変なAIもあるけど、それだけじゃなかった。
先ごろラスベガスにて開催されていた家電見本市「CES 2024」では、期待以上に収穫がありました。AIだらけかな?…と予想してましたが、AIがあってもなくても、もっと良い意味でのサプライズもたくさんありました。
そんな今年のCESで見つけた、クールで興味深い、または良い意味で変なガジェットを振り返っていきましょう。
- LGの透明TV
- スマートグリル「Perfecta」
- 『ジョーズ』のピンボール
- Auracast
- Skytedの静音マスク
- HP Omen Transcend 14
- 自走式ベビーカーGlüxkind Ella
- MSI Claw
- Palmplug One
- Razerの次世代チェアEsther
- 折りたたみテレビ C-Seed N1
- LenovoのE Inkカバー付きラップトップ
- Happysiteの生成AIバックパック
- Samsung Ballie
- Garmin Lily 2
- Varjo XR4ヘッドセット
- LG CineBeam Qube 4Kプロジェクター
- Asus Zenbook Duo
- スマートリング Evie
- ビール醸造マシン
- 新PS5を色でカスタム
- Prinker
- アートとしてのTV
- WeHead
- Fuse Audioの縦型レコードプレイヤー
- スマートネイルサロン Nimble
- なぜか踊るクルマ
- XReal Air 2 Ultra
- bHaptics TactGlove
- Alienwareの4K QD-OLED
- TyphurのSous Vide調理器
- マッサージアーム iYU
- Looking Glass Go
LGの透明TV
CES 2024 で最初に話題になったのが、この透明TV「Signature OLED T」です。ディスプレイを透明にすると、中身はホログラムみたいに見えます。
窓の前に置いても視界を遮らない利点もあるし、普通のTVみたいにしたいときは、裏に黒いフィルムを出せばOKです。GIFではなかなか伝わりにくいんですが、何年もCESを見てきた中でも、これは最高にインパクトがありました。
スマートグリル「Perfecta」
SeergrillsのPerfectaは「スマートグリル」と銘打ってるんですが、何がスマートかって、調理時間がものすごく早くて、どんな料理でも3分以内に、しかも完璧に火を通せるってことです。
あ、火を通すといっても、例えばステーキなら、肉の種類と好みの焼き具合を指定すれば、レアでもウェルダンでもその通りに仕上げてくれます。
肉や魚は両面を網ではさんで縦にして焼くんですが、ピザを焼きたいときはちゃんと横向きで焼けます。
『ジョーズ』のピンボール
ピンボールってやっぱりアートなんですよね。こちらは映画『ジョーズ』へのラブレターともいえるマシンで、リチャード・ドレイファスの「マルチボール」って声も入ってます。
Auracast
Bluetoothのオーディオ新機能「Auracast」も出展されてました。何がうれしいかって、グループツアーとか、空港でのアナウンスが、イヤホンを外さなくても聞けるってことです。
Skytedの静音マスク
Skytedのマスクにはマイクと音声遮断機能が入っていて、ある意味プライバシーフィルターです。HEPAフィルターは入ってないので、感染症対策向けに完璧ではないんですが、カフェでビデオ会議に出なきゃいけないようなときにすごく助かりますね。ディスプレイ付きマスクもデモされていたんですが、ここで口元の動きを映してくれたら完璧では。
HP Omen Transcend 14
HPのゲーミングラップトップ「Omen Transcend」は完全にリデザインされ、前よりずっと小さくかわいくなりました。Intel Core Ultra CPUとNvidia GeForce 4000 GPU搭載ですが、薄めのデザインに仕上がっているし、白い筐体にフルLEDのキーボードは映えますね。
自走式ベビーカーGlüxkind Ella
ついにベビーカーも自律走行する時代になりました。Glüxkindのベビーカー「Ella」は自律走行できるので、ベビーカーに赤ちゃんだけ乗せて「いってらっしゃーい」…ではなくて、誰かが押して歩くのをきめ細かくアシストするっていう考え方です。
例えば坂道とか、もう1人のお子さんの手を引いて歩いてるときとか、すごく助かりそうです。お値段は3,800ドル(約55万円)だけど、お子さんが大きくなっても使える仕様だし、長い目で見れば…それでも高いか。
