2021年7月23日~8月8日にかけて開催された東京オリンピックの開会式は、アメリカにおいて過去6回の夏季五輪の中で最低水準の視聴者数を記録したことが報じられています。一方で、コンテンツデリバリネットワーク(CDN)サービスを展開するAkamaiは、東京オリンピック関連のトラフィックが2016年に開催されたリオデジャネイロオリンピックの約2倍に達したことを報告しています。
Tokyo Streaming Traffic Runs Rings Around Rio – The Akamai Blog
https://blogs.akamai.com/2021/08/tokyo-streaming-traffic-runs-rings-around-rio.html
ビデオリサーチの調査では、2021年7月23日に実施された東京オリンピックの開会式の平均視聴率は、関東地区で56.4%、関西地区で49.6%という高い割合を記録したことが明らかになっています。一方で、アメリカの大手放送事業者・NBCの集計では開会式のテレビ放送・インターネット配信の合計視聴者数が1700万人で、2000年に開催されたシドニーオリンピック以来の夏季五輪で最も少ない視聴者数を記録したことも判明していました。
「東京2020オリンピック」開会式のNBCでの視聴者数は過去6回の夏季五輪中継で最低水準だったことが判明 – GIGAZINE
今回Akamaiが報告したのは、Akamai提供するCDNサービス上で配信された東京オリンピック関連のトラフィックの測定結果です。報告によると、東京オリンピック期間中の平均ピークトラフィックは8.3Tbpsに達し、前回にあたるリオデジャネイロオリンピックの記録(3Tbps)を大きく上回ったとのこと。また、リオデジャネイロオリンピックではオリンピック関連のムービーが合計2億3400万時間再生されましたが、東京オリンピックでは倍以上の5億時間再生されました。
さらに、東京オリンピックの開催期間の中でも野球・サッカー・バスケットボールなどの注目競技の決勝が行われた8月7日にはピークトラフィックが10Tbpsに到達。これはリオデジャネイロオリンピックのピークトラフィックである4.5Tbpsの2倍以上の記録です。
ただしAkamaiによると、2021年6月11日~7月11日にかけて開催されたUEFA欧州選手権の平均ピークトラフィックは17.5Tbpsで、東京オリンピックの記録を大きく上回っていたとのこと。さらに、7月11日に行われたイタリア対イングランドの決勝戦では東京オリンピックの最大ピークトラフィックを大きく上回る35Tbpsを記録しました。Akamaiは東京オリンピックとUEFA欧州選手権のトラフィックに大きな差ができた理由について「トラフィックの差には、ユーザーの集中が影響しています」「サッカーの試合は開始時刻が決まっており、試合が2時間以上に及ぶことはめったにありません。それに対してオリンピックでは1日を通して異なる競技が行われます」と指摘。実際にトラフィックでは東京オリンピックとUEFA欧州選手権の間に大きな差がありますが、UEFA欧州選手権のムービー合計再生時間は5億7800万時間で、東京オリンピックの記録(5億時間)に近くなっています。
なお、東京オリンピックとインターネット通信を巡っては、開会式の中継映像の海賊版が「史上初の8K海賊版ムービー」として出回ったことでも話題になっています。
東京オリンピック開会式の映像が史上初の「海賊版8Kムービー」として出回る、容量は約135GB – GIGAZINE
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