韓国で人口の2割が新型コロナ感染に至るも、これがピークなのか確信が持てない状況です。防疫措置はほとんど解除し多くのマスメディアから「無政府状態」と批判され、規制全廃したデンマークに似た推移をたどっており人口の5割感染があり得ます。22日の新規感染確定者は49万881人であり、人口が2.5倍ある日本なら1日120万人超えという途方もない数字です。これまで「K防疫」を自慢していた文在寅政権は強力なオミクロン株の前で任期末を迎えて全く無気力になり、国民もこれまでの法的に強いられた我慢から解き放たれて好き勝手を始めているようです。「ourworldindata.org」のグラフで経緯とこれからの行方を考えましょう。
団藤保晴
デンマークと韓国の人口100万人あたり週間新規感染の推移を比べると驚くほど似ています。デンマークは高原状のピークを2週間ほど継続し、収束して現時点で国民の5割が感染しました。欧米諸国は人口の2割前後感染で収束にむかっていますが、それなりの防疫措置はしています。韓国は昨年末から流行が続いているのに順次、規制緩和を拡大しました。大統領選を前にした政治的な思惑も言われます。デンマークの規制全廃は過去の流行に比べて重症者がずっと少ない点を根拠にして取られた措置ですが、韓国では多数の重症者発生が続いて既に医療現場の負担は限界とされます。医療専門家から厳しい批判が出ていますが、韓国政府は聞く耳を持ちません。
オミクロン株まん延で香港でも感染急増しました。収束過程を調べた香港大の研究チームが「実際の感染者は人口の5割に達している」と明らかにしています。
日本の場合は「まん延防止等重点措置」をようやく22日から解除しました。感染者の累計は人口の4.9%に止まります。第663回「韓国が新型コロナ発生主要国世界一、激増中」で触れているように《人口の2-3割までも感染が進まなくても収まっている国は昨年11月に書いた第658回「BCG特定株の接種国で新型コロナ深く沈静化」で取り上げた諸国です。BCG日本株接種国では累積感染者の人口比はフィリピン3.3%、サウジアラビア2.1%などとなっています》。