MSI Claw
MSIは他社に先んじて、Steam Deckのライバルとなるモバイルゲーム機「CLAW」を発表しました。チップは他社のほとんどがAMDのRyzenシリーズを採用する中、Intel Core Ultraプロセッサを搭載していて、そのパフォーマンスに注目が集まります。ジョイスティックやボタンのカラフルなLEDも好き。
Palmplug One
Palmplug Oneは手や指の動きを捉えるハンドトラッキングと、触覚フィードバックができるグローブ型デバイス。VRやゲームやいろんな使い方が想定されてますが、中でも麻痺した手のリハビリをゲームでできる「Theraplay」に期待です。
Razerの次世代チェアEsther
Razerは、微妙な表現を高精度ででき、かつ快適な触覚システム「Esther」の開発を順調に進めてるようです。Estherはまだコンセプト段階で買うことはできないんですが、いつも同じ振動じゃなく、ゲームの音をイスの微妙な動きに変換するシステムはすごく楽しみです。
折りたたみテレビ C-Seed N1
C-SeedのN1は137インチのMicroLED 4KTVで、使わないときはアート作品みたいなベースに折りたためます。超富裕層のインテリアデコレーターには夢のTVなのかもしれません。
「アダプティブ・ギャップ・キャリブレーション」なる機能を使い、各パネルのエッジの明るさを自動で上げて、折り目が見えないようになってます。コンサートとかでよく使われる壁一面の巨大LEDと同じような方式です。あ、ただお値段が…22万ドル(約3200万円)します。
LenovoのE Inkカバー付きラップトップ
Lenovoの新製品としては、AndroidタブレットとWindowsラップトップの2-in-1、ThinkBook Plus Gen 5 Hybridもさることながら、ThinkBook 13x Gen 4 SPEにもワクワクしました。
これ、カバーがE Ink Prismディスプレイになってるんです。E-Inkながら8つの色を表示できて、カバー画像は1,000種類からカスタマイズできるとのこと。
Happysiteの生成AIバックパック
LEDを埋め込んだバックパックを作ってるHappysiteが、生成AIを取り入れました。自分で作った画像やショート動画を、背中のディスプレイで見せびらかせます。
Samsung Ballie
Samsung最新のロボットは、CES初日の発表以来、会場のあちこちで見かけました。Ballieはボールの形に憑依したAIアシスタントで、プロジェクターが内蔵されてます。家の見回りをしてくれて、外出するときはペットの様子を動画で知らせてくれます。
Garmin Lily 2
CES 2024ではかわいいスマートウォッチがたくさん発表され、GarminはLily 2を発表しました、250ドル(約3万6000円)からでいろんな色や質感のデザインがあり、心拍数に歩数、ストレスレベルもモニターできます。起床時の睡眠レポート機能や、非接触決済機能も搭載されています。
Varjo XR4ヘッドセット
Varjo最新のハイエンドVRヘルメットは、パススルー機能を推してるんですが、4Kディスプレイのすごい精細さも特徴的でした。
LG CineBeam Qube 4Kプロジェクター
LG CineBeam Qubeは、トースターサイズで重さ3ポンド(約1.4kg)少々。それでいて倍以上のサイズのプロジェクターよりパワフルで、4K/120インチサイズの投影ができます。
Asus Zenbook Duo
Asusの新Zenbook Duoはすでに物議を醸しています。画面が2つあるノートPCってどういうこと!?という人もいますが、いつでもどこでもデュアルディスプレイで作業したい人には、待望の救世主となるかもしれません。
スマートリング Evie
MovanoのEvieはすごく軽くて、女性を意識したデザインと機能になってます。少し手がむくんでもいいように、ちょっとオープンな形になってるのも親切。Androidには未対応ですが、今年中に対応するとのこと。お値段270ドル(約3万9000円)で、サイズは自分に合ったものを選べます。
ビール醸造マシン
今年のCESでは、簡単にビールを醸造できるオールインワンマシンがいくつか出てました。任意の温度・圧力に調整できるiGuluの醸造マシンも良さげでしたが、タンクの上の容器に材料を入れるだけでビールが1.6ガロン(約6L)作れるっていう、Exobrewも気になりました。
