使えば使うほど便利になる。Windows 11の「リコール」機能を試してみた

Microsoftマイクロソフト)のAIとして発表されたCopilot。チャット型AIアシスタントであるCopilotアプリのリリースに続き、Windows 11の新機能としてもさまざまなAI機能が公開され始めています。

その中でも、自動的にPC画面のスクリーンショットを撮影し、簡単に過去の作業を遡れる「Recall(リコール)」という機能は、発表から注目を集めていました。

ユーザーのプライバシーへの懸念から登場が遅れていましたが、先日プレビュー版がついにリリース。そして12月6日から新たにIntel製とAMD製のチップを搭載したCopilot+ PCAI PC)でもこのリコールのプレビュー版が使えるようになったのです。

リコールのプレビュー版は現在Windows Insider向けプログラムとして公開されています。リコールのセットアップ方法や始め方はこちらからご覧ください。

今回は「HP OmniBook Ultra Flip 14」を使って、リコールを試してみた結果をレビューしていきます。

インタラクティブなビジュアル履歴閲覧

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Screenshot: Microsoft

まずはじめに触ってみた感触としてはブラウザ履歴のビジュアル版と感じました。

このあたりは想像していた感じの通りではありますが、PC画面の履歴を見ていく=開いたウィンドウやページをビジュアルとともに見せてくれます。

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Screenshot: Microsoft

リコールの最大の特徴のひとつに、撮影したPC画面内の要素を取得してくれるというものがあります。

これにより、スクリーンショットに含まれるテキストや画像を選択・コピーしたり、表示されているページへのアクセスもすぐにできるのです。

上の画像では、ブラウザのページ内にあるテキストなどがハイライト表示されているのがわかります。ここにカーソルをもっていくと、その部分を選択できるというわけです。

このテキストや画像にフォーカスしてクリックすると「Click to Doクリックして実行)」が有効となり、テキストの保存やほかの実行アプリを開くなどのさまざまなアクションが可能となります。

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Screenshot: Microsoft
スクリーンショット下部のボタンを押せばすぐにアクセスできます。

何日か前に見たページも、スクリーンショット下部のボタンを押せばブラウザが開き、そのページにアクセスできます。

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Screenshot: Microsoft

このように、ビジュアルでわかりやすく履歴を見るだけでなく、そのページの内容をコピーしたり、アクセスしたりといったインタラクティブなアクションができるのがリコールの魅力です。

個人的には、ブラウザの履歴を見ることや閉じたウィンドウやタブを見るといった行為が減りました。悪癖であるタブを複数開くということも減りました。

ブラウジングをするときに、つい後でまた見るからといった理由でタブを開きっぱなしにしてしまうのですが、リコールで確認すればページをビジュアルとして見られるだけでなく、すぐにアクセスもできるのでタブを閉じても大丈夫、といった安心感がありましたね。

いろいろなアプリの履歴を見られる

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開いていたフォルダの履歴が確認できて、さらにすぐに開けます。
Screenshot: Microsoft

リコールは画面を撮影するので、当然ブラウザだけでなく、そのPCで開いているさまざまなアプリの履歴が見られます。

たとえば、エクスプローラーで開いていたフォルダの履歴は通常残りませんが、「さっき見ていたフォルダのディレクトリはどこだったっけ?」といったちょっとした疑問もすぐに解消できます。さらに、そのフォルダをリコールの画面から直接開くことも可能です。履歴が残らない、または辿りにくいアプリでも簡単に内容を確認できるのはいいなと思いました。

それこそWordやExcelのファイル、共有サーバーに保存されているファイルなど、ディレクトリを見失いがちなフォルダの履歴も確認できるのは大きな利点です。

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さっき聞いていた曲なんだったっけ?とリコールで探したらすぐに見つかりました。
Screenshot: Microsoft

あるいは、Spotifyでさっき流れていた曲のタイトルを探すこともできます。画面上に表示させておく必要はありますが、並行して動いているアプリの履歴も見られるというのはありがたいですね。

ただし、現状リコールからアクセスできるアプリや選択できる文章などは、基本的にそのときに最前面で使用しているウィンドウだけのようなので、このあたりは注意が必要です。

ちなみに外部ディスプレイを使用している場合も、常時画面2枚分のスクリーンショットを撮影するわけではありません。

基本的に最前面で使用しているウィンドウを撮影するので、メインディスプレイを触っていればメインを、サブディプレイの画面を動かしていればサブのスクリーンショットが残るようになっています。

検索をうまく使うとより効率的

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Screenshot: Microsoft

リコールのもうひとつの大きな特徴が、過去のスクリーンショットを検索することができるという点です。

この検索はいわゆる自然言語で入力ができ、さらにアプリをまたいで広範囲を検索できます

たとえば、上記の画像のようにざっくり「映画」について検索すると、過去に閲覧した映画にまつわるスクリーンショットを表示してくれます。

時間から調べたい時は「一昨日の18時に見ていたもの」といったふわっとしたキーワードでも検索可能です。

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Screenshot: Microsoft

検索結果では、ブラウザやエクスプローラー、ほかのアプリも含めて関連するスクリーンショットを表示してくれます。

ほかにもアプリごとにフィルターをかけて、各アプリの履歴を遡ったりもできます。たとえば、検索結果からEdgeで開いたものをソートすることも可能です。

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Screenshot: Microsoft

また「エクスプローラー」と検索すれば、エクスプローラーに絞ったフィルターをかけ、一覧で表示してくれます。

実際、フォルダやファイルの場所を探すのに便利で、すぐにお目当てのフォルダを探し当てることもできました。

使えば使うほど便利になりそう

今回、リコールを数日間使ってみましたが、特に感じたのは使えば使うほど便利になるかも、という点です。

初日は「まあビジュアルで履歴を見られて便利だなあ」といった程度でしたが、何日か使っていると実際に「こないだ見たあれなんだったっけ?」という状況に直面し、リコールを使うことですぐ解決することができました。

また、履歴から元のURLやフォルダにすぐ移動できるのも使い勝手が良かったです。

一方で、選択したいテキストの範囲が微妙にズレていたり、うまく画像内を認識してくれていないと感じることもありました。ウィンドウを複数開く身としては、最前面のウィンドウ以外もアクションが実行できたらいいなあ、なんて思ったりもします。またストレージ容量が消費されるのも気になりました。

とはいえ、リコールがまだプレビュー版であることを考えれば、実際触ってみて概ね期待以上の機能だと思います。普段と同じようにブラウザやほかのアプリを開きながら、加えてリコールを使っていても特にPCが重くなる感じもなかったですし、普通に使えて便利という印象です。

まだプレビュー版なので少し待つのも手だと思いますが、個人的には利用してみて十分に価値がありました。

source: Microsoft, HP

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