KDDIは11月19日、富山県南砺市平(なんとし たいら)地域におけるドローン物資搬送の実証実験を11月25日に実施すると発表した。モバイル通信による遠隔監視、制御で目視外の自律飛行を実現するスマートドローンを活用する。
富山県の中山間地域では、急速な人口減少に伴う集落の空洞化や生活を支えるサービスの衰退などが住民の暮らしに深刻な影響を及ぼしており、地域社会の存続が危ぶまれている。特に、公共交通機関の縮小・撤退や、地域の卸売業・小売業者の減少により、将来的に日常生活を営む上で必要となる買い物が困難になる人が発生するおそれがある。
実証実験は、買い物困難者が日常で必要な日用品や食料品の配送を想定して実施する。南砺市平地域の下梨(しもなし)地区から祖山(そやま)地区へのドローンの飛行ルート設定および、離着陸地を選定するほか、ドローン飛行前の電波環境や支障物などの環境を調査する。
また、スマートドローンの目視外の自律飛行で、片道8km程度の飛行、最大3kgの物資の搬送を実証。効率的なドローン活用の有効性を検証するという。
最大30kgの積載量を可能、ペイロードなしで28分飛行できるプロドローン製「PD6BType3C」を使用する。
今回の実証実験は富山県からの業務委託となっており、「富山県中山間地域ドローン物流実証実験業務」の一環として実施する。
KDDIは結果を踏まえ、富山県とドローンを利活用したビジネスモデルを検討し、地元企業の活性化や住民のコミュニケーション活性化を推進していくという。