トークショップライブ は、ライブコマースの救世主なのか?:ウォルマートが提携した新興企業の魅力

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ウォルマート(Walmart)とライブストリームショッピングプラットフォームであるトークショップライブ(TalkShopLive)が結んだ提携により、ウォルマートの商品カタログすべてが、トークショップライブの動画コマースストリーミングテクノロジーにより1クリックでチェックアウトできるようになる。

ウォルマートがはじめてライブショッピングを採用したのは、1年前のアプリ内のTikTokホリデーショッピングイベントだ。それ以来、小売業者である同社はライブのショッピングイベントを行うためTwitterYouTubeFacebookなどのプラットフォームと提携してきた。さらに同社は独自のライブショッピングウェブサイトとしてWalmartshoplive.comも立ち上げ、過去1年間にわたって同社がライブショッピングに関して行った15以上の試みを集約させた。

ウォルマートのライブストリーミングへの投資は、どれだけ多くの小売業者が今でもこのメディアの可能性の評価を試みているかを示している。ハインツ(Heinz)、ペトコ(Petco)、パックサン(Pac-Sun)など異なる種類のブランドが過去1年間にライブストリーミングを試みているが、依然としてライブストリーミングに最適なソーシャルメディアプラットフォームははっきりとは決まっていない。結果として、各ブランドや小売業者は多種多様なウェブサイトで動画の公開を試みる一方で、オーディエンスを自社独自のウェブサイトに誘導しようともしている。

トークショップライブの魅力

トークショップライブは2018年に、ブライアン・ムーアとティナ・ムーアの兄弟によって設立された。この新興企業は今年の2月に、ベンチャーキャピタル企業のスペロベンチャーズ(Spero Ventures)から開業資金の300万ドル(約3.4億円)を調達した。

トークショップライブの共同創設者でCEOを務めるブライアン・ムーア氏は、同社がほかのライブストリーム競合会社と異なる点は、同社のプラットフォームの埋め込み可能な動画により、動画を見ながら1クリックで任意のサイトでの購入が可能なことだと語る。ソーシャルメディアプラットフォームでは一般に、ユーザーがアプリ内で購入する必要があり、クロスプラットフォームでの閲覧と購入は行えない。ライブストリームパートナーを使用したり、自社のライブストリームに投資したりしている、アルバートソンズ(Albertsons)ノードストローム(Nordstrom)などのほかの小売業者が使用するライブショッピングテクノロジーは、その会社独自のブランドのサイトでしか見られない。

理論的には、ウォルマートがトークショップライブのテクノロジーを使用して、単一のライブイベントでセレブリティとパブリッシングパートナーの両方と提携すれば、そのイベントをウォルマート、セレブリティ、パブリッシングパートナーの各ページと、TalkShop.liveのすべてで同時にブロードキャストできる。買い物客はどれでも自分たちに都合の良いプラットフォームで動画を見て、1クリックでショッピングを行える。

ウォルマートの挑戦の歴史

トークショップライブとの提携に先立ち、ウォルマートは今年のホリデーシーズンにライブストリーミングへの投資を強化し、有名シェフのレイチェル・レイによるペットフード配信からミュージシャンのジェイソン・デルーロが主催するサイバーマンデーセールまで、あらゆるものを開催していた。

ウォルマートのブランド担当バイスプレジデントを務めるキャシー・シュレイバー氏は、これらのイベントの具体的なコンバージョン率を明かすことをメールで明かさなかった。また同社はこれまで、どのイベントについても視聴回数を公開していない。しかし、最初のライブストリームである、昨年TikTokで行われたホリデーショッピングイベントについて、同社は「予測の7倍もの視聴回数を獲得し」、TikTokのフォロワーが25%も増加したと語っている。

シュレイバー氏は次のように述べている。「当社は買い物顧客が常に新しい場所、特にソーシャルメディアでインスピレーションを求め、より刹那的に買い物をすることを知っている。当社は動的で没入感のある環境にある特別な体験を提供しつづけ、顧客がそれを楽しみながらシームレスに買い物を行えるようにすることをめざしている」。

