会社行きたくねェェェエエエ! 朝から晩まで奴隷かよ。生きるって何だ? そんな諸君に朗報である。本日2022年5月20日の金曜ロードショーは『ショーシャンクの空に』だ。キターーーーー!
希望の本質が描かれる本作。見終わった後に勇気をもらえる社畜は私(中澤)だけではあるまい。希望はいいものだ。多分、最高のものだ。私は好きすぎて何度も見ているが、そんな本作を見た時、やってしまいがちなことをご紹介したい。
・「アレン・グリーン」をググりがち
約2時間20分ある本作は、冤罪事件で投獄されたアンディーが主役。そのため刑務所暮らしが中心に描かれるが、後半物語が大きく動いて美しいエンディングを迎える。その壮大な景色をバックに表示されるのが「IN MEMORY OF ALLEN GREENE(アレン・グリーンを偲んで)」の文字。
誰? 作中にアレンなんて人物出てこないので、すごく意味ありげに見えるこの一文。実は、監督の友達の名前らしい。映画の完成前に亡くなったそうだ。
・「フィガロの結婚」の歌詞をググりがち
持前の教養で刑務所内での地位を確立していくアンディー。物語中盤、そんなアンディーが看守の目を盗んで刑務所の放送で音楽を流す。ひどい毎日を一瞬忘れ空を見上げる囚人たちが印象的なシーンだ。その時、アンディーがかけている音楽がモーツァルトのオペラ『フィガロの結婚』の中の「手紙の二重唱」である。
イタリア語のため、囚人にも歌詞の意味は分からないのだが、それを聞いたアンディーの刑務所での相棒・レッドがこう独白する。「よほど美しい内容の歌なのだろう。豊かな歌声が我々の頭上に優しく響き渡った。美しい鳥が塀を消すかのようだった。短い間だったが皆が自由な気分を味わった」と。
そんなこと言われたら歌詞が気になるだろ。というわけで、調べてみたところ、この歌は浮気者の夫をニセの手紙で呼び出そうと企んでいる歌なのだとか。知らない方がいいこともある。
・Google Earthで「ジワタネホ」を見がち
この映画を見たら、行ってみたい場所1位に躍り出るのがメキシコのジワタネホだ。余生をジワタネホで過ごしたすぎてとりあえずGoogle Earthで確認してしまう。なんなら「ジワタネホ 治安」でググってみがち。まあ、映画のラストシーンのロケ地はジワタネホじゃなくてアメリカ領バージン諸島のセントクロイ島らしいけど。
・雨が降ってきたとき手を広げて全身で受けがち
普段は鬱陶しい雨も『ショーシャンクの空に』を見た後だと自由の象徴だ。激しく降れば降るほどに、シャツを脱いで手を広げ全身で自由を感じずにはいられない。
──自由の価値や希望の尊さを改めて教えてくれる『ショーシャンクの空に』。いまや説明するまでもない名作として知られる本作だが、実は地上波での放送は過去2回しかなく前回の放送は24年前だという。金曜ロードショーでは今晩が初めての放送だというから見逃せない。
最後に、吹き替え版の個人的な推しを言うと、ヘイウッドとエルモ・ブラッチ。元よりちょっとおバカで愛されキャラな江原正士ヘイウッドは見れば見るほど好きになるスルメタイプ。図書室で鼻歌を歌う頃にはみんな好きになってるに違いない。
そして、エルモ・ブラッチはキモさが良い。アンディーの冤罪の犯人なのだが、「ちょっとキモくしようとしすぎじゃないか?」と字幕版を見たら、元はもっとキモかったという私の中で伝説のキャラだ。
2度目、3度目の人はそういうところにも着目して見ても面白いかもしれないぞ。それでは、今晩、金曜ロードショーで自由と希望を噛み締めよう。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.