いいことがあったり、仕事で脳を使ったり、単に魔が差したりしたとき、ささやかながらケーキをいくつか買って帰ることがあります。
そのときは、たいてい上のような形の箱に入れてくれます。この箱を見ると、中身のケーキが見えているわけでもないのに、なんとも幸せな気分になりませんか。
が、ケーキという、か弱きオブジェクトを運ぶコンテナが、このようなこれまた繊細な構造の、しかも紙の入れ物に入っているのは、よく考えたらかなりの危うさではないか。そう思い始めたらむずかゆくなってきたので、なんとかしてみよう。
※2007年6月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
めったにない、マンガみたいな場面ですが
例えば、ケーキを運ぶ者ならば誰しも一度は頭によぎる、凄惨な事故。
ケーキ箱を、うっかりイスの上に置いて、そのまま忘れてしまったとしよう。
生まれてから今まで、こんなアクシデントは正直ただの一度もありません。ありませんが、想像するだに恐ろしい出来事である。夢に出そうだ。
この世からこんな悲しい事故をなくすことはできないものだろうか。人類はこの試練を乗り越えられる能力を備えているはずである。
そう考えた私は、さっそく材料を調達しに走った。
紙の対極は鉄かな、と
鉄板、蝶番、それと金属切りハサミを買ってきた。めちゃくちゃソリッドにケーキ箱を作ってみたい。鉄という素材を選んだのには理由が・・・特にはない。「やっぱ鉄かな」ってとこで。
あ、いや、嘘。理由あったわ。
扱いやすいということではアルミニウムも考えたのだが、それだとハンダ付けには向かないのだ。なぜ接合を接着剤ではなくハンダ付けにするのか、には理由が・・・これまた特にない。ハンダ付け、ほら、したいじゃないですか。
こうなると、あとは接合するだけ。形が見えてきたので、がぜん楽しくなってきた。もう真夜中を回っているが、換気扇を回してハンダ付けに入ります。
蝶番を計算に入れたつもりが
可動部には蝶番を付けることにしたのだが、ネジ穴を切るのも面倒なので、一気に蝶番ごとハンダ付けしてしまおう。
ハンダ付けしたあと動かしてみたりして、位置など調節しながらコツコツがんばっていたのだが。
そもそも型を写し取るときに、蝶番の分の遊びを配慮していなかったので、問題がいろいろ出てきてしまった。もとは紙なのに、そのまま鉄に写し取って一気に作ろうとしたからだね。ちゃんと一度設計してからでないとね、あははは。
まあ、微調整が命だ、こういうものは。
いったんハンダ付けを外して、板を削って大きさを測りつつ、なんとか出来上がったのがこちらだ。
なんだかラーメン運ぶオカモチのようにも見えるが、メカ・ケーキ箱、ないしはケーキ箱ロボの完成だ。メタルケーキ箱とも言おうか・・・もういいか。
都合で蝶番が足りず(2個で180円近くするし在庫もなかった)、スキマが多い箱となってしまったが、通気性を考慮したという見方もできる。
このメカ仕様の箱なら、うっかりその上に腰掛けてしまったとしても・・・。
敵(私です)のほうがダメージが大きいのだ。
防御性能は確認した。次に乗員の安全を確認しよう。
ケーキとメカ箱の相対するテクスチャ感覚を楽しめればいいや、と思って始めた工作だったが、もっとバージョンアップしてみたくなった。自動開閉したり、3体合体したり、地対空ランチャー取り付けたりしたい。