そのために同社はソーシャルメディアと、バイウィズ(Buywith)などライブショッピング専用のプラットフォームの両方と提携した。それにより同社はTwitterのライブストリームテックを最初に使用した企業となり、バイウィズではインフルエンサー主導のライブショッピングを行うことになった。同社は現在、トークショップライブで多数のサイト全体にわたって単一のイベントをストリーミングする能力を拡大中だ。

CVRは8〜10%、カート完了率は45%

トークショップライブのムーア氏は次のように述べている。「私は中国に2年間住み、アジアでライブストリーミングがはじまるのを見てきた。私は『米国で私のクライアント向けにライブストリームコマースを行う力があればいいのに。もっとも見た目は異なるものが必要だろう』と考えた」。ムーア氏は、アジアにおけるライブストリームコマースが早期に採用された理由は、アプリ内ショッピングへの嫌悪感がなかったためだとしている。「ここ米国では、タレント、クリエイター、インフルエンサー、ブランド、メディアと働いてきた経験から言うと、これらの人々はいずれも、自分たちの提供するものを体験するために顧客やオーディエンスが別のアプリをダウンロードすることを望まない」と同氏は述べている。「これらの人々は、自分たちの観客が現在いる場所で観客に応えるものを望んでいた」。

トークショップライブのプラットフォームにはすでに数千もの中小規模のオンラインビジネスやクリエイターが存在し、誰でもサインアップしてストリーミングを行える。同社は最近になって自社の出品者ベースにマイクロソフト(Microsoft)やベストバイ(Best Buy)とともに、スコッティ・ピッペン氏やオプラ・ウィンフリー氏を加えた。

ウォルマートはトークショップライブを、パブリッシャーやインフルエンサーとのクロスコラボレーションに使用している。公式パートナーシップの前に行われたトライアルストリームで、ウォルマートはトークショップライブのテックを使用して、たとえばIGNの「ショッパブル・ギフト・ガイド(Shoppable Gift Guide)」をプロモートするイベントを主催した。このストリームはウォルマート、トークショップ、IGNのすべてでブロードキャストされた。

ムーア氏は次のように述べている。「当社がウォルマートと働いた経験では、ウォルマートはパブリッシャーとの関係を築き上げようとしている。当社はウォルマートが各種のパブリッシングパートナーすべてとライブストリームを統合できるよう、シームレスに働く道具だ」。トークショップライブは、追加の広告キャンペーンやプロンプトなしでも、同社の動画はコンバージョン率が8%から10%で、カートに入れられた商品の購入率は45%だとしている。

現状を覆すことができるか?

ウォルマートのマルチプラットフォーム戦略で強調されるように、小売業者は依然として、米国の顧客がどこでライブショッピングを見ることを希望するのか、そもそも定期的に見るのかを模索している。ピュブリシス(Publicis)の最高コマース戦略責任者であるジェイソン・ゴールドバーグ氏は以前に米モダンリテールに対して、中国のタオバオ(Taobao)のような独占的地位にあるライブストリーミングのリーダーは米国には存在しないと語った。さらに、消費者はショッピング可能なエンターテイメントのために小売業者のサイトを訪問することにも慣れているとは限らないとも、同氏は付け加えている。

トークショップライブのムーア氏は、同社がその状況を変えられるかもしれないと考えている。「多くのライブコマースが結びつきに失敗したのは、メディアやパブリケーションの強力なパートナーとして働くことができなかったためだと思う。そして、人々が新しい行動を取るための大きな機会がここに存在すると考える」とムーア氏は述べている。

[原文:‘Connect the dots with publishers’: Walmart is doubling down on livestream shopping with a new TalkShopLive partnership]

Maile McCann(翻訳:ジェスコーポレーション 編集:長田真)

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