようになっただけでなく、プラットフォームのほかの部分、たとえばベッティング分野の顧客を見つけてサービスを提供できるようになった。

読者は価値に対してお金を支払う

サブスクリプション事業は、特にYahooファンタジー・プラス(Yahoo Fantasy Plus)やテッククランチのエクストラ・クランチ(Extra Crunch)、Yahooファイナンス・プラス(Yahoo Finance Plus)などの熱狂的なファンのためのものだ。サブスクリプションに追加で料金を払って参加することにもっとも興味を持っているのは、エンゲージメントが高いユーザーだ。必ずしもオーディエンスの層によるものではない。

(サブスクリプションを購読する)Z世代は多く、特にエクストラ・クランチやYahooファンタジー・プラスに多いが、それでも本質的には(サブスクリプション購読する人々は)我々がサービスを提供しているすべての世代をまたがってグラデーションになっている状態だ。我々のプラットフォーム全体を見ると、世帯収入という点から非常に多様な視聴者にサービスを提供しているが、必ずしも、高収入がサブスクリプションの購入にもっとも関連性を見せているわけではない。ユーザーが価値を見出すことができれば、我々のプラットフォーム上で何かを購入したり、サブスクリプションに購読することに価値を見出したならば、我々が信頼できる情報源であることを理解し、購入するだろう。

[原文:How Yahoo is experimenting with platforms and partnerships to grow its audience

KAYLEIGH BARBER(翻訳:塚本 紺、編集:分島翔平)

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