耳鳴りはなぜ発生するのか?どうすれば耳鳴りを和らげられるのか?

GIGAZINE
2022年12月31日 19時00分
メモ



耳の中でいろいろな音が鳴るように感じる耳鳴りには、世界各国で多くの人々が悩まされています。慢性的に続く人もいれば、ふとした瞬間に突然症状が発生する人までさまざま。このような耳鳴りにどのように向き合っていけばいいのかについて、バージニア大学の耳鼻咽喉科教授であるブラッドリー・ケッサー氏が解説しています。

That annoying ringing, buzzing and hissing in the ear – a hearing specialist offers tips to turn down the tinnitus
https://theconversation.com/that-annoying-ringing-buzzing-and-hissing-in-the-ear-a-hearing-specialist-offers-tips-to-turn-down-the-tinnitus-192242

耳鳴りで聞こえる音はブーンという音やヒューという音、ゴロゴロという音など患者によってさまざまです。しかし、どのような音であってもその症状は耳鳴りと呼ばれます。そして、耳鳴りの患者に共通しているのは「音が外から聞こえてくるのではない」ということで、文字通り耳の中で鳴っているということだとケッサー氏は話します。

耳鳴りに悩まされる人はアメリカ人だけでも人口の15%に相当する約5000万人に上り、そのうちおよそ2000万人が負担の大きい慢性的な耳鳴りに悩まされ、さらに200万人が極度の耳鳴りに苦しんでいるそうです。

耳鳴りの症状について詳しくは分かっておらず、研究者の中には耳で発生するという人や、脳で発生するという人までいろいろいるそうです。しかし、確かなことは誰も言えず、確実な治療法が無いというのが現状です。

ただし、耳鳴りを引き起こす原因は少しですが明らかになっています。例えばロックコンサートや工場、戦場などで発生する爆音が引き金となっていることがあり、軍人などはその多くが耳鳴りに悩まされているそうです。その他の要因としては、副鼻腔感染や発熱、インフルエンザ、精神的ストレスなどの病気にかかったときや、カフェイン、ニコチン、アルコール、アスピリンなどの物質を摂取したときなどが挙げられます。


耳鳴りを改善する方法について、ケッサー氏は「耳の検査を受けて、耳垢がたまっていないか、感染症にかかっていないか、鼓膜に穴が開いていないかなど、初歩的な原因をまず除外するべきです」と指摘。その後、総合的な聴力検査を受けていく必要があるそうです。

より踏み込んだ簡単な改善案として、ケッサー氏は「別の音を聞くこと」を挙げています。例えばYouTubeには不快な音を打ち消すような自然環境の録音がいろいろあり、スマホで利用できる環境音のアプリなどもあります。人によっては、エアコンや扇風機、ラジオなどの音も耳鳴りを打ち消すのに効果的に作用するそうです。

耳鳴りが精神的ストレスから来るものであると考えられる場合、抗うつ薬や抗不安薬が効く場合もあるとケッサー氏は述べています。また、うつ病や不安神経症、心的外傷後ストレス障害などを抱えている人は会話療法も有効だとのこと。これは、根本的なストレスを軽減することで、耳鳴りと闘うのではなく一緒に生きていくことを学ぶのに役立つ治療法だそうです。


また、ケッサー氏は医師にみてもらうまでに多くの患者はストレスの連鎖に巻き込まれているものだとも指摘しています。耳鳴りがストレスになり、ストレスが耳鳴りを増やし、さらにストレスが増えるというように負の連鎖が続く人もいるとのことで、ケッサー氏は「医師は、耳鳴りが危険なものでも命にかかわるものでもなく、もっと深刻な何かの兆候や症状でもないことを患者に伝えて安心させることが重要です。多くの場合、この単純な安心感だけで、患者は耳鳴りをうまくコントロールすることができます。目標は、患者さんが耳鳴りのせいで気が散ったり、夜眠れなかったりする機会を減らすことにあります」と語りました。

最後にケッサー氏は「耳鳴りを治す、あるいは軽減するとうたったサプリメントがたくさん出回っているので注意が必要です。このようなサプリメントで耳鳴りが治ったという科学的な研究結果はありません」と指摘。「脈拍が聞こえる人は医師の診察を受けてください。脈打つような耳鳴りを感じる人も同様です。多くの耳鳴りの患者にとって時間の経過というものが大事であり、数ヶ月、あるいは数年かかるかもしれませんが、ある時点で症状がほぼ治まり、その影響が大きく軽減されることがよくあります」と述べました。

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