ポルノ閲覧時に「身分証の提示」を義務づける法律がアメリカで制定される

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ポルノコンテンツを扱うほとんどのサイトでは、年齢が一定以上かを尋ねたり生年月日を入力させたりしていますが、確認まではしていないので未成年でも簡単に年齢を偽ることができてしまいます。そこで、アメリカのルイジアナ州では、ポルノサイトを閲覧する際に運転免許証などの身分証を提示しなければならないようにする法律が制定されました。

Watching porn now requires age verification in La. because of new law
https://www.wafb.com/2022/12/28/watching-porn-now-requires-age-verification-la-because-new-law/

Pornhub requires ID from Louisiana users to comply with state’s new porn law | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2023/01/no-porn-without-id-louisiana-law-forces-porn-sites-to-verify-users-ages/

2022年6月に法案第142号(HB142)としてルイジアナ州議会を通過し、2023年1月1月から発効した(PDFファイル)州法第440号(Act 440)が他の規制法と一線を画しているのは、単に18歳未満の子どもにポルノを見せないようにするだけでなく、子どもに容易にポルノを供給してしまうウェブサイトの責任を追及しているという点です。


この法律により、ルイジアナ州の住民がポルノサイトを閲覧するには身分証の提示が必須になりました。もし、ポルノサイトが身分証の確認を怠った場合、サイト側は民事訴訟で責任を問われる可能性に直面します。

新法の制定を主導したルイジアナ州下院議員であるローリー・シュレーゲル氏は、地元テレビ局・WAFB Channel 9の取材に対して「ポルノは私たちの子どもを破壊しており、子どもはインターネットで何の制限もなくポルノにアクセスできてしまいます。ですから、ポルノ企業が責任を負わないのであれば、私たちが進んで彼らに責任を負わせなければならないと思いました」と話しました。

IT系ニュースサイトのArs Technicaが、VPNを使用してルイジアナ州のインターネットユーザーを装いつつ、ポルノ動画サイトのPornhubにアクセスしてみた結果が以下。「ルイジアナ州の法律により、ルイジアナ州から当サイトに接続するユーザーに対して、年齢を確認するプロセスを設けることが義務付けられました。Pornhubコミュニティのプライバシーと安全性を最優先に考えて、皆様のご協力をお願いいたします」と丁寧に案内する文面が記載されています。


Ars Technicaが年齢確認用のボタンをクリックすると、「AllpassTrust」という年齢確認サービスでアカウントを新規作成するよう求められました。そして、アカウントを作成すると今度はルイジアナ州政府が作ったアプリである「LA Wallet」で年齢を確認するよう促されたとのこと。

LA Walletは、iOSとAndroid向けに無料で配布されているデジタル運転免許証アプリで、使用すると警察による照会の際などに物理的な免許証の代わりに提示できます。

LA Walletを開発したEnvocのプロジェクトマネージャーであるサラ・ケリー氏は、WAFB Channel 9に「このアプリは、ルイジアナ州の運転免許証や身分証明書を持っている人には必携のアプリだと言えるでしょう。このアプリで年齢確認しても、生年月日やルイジアナ州のどこに住んでいるのかといった情報が特定されることはありません。ただ年齢を確認して、サイトに入れるかどうか判断するだけです」と話しました。なお、ケリー氏によると運転免許証を持たない人でも年齢確認をする方法は用意されているとのこと。

Ars Technicaは、YouPornやRedtubeなどPornhub以外のポルノサイトでも、ルイジアナ州からアクセスするとLA Walletでの年齢確認が必要なことを確認しました。一方XVIDEOSやxHamsterなど、ルイジアナ州からアクセスしても確認を求められないサイトもあったと、海外メディアのVICEは報告しています

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