最初から答えをいってしまうが、ファミリーマートで「SPAM®むすび」が売れまくっているらしい。8月3日の発売開始から約1か月で400万個を突破。
これはファミマの定番商品「シーチキンマヨネーズ」「直巻 焼しゃけ」を抑えて8月月間売上ランキング1位の実績だという。まさか、ツートップのツナマヨとシャケが、ニューカマーにあっさり負けたというのか!?
・「SPAM®むすび」(税込248円)
スパムといえば、無差別かつ大量に送りつけられる迷惑メールの代表格……ではなく、米国ホーメルフーズ社のランチョンミート。いかにもアメリカンな缶詰肉だ。
そしてファミマの「SPAM®むすび」とは、その名のとおりSPAM®(以下スパム)をサンドイッチのように白米と海苔で挟んだおにぎり。
これは過去に亀沢記者が沖縄からレポートした、いわゆる「ポーク玉子おにぎり」ではないかと思う。現地ではコンビニ各社で手に入る一般的な商品のようだ。
沖縄のソウルフードが全国展開したということか? いったい、どこがそんなに人気なのか食べてみよう。
店頭でひときわ目を引く、青すぎるパッケージ。スパム缶をイメージしていることは明らか。通常、寒色は食欲を減退させるといわれ、おにぎりのパッケージになるのは珍しいのではないだろうか。100円台前半のおにぎりが並ぶ中で、税込248円という価格も異彩を放っている。
そして手に持つと、どっしりと重い! 量ってみると180gの重量級だった。
正確には具材はスパム、玉子焼き、ツナマヨ。シート状に薄~く焼いた玉子と、肉厚のスパムがサンドされている。
では食べてみよう。北日本育ちの筆者は、スパム自体が初めて。
1937年生まれのスパムは、日本では「株式会社沖縄ホーメル」のある沖縄県を中心に流通しており、全国で買えるようになったのはここ10年くらいのことらしい。ずいぶん南からやって来たなぁ。
ああ、塩味なんだ! ハムやベーコンのようなオイリーな味を想像していたけれど、ずっとシンプルで、どこか懐かしい風味。歯ごたえは軟らかく、たとえるなら魚肉ソーセージ。
てっきり店売りのジャンクフード的な位置づけなのかと思っていたら、むしろ素朴で家庭的な印象を受ける。お母さんが、あり合わせのもので作ってくれた おにぎり のような……。
そこにツナとマヨネーズが都会的なエッセンスをプラスしている。この組み合わせが嫌いな日本人はいないだろう。スパムの塩気に、マヨネーズの酸味……十分におかずになる!
ご飯は製造所によって微妙に違うかもしれないが、筆者が食べたものは油断すると崩れそうなくらいサラサラの炊き加減で、スパムに合っていた。
なるほど、いかにもローカルフード感があり、かつボリュームがあってクセになる!
思いのほか塩気が強く、スパムだけで食べると「しょっぱい」と感じるほどだが、おにぎりの具材としてはピッタリ。
筆者は間違っても人にスパムおにぎりを握ってもらった記憶はないし、アメリカにマムもいないはずなのだが、郷愁を誘うような無骨さが人気の秘訣とみた。
・沖縄県を除く全国のファミマで
これは単に「物珍しくて売れている」というレベルを超えて新定番になるかもしれない! SNS上では「自分でもよく握る」という声や、「ハワイを思い出す」という声もあった。
ちなみにこの商品、全国のファミリーマートで発売中だが、「沖縄県を除く」となっている。やはり本場では、独自の商品網があるようだ。沖縄を除く全国のみなさん、ぜひ1度ご賞味あれ!