2023年に見つかった恐竜の秘密11選

今年も「へ〜!」な発見がたくさん!恐竜が存在していた世界は約6600万年前、地球に隕石が衝突したことで突如終わってしまいました。そして恐竜やさまざまな古代の生物は、現代の私たちへ化石などの遺物として多く謎と秘密を残しています。

古生物学者たちはそんな秘密を引き出すために研究を続けています。そんな研究の中で2023年に発見された恐竜や古代の生命の秘密がこちらです。

若い恐竜が赤ちゃん恐竜を食べていた

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Image: Darla Zelenitsky, University of Calgary (specimen courtesy of Royal Tyrrell Museum)

12月、古生物チームが驚くべき発見を発表。ゴルゴサウルスと呼ばれるティラノサウルス科の一種で、若いティーンエイジャーの恐竜の胃の中に、2歳の恐竜の後肢が残留していたことがわかりました。赤ちゃん恐竜を食べていたのです。

海生爬虫類モササウルスの新種

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Illustration: Henry Sharpe

白亜紀に生息していた海生爬虫類クジラとサメが混ざったような姿のモササウルス」。10月にある研究チームがモササウルスの新種「ヨルムンガンド・ウォルハラエンシス(Jormungandr walhallaensis)」を発表しました。全長7.3mで、鋭い歯と短い尾が特徴です。この化石はアメリカのノースダコタ州で見つかり、名前は北欧神話のロキの息子にちなんで名付けられています。

粉塵が恐竜を絶滅させた?

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Illustration: Mark A. Garlick

恐竜をはじめとする大量絶滅が起こった時期を「K-Pg境界」と言いますが、その原因はメキシコのユカタン半島沖の海に直径約10kmの巨大隕石が落ちたことでした。地球上の生命の約4分の3が絶滅したと言われています。そして、その大量絶滅の主な死因が、巻き上げられた粉塵によるものだったと今年、仮説が立てられました。

研究チームの計算によると、その粉塵は地球の大気中に15年間とどまり、太陽を遮蔽したことで地球の温度を約15度も下げてしまったとのことです。

恐竜に噛み付く哺乳類の化石

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Illustration: Copyright 2023 Michael W. Skrepnick / courtesy of Canadian Museum of Nature

7月に「Scientific Reports」に発表された論文で、1億2500万年前のちょっとおもしろい化石について書かれています。ハクビシンくらいの大きさの哺乳動物が、くちばしのある恐竜を噛んでいる姿の化石です。哺乳類と恐竜が地球で共存していたにもかかわらず、それを示す化石があまり見つかってなかったので大変レアな化石となっています。

三葉虫の内臓の化石

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Illustration: Jiri Svoboda

三葉虫の一種の甲殻の消化管内に、化石化した生物が発見されたのも今年。オルドビス紀の生物は海底の泥流に埋まっていたため保存状態がよく、研究チームは三葉虫が食べた貝虫や二枚貝、そしてその三葉虫が死んだ後に腐肉虫が甲殻に穴を掘った痕跡まで確認できたということです。

恐竜の卵の中に宝石

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Photo: The Natural History Museum, London

この美しい鉱石メノウはなんと、大きな恐竜の卵の中で形成されたものだとされています。この恐竜の卵の中のメノウはインドで発見され、約140年前にロンドンの自然史博物館のコレクション入りしたものですが、このメノウ入りの卵自体は約6000万年前のものとされています。この卵は、おそらくこれまでに存在した最大の陸上動物ティタノサウルスに属していたと考えられています。

翼竜の前段階の姿の爬虫類

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Illustration: Caio Fantini

今年8月、研究チームが三日月刀のような爪を持つ奇妙な爬虫類について発表しました。発見された化石は、2億3000万年前のラゲルペトン類の化石だったのですが、これはおそらく翼竜の進化前のグループに属しているとされています。化石には頭蓋骨も残っていました。この発見により、三畳紀の動物についてより理解が深まるだろうとのことです。

ティタノサウルスの巣

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Photo: Dhiman et al., 2023, PLOS ONE, CC-BY 4.0

上でメノウが形成された恐竜の卵を紹介しましたが、今年インドではなんと92カ所からティタノサウルスの巣が発見されています。恐竜の地理的な広がりを示す発見となりました。

恐竜には唇があった

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Illustration: Mark P. Witton

剥き出しの鋭い歯のイメージが強いティラノサウルスですが、肉食の獣脚恐竜は実際には歯を覆う唇のような皮膚があった可能性が高いことも、今年判明しています。この発見でこれからは牙が剥き出しではない、ぴったり口を閉じた恐竜のイラストに変わっていくのかもしれないですね。

恐竜の胃の中に哺乳類

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Illustration: Ralph Attanasia

厳密にはこの発見は2022年の12月だったのですが、2023年に入れさせてもらいますね。中生代前期白亜紀に生息した4つの翼を持つ小型羽毛恐竜ミクロラプトルの胃の中に哺乳動物が入っているのが発見されました。恐竜と哺乳類、一緒にいた証拠がまた見つかったわけです。

恐竜たちの名前変更

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Photo: Wikimedia Commons

11月に米国鳥学会は北米の鳥たち(現在生存している唯一の恐竜が鳥ですよ!)の一部の英語名が廃止されることを発表しました。鳥の名前の由来が、人種差別主義など歴史的に問題ある人たちにちなんでいることが多いからというのが理由だそうです。

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