コロナ禍で中止になっていた『Pokemon GO Fest(以下、GOフェス)』のリアルイベントが今年、ついにベルリン・シアトル・札幌の3都市で開催される運びとなった。スタートダッシュを切るベルリンの日程は7月1日(金)〜3日(日)の3日間。
例年どおり参加方法は「トレーナーが任意の1日を選んでチケットを購入する」というものなのだが、ノーマルチケットの価格はベルリンの場合24.99ユーロ(約3527円)。さらに早期入場などのオプションを付けると5000円以上の高額チケットとなる。
この件は現在わが国を襲う円安の影響も大きく、あまり裕福でない私などは考えただけで胸が苦しい。が……悩んだ末、私はベルリンへ飛んだ。「コロナ禍が明けたらリアル会場でGOフェスやりたい」ってずっと思ってたんだもの……!
・たった1つのルール
会場はベルリン中心部から南に位置する『ブリッツ庭園』という巨大な公園。公園を利用するには一般客でも入場料が必要だ。「新宿御苑みたいなところ」と言えばかなり近い気がする。
7月1日、午前8時半。『早期入場チケット』を持ったトレーナーでごった返す入場ゲート付近。ちなみにドイツは現在、屋外なら完全にマスク不要。
早くもトレードの交渉に精を出すトレーナーの姿が多数見られた。みんなこうやってリストを準備してるんだね! マメだね〜!
さて。多くのトレーナーが購入する『早期入場チケット』は「約1000円上乗せすることで2時間早くイベントを始められる」というものだが、手荷物チェックの遅さから行列はなかなか進まず。ようやく入場できたのはイベント開始15分後のことだった。
「15分くらいでカリカリするな」という意見もあるだろう。しかしこの問題は本イベントにおける ”絶対に忘れてはいけない唯一のルール” と深く関わっていたため、私はあえて「手荷物チェックはイベント開始前にやらんかいバカヤロー」と毒づかざるをえない。
私が本記事を書いているのは7月1日の夜。今後なにかしら修正が入る可能性はあるが、現時点でいえる “GOフェス2022唯一の絶対ルール” はズバリ……
「1時間に1度、約2分間だけアンノーンが大発生するから命がけで獲る」こと!
この現象は事前にアナウンスされておらず、何度か繰り返すことでトレーナーたちが学習していったものだ。時刻が “00分” になった瞬間から、周囲のポケモンはほぼアンノーンだけになる。そこからアンノーンが消えるまでの約2分間が、本イベント最大のヤマ場と言っていい。
じっさい私はこのアンノーンタイムを7回こなし、計3匹の色違いをゲットした。過去にアンノーンレイドを戦ってきた猛者たちであれば、この確率がいかにアツいかお分かりだろう。「本気を出すのは1時間に1回、約2分間」! これだけ覚えておけば、あとは全部忘れてもOK!
なお早期入場チケットを所持していた私はアンノーンタイムを全9回こなせるハズだったが、入場待ちと事前情報なしのハンデにより最初の2回を逃してしまった。高いチケット代を取っている以上、入場の遅れは大問題。他会場ではこの問題が解消されることを願う。
・結果発表〜!
アンノーンの件さえクリアしておけば、その他とくに難しい注意点はない。
会場内は4つのエリアに分かれていて、それぞれ出現ポケモンが異なる。タスクをこなしつつ、目当てのポケモンがいるエリアを周回すればOKだ。
サポートスタッフの方が会場内に多数配置されているので、道に迷ったら遠慮なく助けてもらおう。
日本は猛暑だと聞くが、この日のベルリンは気持ちの良いそよ風が吹いている。控えめにも「史上最高のフェス日和」と言えるだろう。
あとは各自、イベントブースで楽しむもよし。
物販に並ぶもよし。
ピカチュウやイーブイとふれ合うもよし。
現地トレーナーと交流を深めるもよし。
私はもちろん「全力で捕獲」の一択! お目当てはこの日が初登場の『色違いバオップ』だ。バオップが登場する『溶岩台地』エリアはさほど広くないため、焦らずゆ〜っくり周回する。結果は……
9時間で色違い40匹!
……自分で言うのもなんだが、なかなか質が悪くない40匹なのではないだろうか。先ほどお伝えしたとおりアンノーン3匹に、この日から実装の「カウボーイハットをかぶったカビゴン」が2匹。さらにタマゲタケ、ヘイガニ、ドンメルやピカチュウも地味に嬉しい。
そして何より、大本命の色違いバオップが4体ゲットできたのは「完全勝利」と言うほかないだろう。周囲を見渡すと「1匹もゲットできなかった」と嘆くトレーナーも多数。最低でも1匹ゲットするまで、各自全力でバオップを追ってくれ!
・今日だけドヤらせて
この日のために何十万円もかけて来た身の上として、最も恐れていたのは、自分が「来るんじゃなかった」と感じてしまうこと。同じく日本からやってきたガチ勢たちと励まし合い、最後まで笑顔で乗り切ることができた私は本当に幸運だったと思う。ベルリンありがとう、マジで!
ちなみに会場内にはドイツらしく、ホットドッグやプレッツェルを売る屋台が多数。
本来ならゆっくり座って味わいたいところなのだが……
私は9時間、一度も座ることなく歩き続けた。
ここまで頑張れた要因はもちろん「ドイツへ来といて失敗は許されない」という強い気持ち。それから何より “ベルリンの気候の素晴らしさ” が大きかったように思う。人はこれほど快適だと、1日じゅうだって歩いていられるのですね……。
イベント終了後は日本から来たトレーナー仲間とドイツビールで打ち上げ。近年は海外限定ポケモンの寿命が短い傾向にあり、これほど苦労してゲットした色違いバオップだって、早ければ1年後くらいには日本で出現するだろう。そんなとき、海外限定ポケモン勢は静かに涙を流すのだという。
「どうせそのうち出るんだから、なにも海外へ行かんでも」という意見はもっとも。しかし……これはロマンなんだ。いつか全員手に入れるものを、誰よりも早く手に入れる。我々はそういう性分なのだよ……ってことで今だけは、今日だけは全身全霊でドヤらせてください。
ワシ色違いバオップ持ってますねん!!!! みんなは持ってへんやろうけどね!!!!!
以上、ベルリンから最新情報をお伝えしました!
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24. / c2022 Niantic, Inc. c2022 Pokemon. c1995-2022 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.
ScreenShot:ポケモンGO (iOS)