まるで火星人のような深海イカ「ミズヒキイカ」の生きた成体の映像が公開中

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アメリカ海洋大気庁(NOAA)が2021年11月12日に、深海性のイカである「ミズヒキイカ」が遊泳している様子を捉えた映像を公開しました。ミズヒキイカは、世界的に見ても十数例しか目撃例がない非常に珍しいイカで、6メートル以上にもなる全長の大半を占める長い足や大きなヒレを備えた半透明の体、肘のように見える曲がった足などの特異な外見から「異世界にいるようなイカ」「まるでエイリアン」と評されており、今回公開された映像にはその姿が鮮明に収められています。

Bigfin Squid: Windows to the Deep 2021: Southeast U.S. ROV and Mapping: NOAA Ocean Exploration
https://oceanexplorer.noaa.gov/okeanos/explorations/ex2107/features/bigfin-squid/bigfin-squid.html

Eerie video captures elusive, alien-like squid gliding in the Gulf of Mexico | Live Science
https://www.livescience.com/bigfin-squid-spotted-on-noaa-expedition-video

‘Otherwordly’ bigfin squid that can grow longer than 20-feet spotted in the Gulf of Mexico | Daily Mail Online
https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-10208373/Otherwordly-bigfin-squid-grow-longer-20-feet-spotted-Gulf-Mexico.html

NOAAが公開したミズヒキイカの映像は、以下から見ることができます。

A Rare Bigfin Squid Captured By NOAA – YouTube
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NOAAの海洋調査チームは、海底の測量や生態系の研究を目的にした深海探査プロジェクト「Windows to the Deep 2021」の一環として、メキシコ湾の海底を調査している最中に、無人潜水機のカメラの前を青白い触手のようなものが横切ったことに気づきました。


急いで追いかけたところ、ミズヒキイカだということがわかりました。ミズヒキイカの目撃例の中には、水深4735メートルでの記録もありますが、今回は水深2385メートルの地点を泳いでいたそうです。


ミズヒキイカの最大の特長は、体の20倍に達することもある足の長さと……


足の折れ曲がった部分です。


ミズヒキイカは目撃例が少ないため生態や食性は謎に包まれています。


研究チームによると、8本の長い足やほぼ同じ長さの触腕2本を引きずって海底に住む生き物を捕らえて食べているか、足にぶつかった生き物を捕食していると推測されているとのこと。


研究チームが見守る中、ミズヒキイカは長い足をくねらせながら深海に消えていきました。


NOAAは発表声明の中で「これまで、ミズヒキイカは3種類確認されていますが、ほかにもたくさんいると思われます。目撃されるたびに、このとらえどころのない不思議な生き物についての新しい発見がありますが、まだまだわからないことだらけです。深海へのアクセスが増えれば、ミズヒキイカが見られる機会も増えて、その生態や行動も少しずつ明らかになっていくことでしょう」とコメントしました。

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