Z 世代 の理念を反映したYSLボーテ、アンバサダーをさらに強化:ポップスター、トロイ・シヴァン氏が就任

DIGIDAY

イブ・サンローラン・ボーテがZ世代に向けて発表した「ニューコレクション(NU Collection)」。6月23日、さらにアンバサダーにトロイ・シヴァン氏(ポップスター)が仲間入りした。YSLボーテは、メイクアップ領域に男性のアンバサダーを起用した米ブランドとして、群を抜く存在といえる。

Glossyは昨年夏、イブ・サンローラン・ボーテ(YSL Beauty)がZ世代に向けて発表した「ニューコレクション(NU Collection)」について取り上げた。このコレクションでは、肌の欠点を隠しつつも自然に見せることができる5つの製品を発表している。この記事では、ローンチに際して起用されたインフルエンサーの一人、リッキー・トンプソン氏にインタビューを行った。

そして6月23日、YSLボーテのアンバサダーにトロイ・シヴァン氏(ポップスター)が仲間入りした。ケイボン・ティボドー氏(フットボール選手)が2月にスターフェイス(Starface)と契約し、ハリー・スタイルズ氏(歌手、俳優)、マシン・ガン・ケリー(ラッパー、俳優)、リル・ヨッティ(ラッパー)が男性用ネイルブランドを手掛けるなど、美容領域で男性の存在感は増す一方だが、メイクアップについては同じような速度で追いついてはいない。そんななかでYSLボーテは、メイクアップ領域に男性のアンバサダーを起用した米ブランドとして、群を抜く存在といえる。

同ブランドは常にセレブリティーのアンバサダーを前面に押し出してきた。過去数年間を例に挙げると、デュア・リパ(シンガー)、ゾーイ・クラヴィッツ(女優、モデル)、レニー・クラヴィッツ(シンガーソングライター)、アダム・レヴィーン(シンガーソングライター)、バービー・フェレイラ(女優)、カイア・ガーバー(モデル)、インディア・ムーア(女優、モデル)などを起用している。「アンバサダーたちは人々とのつながりを築き、個人的なレベルで深いインスピレーションを与えることができる。トロイはまさにこれらのことを、音楽や演技(あるいはTikTok動画)を通じて行っており、創造性の自由や表現という当ブランドのコアバリューと一致している」と語るのは、YSLボーテの米国担当ゼネラルマネージャーであるレティシア・ラウスト氏だ。

シヴァン氏はバービー・フェレイラやインディア・ムーアなど米国のアンバサダーたちと共に、「個性と現代性を称える」ことになる。3名のアンバサダーについて、ラウスト氏はこのように語る。「彼らの率直な姿勢は、従来からの美の基準を見直して新しいアメリカのエッジを再定義するというブランドの前向きなビジョンを強化するものだ。彼らがZ世代やそれ以降の世代に愛されるアイコンであるのは、単に有名だからという理由だけではない。彼らが支持する考え方、そして価値観を自在に表現することの影響によるものだ」。

ラウスト氏によると、YSLはミレニアル世代とZ世代に「ジェンダーにかかわらず」積極的にアプローチしているという。「Z世代は非常にデジタルに精通した世代であり、あらゆるものの美しさにかつてないほど高い関心を示す。そしてこれを後から追っているのが、ミレニアル世代だ」と同氏。「Z世代の道義を、大胆さ、コミュニティー、人々のつながり、ダイバーシティー&インクルージョンといった当ブランドの精神と融合させることを目指して、ニューコレクションは作られた」。

メイクアップブランドとの契約をシヴァン氏は想像していなかったと言うが、期待に胸を膨らませている。「(ファッションやメイクで)自分を表現することを、子どもの頃はとても怖いと思っていた。ゲイだと思われたくなかったからだ。そして今、自分はゲイで、このことについて本当に満足している」とシヴァン氏は語る。

「解き放たれてみて、自分自身を探求し試行錯誤を重ねるうちに、自分のなかにファッションや美容に対する深い愛があることを知った。そしてこれは長年の夢が実現したというのが、正直な気持ちだ。幼い頃は、秘密の夢のようなものだったと思う。しかし今は本当に、本当に感謝している。メイクアップをいろいろと使ってみてドレスアップする、なんて楽しい仕事だろう、と」。試行錯誤しながら習得するプロセスを、同氏は「クローゼット(性的指向を公表しない状態)として育つことで背負ってきた荷」を克服する「ハードル」と呼ぶ。

シヴァン氏は、自身のつややかに輝く鮮やかな赤いリップにスポットが当たって始まる「Bloom」のミュージックビデオが、ターニングポイントだったと振り返る。「あの日は自分にとって、非常に重要な日だった。鏡に映る自分を見てとてもパワフルに感じ、そのことが怖くもなって、すくみ上ったのを覚えている」。

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これまで最高のメイクアップアーティストから学ぶことができたのは幸運だったと、同氏は語る。今では、日々のメイクアップに満足しているという。「YouTubeでメイクアップのチュートリアル動画をたくさん視聴し、試行錯誤を重ねてきた」と、スターも我々と同じなのだという一面を覗かせる。ローンチ以来初となる新製品「ニューリップ&チーク・バーミー・ティント(Nu Lip & Cheek Balmy Tint with Hyaluronic Acid)」を発表したばかりのニューコレクションは、まさにうってつけなのだという。「自分のメイクしているときは、何かを隠そうというのではなく、強調することで活力を得たり、自信を少しブーストするようにしている。これこそが、このキャンペーンとニューコレクションの好きなところだ」。

[原文:Exclusive: Troye Sivan joins YSL Beauty as ambassador

SARA SPRUCH-FEINER(翻訳:田崎亮子/編集:山岸祐加子)


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