新PS5を色でカスタム
デザインがスリムになった新PS5ですが、サイドカバーとおそろいのDualSenseコントローラーが各3種類発表されました。これからもっといろんな色も追加されていくとうれしいですね。
Prinker
テンポラリーのタトゥーをいろんなデザインや色で入れられるPrinker。前からあるけど、やっぱり優れものです。
アートとしてのTV
TCLのアートフレームみたいなTVからSamsungのSerifまで、CES 2024にはそれ自体アート作品として鑑賞したくなるようなTVがあふれてました。TVに求められるのは最高の解像度とか性能とかだけじゃない、ってことですよね。
WeHead
去年のCESで、リモート出席に物理的に存在するためのデバイスを発表したWeHead。見た目はともあれ、中身は一応実在の人間でした。
でも、今年WeHeadが発表した「WeHead GPT Edition」の中身は、生成AIです。男性や女性のキャラクターが中に入ってますが、著名人にカスタマイズも可能なようです。ただ性能的にはちょっと問題があり、がやがやしたCES会場では記者の質問に応えてくれず、あさっての方向を向いてしまいました。
Fuse Audioの縦型レコードプレイヤー
ここしばらく縦型レコードプレイヤーを作ってきたFuseが、30Wスピーカー搭載モデルを発表しました。33回転/45回転/78回転に対応し、Bluetooth 5.0もサポートしてます。
スマートネイルサロン Nimble
指先を入れれば自動でネイルを塗ってくれるという触れ込みのNimble。爪の形をちゃんと分析して、その形通りに塗ってくれることになってます。
ですが、最初はあまりうまく塗れないかもしれません。Nimbleいわく、機械学習により後々は改善するはずとのことです。ただ、塗り終わるまで25分くらいかかるので、本当に忙しいときに使えるのかどうかも微妙です。
なぜか踊るクルマ
韓国最大のモバイル通信会社の1つSK Telecomは、CESの巨大なブースにK-POPスターを呼んだり、この踊るクルマを展示したりしてました。このクルマは単に「未来のクルマ」関係の画像を投影されながら上下に動いてるだけだったんですが、やたら目立ってました。
XReal Air 2 Ultra
Xrealは、Apple Vision Proで注目される「空間コンピューティング」にあやかってか、700ドル(約10万円)のARグラス「XReal Air 2 Ultra」を発表しました。ただ現状ではUIがなく、コンセプト段階のハンドトラッキングコントロールのテキストメッセージや映画視聴での使い方がわかるだけです。でも、視野が広いしリフレッシュレートが120Hzなので、ディスプレイとしては良さそう。
bHaptics TactGlove
bHapticsは、VRベストも防弾ベストっぽくて良いんですが、このグローブもすごく突き抜けてます。指先と手首に触覚があり、物を持ったときやハイタッチするときの感触を伝えるという触れ込みです。
ただ、デモでアバターをハグしたりしたんですが、ハンドトラッキングの精度がイマイチで、あまり没入感は得られませんでした。
Alienwareの4K QD-OLED
今年のゲーミングモニターはどれも解像度向上を謳ってましたが、Alienware の4K/240HzのQD-OLEDは、この激戦の市場の中でもベストです。ゆるやかにカーブした32インチ画面は仰々しくなく、それでいてゲームプレイに視野を集中させるのには十分です。
TyphurのSous Vide調理器
TyphurのSous vide Stationは、オールインワンの真空低温調理器。お湯の温度を適切に管理して調理ができるだけじゃなく、12.3インチのタッチ画面で何百種類のレシピも出してくれます。
ただ、お値段が約1,200ドル(17万円)と、ハイエンドスマホと同じくらいするので、買った人はスマホと同じくらい頑張って使いこなしてほしいです。
マッサージアーム iYU
Capsix Roboticsのマッサージロボット「iYU」は、カメラでユーザーの体型を把握していて、それに合わせてプログラムを調整してくれます。またユーザー自身も、手を置く部分のリモコンを使ってマッサージの強さを指示できます。
Looking Glass Go
Looking Glass Goはホログラムのフレームで、スマホで撮った写真でも、昔の古い写真でも、ホログラム化して飾れます。さらにチャットボット機能も搭載予定で、写真の中の人を3Dアバター化したものと会話できるようになるとのこと。