犬は人間の失敗がわざとなのかどうかを見抜ける可能性

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by Josepha Erlacher

犬の尻尾をうっかり踏んでしまったことがある人は「わざとではないことを犬は分かってくれるのか」と不安になることもあるはず。ゲッティンゲン大学のブリッタ・シューネマン氏らの研究によると、犬は飼い主の行動がわざとなのか、そうではないのかを見分けられる可能性があることが示されています。

Dogs distinguish human intentional and unintentional action | Scientific Reports
https://www.nature.com/articles/s41598-021-94374-3

Dogs May Know When You Just Made A Mistake : Shots – Health News : NPR
https://www.npr.org/sections/health-shots/2021/09/01/1032841893/dog-human-mistake-study

シューネマン氏らは、犬が人の意図を理解できるかどうかを調べるために、犬とその飼い主51組を対象に実験を行いました。実験では、犬と飼い主の間にガラス製の仕切りを置き、飼い主に対し仕切りの隙間から犬にエサを与えるよう指示しましたが、そのうち数回はわざとエサを落とすように指示しました。

by Josepha Erlacher

隙間は狭かったため、飼い主がわざとエサを落とすこともあれば、誤ってエサを落としてしまうこともありました。いずれの場合も犬が仕切りを回り込んで餌を食べに来ることが多かったのですが、「わざと」落とした場合と「誤って」落とした場合で、犬の行動に違いが見られたとのこと。

以下の画像をクリックすると、飼い主が誤ってエサを落としてしまった際の犬の行動を動画で確認できます。犬はエサが落ちたことを確認した後、一瞬のためらいを見せるものの、すぐに仕切りを回り込んで餌を食べに来ます。

by Judith Keller

今度は飼い主がわざとエサを落としたときの様子。画像をクリックすると動画で確認できます。飼い主はエサをあげるそぶりを見せて、そのままわざとエサを床に落とし、犬から体を背けます。すると犬は飼い主が誤ってエサを落としたときと違い、5秒ほどじっと立ち止まってから仕切りを回り込みました。

by Judith Keller

この実験を51組全てに行ったところ、飼い主がわざとエサを落とした場合に犬がその場にとどまる時間は、飼い主が誤ってエサを落とした場合よりも平均して1.3倍長かったとのこと。また、飼い主がエサを落とした場合に「ふせ」あるいは「おすわり」を行った犬は全部で13匹で、「ふせ」「おすわり」を行った回数のうち65%がわざとエサを落とした場合、12%が誤ってエサを落とした場合と、わざとエサを落とした場合の方が5倍以上多いという結果になりました。

シューネマン氏らは「犬は常に私たちを注意深く見ているため、行動の微妙な違いに非常に敏感です。犬は飼い主が何をしようとしていたのか、また何かに失敗したことも理解しているようです」と述べました。

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2021年09月03日 22時00分00秒 in サイエンス,   生き物, Posted by log1p_kr

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