周囲で飛んでる蝶ネクタイみたいな妖精。これ、観客のアバターなんです。キャストにここまで、いやもっと近寄れるんです。
VRプラットフォームであれば、役者と一緒に舞台の中に立って、移り変わるドラマを間近で目撃できるイマーシブシアター(体験型演劇作品)、すなわち最先端の演劇スタイルにも積極的に取り組めるとわかりました。
そう思わせてくれたのが、VRChatでバーイベントを運営するピクシーネイル(@Pixie_Nail)が主催した、大規模コンセプトイベント「美女と野獣Day」です。フランス童話をベースとしたミュージカルの名作をVR空間内で再現するものでしたが、これが今までに体験したことがないくらい斬新でびっくり。
なにせ、魔法使いの手によって野獣アバターに姿を変えられてしまった王子や、家具アバターになった家来たちと話せるティータイムもプログラムに組み込まれていたのですから。
「うちの王子ったらほんとシャイなんだから! でもいま城に遊びにきている娘が気になってるらしいのよ。みんなが応援してモチベ上げてあげて!」「おっけー、のせてくる」といったように。
誰もが世界を作り上げる一人になっている
固定された観客席に座って演劇を見ることになるシーンもあれば、オーディエンスが自由に舞台上を歩いて、好きな角度から物語の進行を眺められるシーンもある。村人たちが野獣チームに夜襲をかけるシーンでは、みんなで松明を持って城に攻め上がる。
自分たちが舞台装置の1つとなって、演劇そのものを盛り上げていける。この事実にテンションも声もアガるというものです。
コストを考えると、リアルでは実現不可能な演出だって自由自在です。3DモデリングソフトのBlenderと、ゲームエンジンのUnityを知り尽くさねばならないというハードルの高さがありますが、想像した理想のコンテンツを、仮想ではあるけど現実と思えるほどリッチな体験ができるものへと昇華できる。夢が広がるじゃないですか。
メタバースというとNFT土地がどうのこうのという話を聞くことが多い昨今ですが、そういう投機のことはスルーして。自由な形の世界を作れるこの場所で、どんな表現ができるのかを前のめりに開発しまくっている最新世代のクリエイターの作品を見るためにもおいでませ、メタバースへ。
Source: ピクシーネイル