出会いを求めてマッチングアプリを利用する人が増えていますが、植物もパートナー探しにテクノロジーを駆使する時代がやってきたみたい。
ただ、こちらの方は「いい相手がいないかな」レベルではありません。探さないと絶滅しちゃうんです。
ソテツ、ピンチ
IFLSによると、パートナーを探しているのは、1895年に南アフリカのンゴイェ・フォレストで発見されたEncephalartos Woodii(エンセファラルトス・ウッディ)というソテツ類。
ソテツ類は3億年前から存在している地球最古の種子植物の一種ですが、このエンセファラルトス・ウッディは野生では絶滅しており、保護されているのが現存する1株のみ。しかも、雄株なんです。
雄株と雌株が交配することで繁殖するのに、雄株しかいないので絶滅一歩手前状態。植物園でクローンを作っているために完全なる絶滅にはなっていませんが、みんな雄株なので雌株の早期発見が望まれているわけ。
テックで雌株を探し出せ
そこで期待されているのがテクノロジーの力。研究者たちはドローンとAIを駆使して、雌株を探し始めました。ドローンには特定の植物の特徴を識別するマルチスペクトルカメラを搭載し、10,000エーカーという広大なンゴイェ・フォレストを効率的に探索できるようにしました。
その膨大な画像データは、研究チームがAIを使って分析。AIは画像を認識するアルゴリズムでエンセファラルトス・ウッディの雌株を見つけ出そうとしているのだそうです。
「生命は道を見つける」のか?
でも、テックを使っても雌株が見つからなかったら? というか、すでに雌株は絶滅してしまっていたらどうなるのでしょう?
研究者たちは、他のソテツ類が環境の変化によって性別を変えた例をあげ、エンセファラルトス・ウッディも雄株が雌株になる可能性を期待しているのだそう。
映画『ジュラシック・パーク』でも「生命は必ず道を見つける」と言っていますもんね。
3億年前といったら、恐竜が出現するより前。数々の天変地異を潜り抜けてきたことを考えたら、生きる知恵と底力を見せつけてくれそうな気がしますが、どうなのでしょうね。
Source: IFLS